CLASS3103 三十三組

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【読書】剣と紅

2017-10-23 21:35:44 | 読書感想文とか読み物レビウー
剣と紅  作:高殿 円

知らずに手にとったら、井伊直虎の物語でした
作者からちょっとコメディ調子だったりするかと思いましたが
そういうこともなく、非常に真面目な歴史小説という感じで
おんな城主直虎を見ている身分としては、
出てくる武将の名前なんかもわかりやすくて
直虎という人物というか、井伊という家のことが
物語としてまた新たに知ることができて
楽しい読書でありました

などと呼ばれて、どこか不思議な力を備えている
そういう女として生きた直虎の生涯、というよりも、
井伊谷の運命的なそれこれを描いていて、
その都度、その不幸や、悲惨な事件を不思議な力で予見しつつも
防ぐことはできない、どうしようもないという
大変難儀な状態のまま過ごすが、やがてお鉢が廻ってきた
井伊の当主につくこと、それでもまた、
その力を生かすこともできず、断絶の憂き目にあうなど
その通りの歴史なのだけども、そこに
なんとか抗おうとしつつも、運命に流されるままでしかない
悔しい生き方が描かれていて
面白い小説でありました、一人の生涯として面白い、
そういう物語でありました

小野政次と、瀬戸方久との関わりが
物語としては非常に重要な部分なんだけども、
それぞれの生き方が、また哀しいでもないが、
直虎同様に、自分の人生をどう生きたかという結果だという捉え方が
大仰な物語ではないのに、重みがあるというか
説教臭さとは違う、なにか教訓めいたものを
記していたようにも感じたのでありました

基本的に、きわめて地味な話でありましたが
歴史モノという内容をきっちりとおさえて
それでいて、人間ドラマだったように読めたので
なんとも、現代劇のようにも思える内容だったと
感じたのであります


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