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◆→第2回総会報告へ
<信濃毎日新聞 朝刊 掲載記事より引用>
お産・医療 母が考える
お産で大切なことはなにか、そのために医療に何かを望むかー。県内でお産のあり方を考える動きが広がっている。産婦人科医の不足などから産科休止が相次ぐ中、医師の確保だけを求めるだけでは問題解決にならないーと、女性たちが中心となって始めた取り組みだ。
2月9日、安曇野市堀金公民館で開いた「豊科日赤婦人科存続についての懇談会」。7月から常勤産婦人科医がいなくなり産科部門を休止する予定の豊科赤十字病院(安曇野市)の荻原廸彦院長が、これまでの経過と、医師不足から必要な人材確保が難しいと状況を説明した。
参加者の一人、高嶋真由美さん(32)=同市=は「もし産科の医師が見つかっても、負担が大きくて辞めたくなるようでは困る。助産師のかかわりを増やして、女性自身がお産にリスクがあることや、自分の体の状態をしるような勉強が必要。そうすれば医師の負担も減らせるのではないでしょうか」と発言した。高嶋さんは一年ほど前から母親グループ「あづみのうぶごえネットワーク」をつくり、お産について話し合ってきた。「地域の選択肢が減ることに不安がある」と懇談会に参加。地域の助産師との連携などを訴えた。
懇談会を呼びかけたのは亀井智泉さん(39)=同市=地域のお産の環境を知り、医師の負担を軽減しながら医療サービスをうける仕組みを考えたい、と子育ての仲間らに声をかけた。この日の説明を聞いて「医師が足りない以上、地域の病院の連携や助産師の活用などを含め、地域でできること、産む側でできること考えたい」と話す。
医師不足は、新しい医師の研修制度や過酷な労働環境により産科を目指す医師が減っていることなどが背景にある。相次ぐ産科休止に対し、お産を考える会が広がっているのは、育児の出発点であるお産の場を大切にしたいという思いがあるからだ。
4月以降休止する方針の下伊那赤十字病院(下伊那郡松川町)の産科存続を求める母親たちは5日、「心あるお産をも求める会」を発足させた。会長の村松道子さん(34)=上伊那郡中川村―は「医師の確保には賢や国の対応を求める必要がある」と訴えつつも。「自分の体の状態を知り、いいお産ができるような体調管理するなど、母親ができることを考えたい。その経験がもう一人産みたいという気持ちにつながるはず」とする。
存続を求める運動が全国的な広がりを見せた上田市産院は、母親達の熱心な訴えで存続が決まった。決定を喜ぶ一方で母親たちの中には「ここだけが残ってよかったという問題ではない」という思いも芽生えた。今後は「いいお産を求める母の会」として、産院のスタッフとともに勉強会を開く予定だ。
豊科赤十字病院の問題では、亀井さんらが「安曇野でいいお産をつくる母の会」をつくり、近くの女性たちが何を望んでいるかを把握するアンケート調査を始める。「産科医療に対して住民が何を求めているかを具体的に示し、行政や医療側に伝えたい。そんな動きを全県に広げていければ」と亀井さんは期待している。
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<信濃毎日新聞 朝刊 掲載記事より引用>
お産・医療 母が考える
お産で大切なことはなにか、そのために医療に何かを望むかー。県内でお産のあり方を考える動きが広がっている。産婦人科医の不足などから産科休止が相次ぐ中、医師の確保だけを求めるだけでは問題解決にならないーと、女性たちが中心となって始めた取り組みだ。
2月9日、安曇野市堀金公民館で開いた「豊科日赤婦人科存続についての懇談会」。7月から常勤産婦人科医がいなくなり産科部門を休止する予定の豊科赤十字病院(安曇野市)の荻原廸彦院長が、これまでの経過と、医師不足から必要な人材確保が難しいと状況を説明した。
参加者の一人、高嶋真由美さん(32)=同市=は「もし産科の医師が見つかっても、負担が大きくて辞めたくなるようでは困る。助産師のかかわりを増やして、女性自身がお産にリスクがあることや、自分の体の状態をしるような勉強が必要。そうすれば医師の負担も減らせるのではないでしょうか」と発言した。高嶋さんは一年ほど前から母親グループ「あづみのうぶごえネットワーク」をつくり、お産について話し合ってきた。「地域の選択肢が減ることに不安がある」と懇談会に参加。地域の助産師との連携などを訴えた。
懇談会を呼びかけたのは亀井智泉さん(39)=同市=地域のお産の環境を知り、医師の負担を軽減しながら医療サービスをうける仕組みを考えたい、と子育ての仲間らに声をかけた。この日の説明を聞いて「医師が足りない以上、地域の病院の連携や助産師の活用などを含め、地域でできること、産む側でできること考えたい」と話す。
医師不足は、新しい医師の研修制度や過酷な労働環境により産科を目指す医師が減っていることなどが背景にある。相次ぐ産科休止に対し、お産を考える会が広がっているのは、育児の出発点であるお産の場を大切にしたいという思いがあるからだ。
4月以降休止する方針の下伊那赤十字病院(下伊那郡松川町)の産科存続を求める母親たちは5日、「心あるお産をも求める会」を発足させた。会長の村松道子さん(34)=上伊那郡中川村―は「医師の確保には賢や国の対応を求める必要がある」と訴えつつも。「自分の体の状態を知り、いいお産ができるような体調管理するなど、母親ができることを考えたい。その経験がもう一人産みたいという気持ちにつながるはず」とする。
存続を求める運動が全国的な広がりを見せた上田市産院は、母親達の熱心な訴えで存続が決まった。決定を喜ぶ一方で母親たちの中には「ここだけが残ってよかったという問題ではない」という思いも芽生えた。今後は「いいお産を求める母の会」として、産院のスタッフとともに勉強会を開く予定だ。
豊科赤十字病院の問題では、亀井さんらが「安曇野でいいお産をつくる母の会」をつくり、近くの女性たちが何を望んでいるかを把握するアンケート調査を始める。「産科医療に対して住民が何を求めているかを具体的に示し、行政や医療側に伝えたい。そんな動きを全県に広げていければ」と亀井さんは期待している。