Kengoの将棋 実戦・研究ノート

私、Kengoが普段指している将棋や研究したことなどを書いていきます。

倶楽部24名人戦振り返り 3

2010-04-29 22:07:18 | 日記
 かなりズレこんでの更新になってしまいました

 すいません。週2更新って言ったそばから...

 1月9日に行われた24名人戦予選17局目からです。
 珍しく後手番で横歩取らせ(相横歩取り)
 ▲7七桂型できたので定跡通り△3三金とした。

 以下、▲8四飛△8二歩に先手がポイントを挙げにいく手段として
「東大将棋横歩取り道場」には▲6六角が有力とあるが先手はこの手を
採用せずに普通に組み合い。

 この△6二玉は趣向というよりやや欲張った手。△3三金型なので
経験則的に玉は7二に囲い△6二金、△5四歩、△5三銀、△4四金と
いう形を理想としていた。

 ただ、後でどっかの本を読んだらこの第2図で先に▲8七飛と引いて
△7二玉に▲8四歩と打てば後手を悪型にできるとあった。
これも予備知識としては損がないかも。

 本譜の先手は8三の地点に集中攻撃の態勢で来たがこれも△7二玉型
を直接咎めている。スムースに▲7五銀の態勢が取れるこの形では、
△7二玉型は危ないようだ。

 実戦では粘り強い指し回しが功を奏し一旦は必勝型になったが不用意な
攻めを逆用されて再逆転負け。

 後手番対策として単なる横歩取りでは難しいかもしれない。

 どうしようかなあ...

先週のNHK杯、屋敷vs吉田戦より

2010-04-22 01:22:08 | 日記
日付変わってしまいましたが一応、水曜夜の更新です

この間の日曜日に放映されたNHK杯からです。
屋敷九段は相掛かりのイメージがついていましたが、ここのところは
先手だと矢倉志向が多いようですね。

▲4六銀~▲3七桂型から▲2五歩を早めに決めるというちょっと見ない
指し方。△2四銀を上がられてからでは△1三銀型になるのを嫌ったので
しょうか?
解説の内藤九段はこの△1二歩では後手がつらいと言ってました。
実際、本譜の順では玉の狭さに泣かされるたのでその見立てはすごいと
思います。

ただ感想戦で変化の検討をしているときに気になった局面をやってくれま
した。▲3五歩△同歩▲同銀に△3六歩とされたらどうするのかなあと。
そしたら屋敷九段が明快な攻め手順を披露してくれました。

以下、▲3四歩△同銀▲同銀△同金▲1二香成△同香▲1三歩△同香▲1四歩


なるほど十字飛車狙いの捌きですね。今までの自分の矢倉の知識では
なかった攻め筋だけに新鮮でした。
以下は△1二歩▲1三歩成△同歩▲3五香と攻めが続くのですが、こう
なると吉田四段の低く△1二歩と謝った形は一概にダメとも言えない
ですね。この変化では先手を歩切れに導いていますから。

NHK杯を録画するようになったのは今年になってからですが、やはり
プロ棋士の解説や生の感想戦は生きた教材ですね。

羽生vs高戦 アップします

2010-04-18 23:39:34 | 日記
本日まで中日新聞に掲載の羽生vs高戦をテキストにてアップします。
高五段の阪田流向飛車という意欲的な序盤に中盤、羽生名人が鋭く
斬り込んで終盤しっかり一手余すという将棋でした。
kif形式ですので対応ソフトにコピー&ペーストして再現可能です。
著作権etcに関してはよくわかりませんが個人の趣味としてお使いください。

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持ち時間:4時間
棋戦:王位戦紅白リーグ
戦型:阪田流向飛車
掲載:中日新聞
手合割:平手  
先手:羽生 善治
後手:高 一生
手数----指手---------消費時間--
1 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00)
2 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00)
3 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00)
4 3二金(41) ( 0:00/00:00:00)
5 2五歩(26) ( 0:00/00:00:00)
6 3三角(22) ( 0:00/00:00:00)
7 同 角成(88) ( 0:00/00:00:00)
8 同 金(32) ( 0:00/00:00:00)
9 8八銀(79) ( 0:00/00:00:00)
10 2二飛(82) ( 0:00/00:00:00)
11 6八玉(59) ( 0:00/00:00:00)
12 4二銀(31) ( 0:00/00:00:00)
13 7八玉(68) ( 0:00/00:00:00)
14 6二玉(51) ( 0:00/00:00:00)
15 3八銀(39) ( 0:00/00:00:00)
16 7二玉(62) ( 0:00/00:00:00)
17 4六歩(47) ( 0:00/00:00:00)
18 8二玉(72) ( 0:00/00:00:00)
19 3六歩(37) ( 0:00/00:00:00)
20 7二銀(71) ( 0:00/00:00:00)
21 4七銀(38) ( 0:00/00:00:00)
*先に3七桂と備えるべきだったかとの羽生の感想
*それはそれで桂頭が弱く難しい
22 2四歩(23) ( 0:00/00:00:00)
23 同 歩(25) ( 0:00/00:00:00)
24 同 金(33) ( 0:00/00:00:00)
25 3七桂(29) ( 0:00/00:00:00)
26 2五歩打 ( 0:00/00:00:00)
27 3八金(49) ( 0:00/00:00:00)
28 3五歩(34) ( 0:00/00:00:00)
29 7七銀(88) ( 0:00/00:00:00)
30 3三桂(21) ( 0:00/00:00:00)
31 9六歩(97) ( 0:00/00:00:00)
*すぐに4五桂と狙われている桂を交換したほうがよかったのかもとの感想
*9六歩に9四歩なら、4五桂以下で角桂を持ち2歩を手にすれば9五歩以下の端攻めがある
*ゆえに後手としては9四歩と受けにくい
*なお、9六歩に4四歩、9五歩、3六歩、同銀、5四角には、5八角という展開になる
32 3六歩(35) ( 0:00/00:00:00)
33 同 銀(47) ( 0:00/00:00:00)
34 3五歩打 ( 0:00/00:00:00)
35 4七銀(36) ( 0:00/00:00:00)
36 3四金(24) ( 0:00/00:00:00)
*次に4四歩から5四角を見せた味のよい一手だが先に4四歩のほうがよかったと高の弁
37 5六角打 ( 0:00/00:00:00)
*厳しい一打。対して1二角なら3六歩、同歩、同銀、3五歩、3四角、3六歩
*(3四同角は3五銀)、1二角成、同香、3四歩で先手優勢。次に3三歩成、同銀、5五角の詰めろ銀取りがある。
38 2四飛(22) ( 0:00/00:00:00)
39 2三歩打 ( 0:00/00:00:00)
*高が軽視していた巧妙な歩
40 4四金(34) ( 0:00/00:00:00)
41 2二歩成(23) ( 0:00/00:00:00)
42 同 飛(24) ( 0:00/00:00:00)
43 2三歩打 ( 0:00/00:00:00)
44 2一飛(22) ( 0:00/00:00:00)
45 2五桂(37) ( 0:00/00:00:00)
46 5五金(44) ( 0:00/00:00:00)
47 3四角(56) ( 0:00/00:00:00)
*余裕の逃げに見えたがここで1三桂不成の鬼手があった
*以下、同香、2二歩成、5六金、同歩...先手の駒損だがと金の存在がそれを補って余りある
*この順があるなら44手目2一飛では3二飛だったかとの感想あり
48 2五桂(33) ( 0:00/00:00:00)
49 同 飛(28) ( 0:00/00:00:00)
50 3一飛(21) ( 0:00/00:00:00)
51 2四飛(25) ( 0:00/00:00:00)
52 6五桂打 ( 0:00/00:00:00)
53 6八銀(77) ( 0:00/00:00:00)
*2二歩成なら3四飛、同飛、5七桂成(次に2五角)の好手がある。ゆえにこの辛抱
54 3三角打 ( 0:00/00:00:00)
*3四角を質駒に残す4四角も有力だった
*以下、2二歩成、4六金、3一と、4七金、同金、9九角成、7九金、3三銀、4三角成、2四銀、
*3二飛、4九飛、6五馬...にて難解
55 2二歩成(23) ( 0:00/00:00:00)
56 2四角(33) ( 0:00/00:00:00)
*取り合った瞬間に、2四角が一瞬ぼやけているので、少し悪いと思っていたと高の弁
57 3一と(22) ( 0:00/00:00:00)
58 3六歩(35) ( 0:00/00:00:00)
59 4一と(31) ( 0:00/00:00:00)
60 3七歩成(36) ( 0:00/00:00:00)
61 同 金(38) ( 0:00/00:00:00)
62 3九飛打 ( 0:00/00:00:00)
63 4二と(41) ( 0:00/00:00:00)
*3八金は1九飛成、4二と、8八香で結構うるさい
64 3七飛成(39) ( 0:00/00:00:00)
65 4三角成(34) ( 0:00/00:00:00)
66 4二角(24) ( 0:00/00:00:00)
*4七竜は、5二と、同金、同馬ではっきり先手の勝ち。終盤で一手を稼ぐ角捨て
67 同 馬(43) ( 0:00/00:00:00)
68 4七龍(37) ( 0:00/00:00:00)
69 4一飛打 ( 0:00/00:00:00)
70 5八銀打 ( 0:00/00:00:00)
71 同 金(69) ( 0:00/00:00:00)
72 同 龍(47) ( 0:00/00:00:00)
73 5九銀打 ( 0:00/00:00:00)
74 2八龍(58) ( 0:00/00:00:00)
*7七金!の鬼手は同桂、同桂成、同玉、8五桂、8六玉に5九竜が詰めろにならず、
*金を持った先手の6二銀が詰めろで後手が足りない
75 2九歩打 ( 0:00/00:00:00)
*辛い一手
76 同 龍(28) ( 0:00/00:00:00)
77 6二銀打 ( 0:00/00:00:00)
78 同 金(61) ( 0:00/00:00:00)
79 7一角打 ( 0:00/00:00:00)
80 9二玉(82) ( 0:00/00:00:00)
81 6二角成(71) ( 0:00/00:00:00)
82 8二金打 ( 0:00/00:00:00)
83 7一金打 ( 0:00/00:00:00)
84 7七銀打 ( 0:00/00:00:00)
85 同 桂(89) ( 0:00/00:00:00)
86 同 桂成(65) ( 0:00/00:00:00)
87 同 玉(78) ( 0:00/00:00:00)
88 8五桂打 ( 0:00/00:00:00)
89 8六玉(77) ( 0:00/00:00:00)
90 6五金(55) ( 0:00/00:00:00)
91 7二金(71) ( 0:00/00:00:00)
*以下は7二同金とするしかないが8四桂、同歩、8三銀以下詰み
92 投了 ( 0:00/00:00:00)
まで91手で先手の勝ち

倶楽部24名人戦振り返り2

2010-04-17 23:53:39 | 日記
今度は13局目、対振り飛車穴熊との一戦。
ちなみにこのリーグ、広瀬新人王のような純然たるノーマル
振り穴党はこの相手だけでしたね。今は全体的に角交換
振り飛車に流れている感じで...
プロの流行はそのままアマにも波及するようです。



第1図は定跡そのままの図。この局面になること自体が相当珍しく
対四間だと△3二銀型で待機するのが有力なのでこの局面にはならない。

ここから▲3四歩△同銀▲4五歩△同銀以下、飛車交換の順に。
これも昔からよく指される順だが所司本だと▲2四歩△同歩▲1五歩が
本筋とある。こちらのほうがよかったかな~



 こちらが▲2四歩△同歩▲3五銀と出た手に対してじっと△7一金と
締まったところ。これが実践的な好手かも?で定跡では△3九飛だが、
あと一手こちらから攻撃してから飛車を使って受けに回る手を見ている。



第2図より▲2三歩以下手順を尽くして攻めるが途中千日手含みで
粘られそれは嫌だと▲2四銀に△2八飛とされた。完全に混戦にな
りこうなると穴熊ペース。以下、長手順をいとわぬしっかりとした
指し回しで最後は完敗だった。

昔、小池重明がこの棒銀の攻めに対して自陣飛車を打ったりして勝つ
棋譜を見たことがあるがどうもこの将棋は後手にとって飛車打ちで
受けに回るのがキーのようだ。どうも単なる飛車交換では攻めにく
そう。端棒銀の順を所司本で勉強してみます。

将棋アプリ将皇 詰将棋から

2010-04-16 11:45:40 | 日記
今朝、うーんとうなってしまった詰将棋(詰む将棋ですが)を紹介します。
例によってmixiの将棋アプリ将皇、上級問題です。



詰将棋慣れしている人は8三の竜が動かせないのでその利きを保ったまま
組み立てるのですが...

答えはコメントに書いておきます。

この詰将棋のコーナー、恐らく実戦で発生した局面をそのまま再現しているだけと
思いますが正規の詰将棋と違い、いろんな筋を読むので微妙に実戦に役立っています。
mixiをやっている将棋好きの方はぜひおすすめです。