決算発表と同時に09年9月期の分配金予想を発表した。何がおどろいたかと
いえば、前期と比較して分配金が54%減少し5750円となるとの予想になった
ことだ。プレスリリースによれば、今期は5月29日に満期が到来する179億
円の金融機関からの借入金のリファイナンスに伴う融資関連費用の増加が営業外
費用の大幅な増加をもたらすと予想している。今までほとんどノーマークで多分
大丈夫だろうと高をくくっていたので予想数字にはびっくりした。
びっくりしているだけでは話にならないのでIRに電話をかけて聞いてみる事
にした。まず融資関連費用についてだが、当法人の有利子負債は195億円とな
っており、しかも短期債務が100%、即ち長期の借入金がないというのは初め
て知った。補遺金調達金利は1.46%と特に過大な数字ではないが、債務の平
均残存年数(4月末現在)が0.2年と極端に短い。財務戦略というものが、こ
こからは全く感じられない。いくらなんでもこれはないだろうと感じる。
売上 営業 経常 支払 融資関連
利益 利益 利息 費 用
08/9 1284 750 519 152 58
09/3 1273 728 525 154 44
09/9 1285 706 243 180 282
10/3 1280 707 315 191 50
融資関連費用の推移を半期別で見たのが上記の表であるが、これをみると前期
前々期と融資関連費用が50百万を中心に推移しているのと比べて、今期に一気
に5倍以上の費用が発生することがわかる。確かにこれでは急激な減配が発生せ
ざるをえないだろう。そこでIRに聞いたことだが、まず「融資関連費用」とは
なんぞやという質問をした。IRによると融資関連費用は大きく分けて2つあり
シンジケートローンを組成する際に幹事行(Arranger)に支払うアレンジメント
フィー、そしてローン組成時に金融機関に支払うアップフロントフィーの2つが
主なものである。アップフロントフィーは支払い利息の前払い的な性格でどの
ローンでもあり、リファイナンスの際に発生する。次のシンジケーションの為に
アレンジャーに支払うアレンジメントフィーはシンジケートローン組成時に一時
的に発生するもので、今回の融資関連費用のほぼ半分を占めていると言われてい
る。
不幸だったのが通常のリファイナンスピリオドにあった借入金103億円と
上場時に借り入れた長期借入金のリファイナンス時期が今年の5月29日にぴた
りと一致してしまったことだ。それにしてももっと分散して借り入れればよかっ
たものをと考えるのはこのように下方修正が発表された後だ。営業利益の推移だ
けで判断すればキャッシュフローは安定しているが、リファイナンスコストの平
準化ができない限りこのような状況は続くだろう。但し、今期の配当水準
5750円は来期にはある程度回復することが見込まれている。その理由は前述
したとおり、アレンジメントフィーがなくなることだが、株価下落前の水準であ
る18万前後はやはり過大評価だろう。平準化すれば年間13000円程度の
分配金であれば10万円-12万円のレンジがフェアバリューではないか
いえば、前期と比較して分配金が54%減少し5750円となるとの予想になった
ことだ。プレスリリースによれば、今期は5月29日に満期が到来する179億
円の金融機関からの借入金のリファイナンスに伴う融資関連費用の増加が営業外
費用の大幅な増加をもたらすと予想している。今までほとんどノーマークで多分
大丈夫だろうと高をくくっていたので予想数字にはびっくりした。
びっくりしているだけでは話にならないのでIRに電話をかけて聞いてみる事
にした。まず融資関連費用についてだが、当法人の有利子負債は195億円とな
っており、しかも短期債務が100%、即ち長期の借入金がないというのは初め
て知った。補遺金調達金利は1.46%と特に過大な数字ではないが、債務の平
均残存年数(4月末現在)が0.2年と極端に短い。財務戦略というものが、こ
こからは全く感じられない。いくらなんでもこれはないだろうと感じる。
売上 営業 経常 支払 融資関連
利益 利益 利息 費 用
08/9 1284 750 519 152 58
09/3 1273 728 525 154 44
09/9 1285 706 243 180 282
10/3 1280 707 315 191 50
融資関連費用の推移を半期別で見たのが上記の表であるが、これをみると前期
前々期と融資関連費用が50百万を中心に推移しているのと比べて、今期に一気
に5倍以上の費用が発生することがわかる。確かにこれでは急激な減配が発生せ
ざるをえないだろう。そこでIRに聞いたことだが、まず「融資関連費用」とは
なんぞやという質問をした。IRによると融資関連費用は大きく分けて2つあり
シンジケートローンを組成する際に幹事行(Arranger)に支払うアレンジメント
フィー、そしてローン組成時に金融機関に支払うアップフロントフィーの2つが
主なものである。アップフロントフィーは支払い利息の前払い的な性格でどの
ローンでもあり、リファイナンスの際に発生する。次のシンジケーションの為に
アレンジャーに支払うアレンジメントフィーはシンジケートローン組成時に一時
的に発生するもので、今回の融資関連費用のほぼ半分を占めていると言われてい
る。
不幸だったのが通常のリファイナンスピリオドにあった借入金103億円と
上場時に借り入れた長期借入金のリファイナンス時期が今年の5月29日にぴた
りと一致してしまったことだ。それにしてももっと分散して借り入れればよかっ
たものをと考えるのはこのように下方修正が発表された後だ。営業利益の推移だ
けで判断すればキャッシュフローは安定しているが、リファイナンスコストの平
準化ができない限りこのような状況は続くだろう。但し、今期の配当水準
5750円は来期にはある程度回復することが見込まれている。その理由は前述
したとおり、アレンジメントフィーがなくなることだが、株価下落前の水準であ
る18万前後はやはり過大評価だろう。平準化すれば年間13000円程度の
分配金であれば10万円-12万円のレンジがフェアバリューではないか