Light in June

文学やアニメ、毎日の生活についての日記。

DoGA・CGアニメコンテスト

2008-05-06 02:41:07 | アニメーション
本日、DoGA・CGアニメコンテストに行ってきました。新海誠がデビューしたコンテストです。場所は中野ZEROホール。あの、中野ZEROホールです。中野区民なら誰でも知っています。CGアニメコンテストの会場としては、いささか立派過ぎるのではないのか?と思いつつ、いざ会場へ。

20分前に到着したんですが、会場前には長蛇の列。しかも予想通り男が多い。こいつら全員おたくか?と疑念を抱きながら、場内へ。

座席は大体埋まっていて、なかなかの盛況。ホールの外では自主制作のDVDやコンテストのVHS・DVDが手ごろな価格で販売されている。外伝DVDがちょっと欲しかったのだけど、お金を1000円しか持っていなかったので断念。ちなみに外伝DVDとは、コンテストで選外になってしまったけれど、おもしろい作品を集めたDVDのことだそうです。さあ、上映開始のブザーが鳴った。

司会の女性の、「YouTubeやニコ動への投稿はご遠慮ください」というアナウンスに会場が爆笑。これっておたくのノリか?さて、上映作品の中で観客賞を選ぶために、DoGA特有のシステム「拍手くん」が用いられる。観客の拍手を測定、数値化するという優れものだ。ひとつの作品が上映される毎に、観客が思い思いの強さで拍手をして、その音を「拍手くん」が測定する。なるほど。いよいよ上映開始。

上映作品の中に、「アメリカ大統領アメリちゃん」というアニメがあり、それに観客が食い付き大爆笑。アメリカの横暴を皮肉ったギャグアニメなんだけど、なぜかソ連が敵国として登場していて、冷戦ネタが満載。でもこれほどの笑いが起きるとは思わなかった(結果的にこの作品が観客人気№1)。これってやっぱりおたく的ノリか?

今回紹介された作家・作品の中には既に知っているものがちらほらあった。それらを含めて、個人的に一番気に入ったのは、山崎伸浩『扉』だ。かなり高度なCG技術で描かれた背景は圧巻。テーマ的なものは古臭さがあって、それは残念だったけど、あの背景に見合った物語を発見できれば化けるかもしれない。それと、山口翔『trip』は今回の中では一番評価できる作品だと思った。内容がありがち、と評されていたけども、それは、紙に描かれたものが動き出すというモチーフのことを多分言っているはずで、逆に世界が描線画に置き換わってしまうところ、なかなか非凡に感じた。最後のまとめ方もうまい。

反対に最も駄目だと思ったアニメは、安芸ゆうり『星に願いを』だ。描きたいものは明確なんだけど、それがうまく消化し切れていない、というより、独りよがりになっているように感じた。あと、人物がイタイ。おばあさん役の声優が若い声というのも興ざめ。もっとも、自主制作アニメでは声優の確保は難しいかもしれないのでこれは大目に見なくてはならないかもしれないけど。

全てのコンテスト作品の上映終了後、「ひきこ」という自主制作アニメの特別試写会が開かれた。せっかくだから見て帰ることにしたのだけど、失敗だった。思いっきりホラーじゃないか。おれは怖いのは苦手なんだ。大嫌いなんだ!しかも普通にすげー怖かった。特に前半。これがこれから40分も続くのかよって思い、暗澹たる気持ちでいたんだけど、中盤は少し落ち着き、ほっとした。まあ怖かったんだけどね。今日寝られるかなあ…。

他に気になった作品をいくつか紹介。『flower』はチェコの粘土アニメを模しているということで、CGアニメらしからぬ質感を感じさせてくれた。『世界一の花火』は、最初のシーンで、少年が向こうへ歩いていくときの足の運びが、たぶん色彩で表現されていて、どこかペトロフを思わせた。『卵殻内明晰夢』は個人的には好きなタッチなんだけど、今回の上映情報だけではよく分からない。もっと筋がはっきりしたもので同じようなのを見たい。『mama&marmalade&me』。ほのぼのタッチで、なかなかの秀作だと思う。『まひる・ぷれでぃくしょん』はいわゆる戦闘美少女系のアニメ。もっとも、戦うのは彼女の指示するロボットみたいな格好のやつ。よくできてるんだけど、少女の動きがぎこちない。特に髪の毛。そんなものかな。

このコンテストは、エンターテインメント性重視のようで、見ていて飽きるような作品は少なかった。また、作品と次の作品の合間に司会の女性が必ずコメントを挟むのも、休憩時間になって息抜きができた。なにせ12時30分から18時30分までの長丁場だ。それがありがたかった。
総じて、楽しいコンテストでした。来年もぜひ行きたいな。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。