Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

H2Aロケットに託す、日本の宇宙

2004-11-21 21:31:05 | Weblog
H2A打ち上げ、2月にも再開 気象衛星搭載見込み

H2Aロケットの打ち上げが来年2月に再開される見通しになった。昨年11月の6号機打ち上げ失敗を教訓に設計変更した大型固体補助ロケット(SRB)の信頼性、安全性が燃焼試験で確認でき、技術的に再開のめどがついた。気象衛星「ひまわり5号」の後継機を搭載する見込みだ。相次ぐトラブルで停滞していた日本の宇宙開発が、再び動き出すことになる。

 唐突だけど、私は宇宙が好きだ。だから、全段国産のH2ロケットができ、しかもその性能が世界トップ(貨物/重量)だと知ったときそりゃあ嬉しかった。
 しかし皆様も知っての通り、最近のH2Aロケットは失敗続き。何とも寂しい限りだ。

 しかし、今度はどうやら大丈夫のようだ。ちょうど一年前の失敗によってずっと延期されてきた、ひまわり5号の後継機を打ち上げる事も、次の打ち上げでようやくかないそうだ。自分の国の気象情報を見るのに、アメリカの衛星を間借りするなんて情けないことがようやく終わりになる。

 実は、人類の宇宙開発史は、事実上アポロが月に言った時に止まっている。
 もちろん、火星や木星、果ては冥王星などの外惑星の調査は進められているが、それは無人の偵察衛星の話だ。人類自身が最も地球を離れたのは月が最長なのだ。
 さらに、私たちが小さい頃に思い描いていた宇宙旅行は、未だ地球周回軌道でも実現していない。(もっとも、20億円積めば何とかなるらしいが。)すばる望遠鏡が覗いた150億光年の彼方にある原始の銀河に比べれば、玄関から一歩踏み出たにすぎない距離なのに。
 それほどまでに宇宙は広大で、人類は小さい。

 宇宙開発は、実績的にあまり金にならない。だから日本ではどうにも予算が付かない。よって、技術力の発展は後手後手に回ってゆく。悲しい現実だ。
 それでもH2Aが定期的に発射できるようになれば、日本の宇宙開発は飛躍的に進歩するかもしれない。なぜなら、H2Aは公的な用途だけでなく、民間にも使用されることが前提だからだ。衛星を使った新しいビジネスが民間から出てくるなら、政府は宇宙開発により大きな予算を割くことができるようになるだろう。

 かつて、アメリカとロシアが人工衛星を打ち上げていた頃、日本では2,300メートルしか飛ばないペンシルロケットで実験を繰り返していた。そして、ようやく追いついた矢先の失敗の連続。
 H2Aの真の成功こそが、日本の宇宙開発を次のステージへ押し上げるのだろう。

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