CLASS3103 三十三組

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【読書】安禄山

2018-01-18 22:53:04 | 読書感想文とか読み物レビウー
安禄山  作:塚本 青史

唐末期を描いた小説であります
なんだかんだ、これで唐、特に玄宗を描いた小説を
3冊目であります
この小説のレビウの前に思うところでは、
やっぱり、楊貴妃まわりの物語というのは面白いのであろうと
それに尽きるところであります
則天武后よりも、やっぱり物語としては楊貴妃なんだなと
改めて思い知る次第、単純に、そこが面白いのだと
思わされてしかるべしでありました

今回は、その唐、玄宗と楊貴妃とのそれを終わらせることとなった
安氏の乱が終末でありまして、
その中心人物というべきか、いかにも、唐が産んだといえる
異民族でありながら、唐で取り立てられた
安禄山を主役にした物語でありまして、
彼がどう取り立てられていき、どう成り上がって、
そして、仕舞いを迎えたのかというところが
大変わかりやすく、面白く描かれた
歴史物語でありました

異民族でありながら、少し遠巻きで、
それでも様々な政治に塗れつつ
或る意味運よく生き残るといった結果を迎えながら、
さりとて、そのかかわりあった人たちが
非業ともいうべき最期を迎えていき
やがて、自分すらもというあたりが、涙を誘う内容でありました
この物語では、楊貴妃の重要度が低く
やっぱり、その程度の女であったかもしれないと
思わされてくれたのも、これはこれで
ひとつの物語だと思い知ったりするのでありました

楊貴妃という、この小説では
さして重要ではない人物ながらも、
それをどう描くかが、この時代を描くにあたって
非常に重要なのだと思い知った一冊でもありました
そして、高力士の重要さも含めてでありますが
なかなかどうしてであります

物語として、玄宗の終末を痴呆と
それに帰結しているのも、ひとつの描き方だなと
思い知ったりしたところであります
実際どうだったのか、そうでもなかったのか
こういう一代で凄かった人というのの
終末が酷いというのは、やはり本当のところそうだったんじゃないか
痴呆が始まってたんじゃないかと思わされたりしてしまうのが
哀しいようにも思うし、なんなし
説得力を持つようにも感じるのでありました

ともあれ、面白い小説でありました
唐を楽しめた、こうなると
やっぱり、宋をもっと読みたいんだが
いい小説がないんだよなぁ


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