「最悪なら東日本つぶれる」=専門家自任、笹森氏に明かす―菅首相
時事通信 3月16日(水)22時11分配信
笹森氏によると、首相は「僕はものすごく原子力に詳しいんだ」と専門家を自任。東電の対応について「そういうこと(最悪の事態)に対する危機感が非常に薄い」と批判し、「この問題に詳しいので、余計に危機感を持って対応してほしいということで(15日早朝に)東電に乗り込んだ」と続けた。
出典●http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110316-00000211-jij-pol
菅首相のこんな言葉が伝えられた。福島第一原子力発電所で起こっている事態はたぶんこういうことだと原子力事情に通じていない僕も思う。外国の政府が自国の大使館機能を関西に移したり、在日する自国民に帰国や避難を勧告したりしているのは理のあることだろう。
65年前に「広島」「長崎」を体験した日本人は、今度は自分たち自身の不始末の結果、途方もない災厄(さいやく)のただ中にぶち込まれようとしているのだ。
なんとしても破局を食い止めなければならない! 首相の責任感から出た言葉だと信じたい。
しかし、TVに映し出される情報を見る限り、そのような危機感に基づく的確な行動が行われているようには見えない。 東電、政府、原子力保安院、学者…。
菅首相を最高責任者として責任ある体制を構築して「最悪の事態」をなんとしても食い止めて欲しい。世界中の知恵と技術と能力を借りることに遠慮してはならない。
私たちただの市民は原発事故そのものをどうすることも出来ないが、この危機の中でこそ考えなければならない。
この数十年にわたる「原発との共生」を前提とする国造り、町造りをこれからも是認するのか…?
僕は1999年に初めて福島第一原子力発電所が立地する福島県大熊町や双葉町を訪ねた。その時、双葉町役場の入り口近くだったか、「原発と共生する町」(正確な記憶ではありません)というキャッチフレーズが大書されているのにびっくりしたものだ。
今、双葉町の要覧を見るとこうある。
今後の主要課題 |
○原子力発電所との共生の地域づくり ○財政健全化 ○行財政改革の推進 ○災害に強い学校教育施設の整備促進 ○少子高齢化に対応した子育て支援策の充実 ○高速交通化に対応した町内交通網の整備 ○産業の振興と商業、農業の基盤の強化 ○医療環境の充実強化 |
(特色ある施策) エネルギーの安定供給に貢献するため、原子力発電所増設によるプラスの波及効果を町の活性化に生かして、地域と発電所の共生型によるまちづくりを推進している。 |
●双葉町http://www.fksm.jp/youran/075469.html
この町のリーダーたちは日本国の原発推進政策に協力して地域振興を図ってきたのだろう。二つの町にまたがって6基もの原発が立地しているという。こんな所がほかにあるのだろうか。
国の交付税なども受けて、さまざまな箱物も出来た。他の町の人にうらやましがられて来たのかもしれない。
しかし、40年余の後に起きていることは「共生」どころの話ではない。
割に合わないのは南相馬市など周辺の自治体の人かもしれない。原発事故の尻ぬぐいだけを強要されているのである。
僕はこの町を訪ねた時、原発を売り物にする町長たちの姿勢に驚いた。こんなことが許されるのかとも思った。
しかし、これが日本国の方針なのだ。「原発と共生する国造り」。
菅首相は「専門家」としてどうするつもりだろうか。これからも変わることなくこの方針を貫くつもりだろうか。
高知県東洋町ははっきりとこの方針に反対し、原発ゴミの最終処分場の建設を阻止した。あれから4年、沢山町長のリーダーシップの是非を問う町長選挙が近づいている。
●「原子力産業への弔鐘」http://sawayama.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-ba43.html
私たち一人一人も自分自身の知恵を総動員して考え、行動しなければならない。「原発と共生する国造り」。YES or NOW。
また住宅の多くは原子力発電の余剰電力を消費するオール電化住宅だったんではないでしょうか。
想定外の地震と大津波は物凄いものでした。しかも原発の災害が追い討ちをかけました。
なんとも痛ましいものです。東洋町も沢山町長の2期目です。ぜひ再選していただきたい。