屋上果樹園ブログ

家庭の屋上で多種類の果樹を栽培しています
鉢植すれば、果樹栽培を身近に楽しめます
樹上で完熟した果実の味は格別です

鉢栽培のコツ

2014-11-20 09:49:35 | 鉢栽培のコツ
果樹の鉢栽培でのコツ、ヒント
果樹は鉢植えにして雨に当てないと病気の発生が少なくなります。

果樹の鉢栽培は地植えとは異なる点がいくつかあります。
用土、水やりと施肥が鉢栽培にとって重要なポイントです。
病害虫の対策、剪定の仕方は地植えと基本的に同じです。

水遣り
地植えでは水遣りには余り気を使う事はありません。
自然に任せても大きな失敗は起こりません。
鉢栽培で木を枯らすのは水のやり過ぎか水不足かです。

鉢栽培での水遣りの基本
単に水分を補給するだけではなく酸素供給と有害物質の排除の目的があります。
1.土が乾いたら鉢の底から流れるまで充分に水をやる事です。
頻回に水やりするとかえって乾燥に弱くなってしまいます。
2.鉢毎に土の乾き具合を確認して水やりをする。
表面が乾いていても中が湿っぽい場合もあり注意が必要です。
土の湿度計が売っていますから使ってみると参考になります。
乾燥気味にした方が良いものと湿っぽくした方が良いものとがあります。
3.水やりは早朝に行う。
夏の日中は根や葉が痛みやすく、夜は徒長させることになります。
4.開花中の葉・花へは水をかけない。
5.水道水から直ではなく汲み置きの水を与える。
6.花芽ができる7~8月は水を控える。但し水切れにも注意。
7.果実の成熟期には水を控えた方が甘さが増す。
8.冬の間は果樹が休眠中なので乾燥気味に。
  湿っぽいと寒冷地では凍結して根が傷む恐れがあります。

参考
耐湿性の強い果樹(湿気に強い):ブルーベリー、ナシ、ブドウ
      弱い果樹(湿気に弱い):モモ、スモモ、アンズ、サクランボ、ウメ、ビワ
耐乾性の強い果樹(乾燥に強い):モモ、スモモ、アンズ
      弱い果樹(夏の乾燥に弱い):リンゴ、ナシ、ブルーベリー、キイチゴ

施肥について

鉢栽培の肥料は緩効性の肥料を少量づつ与えるのが基本です。
例えば地植えで使う鶏糞は鉢植には強すぎて使えません。
速効性の肥料を一度に大量に与えると根が弱り枯れる原因になります。
開花の早い梅には2月初旬に玉肥(油粕と骨粉)を鉢の表面に置きます。
次に開花の早い暖地桜桃、スモモにはには2月中旬に玉肥を与えます。
他のサクランボ、ブルーベリー、リンゴ等の大部分の果樹には3月初旬に与えます。
目安として鉢の号数割る2です。8号鉢なら4個です。
つる性のブドウには5月に即効性の化成肥料を追加します。
果樹は元気になりすぎると子孫を残そうとしなくなるようです。
果樹は結実初期の間は葉面散布や即効性の肥料は与えないで下さい。
収穫後直ぐに即効性の化成肥料や液肥を葉面散布するのが効果的です。
来年の花芽ができる7~8月は肥料は控えます。
9~10月に来年の養分を蓄積するための秋肥を与えます。
鉢植えの落葉果樹は冬には肥料を控えてください。

農薬散布について
農薬を極力使用しない方法は袋をかけることと雨に当てないことです。
ブルーベリー以外の果樹は全く農薬を使用しないと収穫は困難ですが、
プロではないので少々の虫食いは良しとして最小限の使用に留めます。。
発芽前の石灰硫黄合剤は果樹栽培の基本ですが、金属を腐食させるので使用できない
状況があります。
果実が大きくなりだしたら袋かけをすることで農薬使用を減らすことができます。
雨に当てないようにすると病気の発生が少なくなります。
最近透明で通気性のある袋が開発されています。今後はこれを積極的に使う予定です。

植え替えについて
根づまりを起こす前に植え替えが必要です。
鉢植えの果樹は小鉢は毎年、大鉢は2~3年毎に植え替えをする必要があります。
そのままにしておくと根づまりを起こして水はけが悪くなって枯れてしまうことがあります。
植え替えには2通りあります。
植え替え: 同じ鉢に植える。木を大きくしたくない場合。
  新しい土に根を整理して植え替えるので、植え替えた年は実が着きにくいです。
鉢替え : 一回り大きい鉢に植え替える。実付きを良くしながら大きく育てたい場合。
  根を余り整理しないで植え替えるのでいわゆる「成りグセ」がついて
毎年実を着けるようになります。

根を食害する幼虫がいるので、樹が元気がない時は植え替えしながら根を調べます。

植え替えの時期
春に早く花が咲く種類は年内の落葉した時期に植え替えます。
ウメ、アンズ、モモ、ネクタリン、スモモ等とサクランボ、リンゴ、ナシ、ブドウ等は
 3月初めに植え替えます。

鉢栽培の植え付け時のポイント
1.落葉期にホームセンターや信頼できる通販を利用して苗木を購入する。
お奨めの通販はそれぞれの果樹の頁で紹介しています。
2.開花が早いウメ、暖地桜桃、プラム、サクランボは年内に植えつける。
リンゴ、ナシ、ブドウ、ブルーベリー等は3月までは可。
3.苗木を凡そ鉢の高さで切る。幼木の時に思い切って短く切り詰めた方が将来の
樹形も良くなります。
特にサクランボは成長してからでは主幹を切り戻せません。
4.植え付け後にメネデール液を与え、ウッドチップ等でマルチングします。
1~2週間は日影に置きます。
5.植え付け後1ヶ月したら鉢の上に玉肥を置きます。
必要量は玉肥の袋に書いてあります。
6.ブドウは5月に即効性の化成肥料を少し与えます。
他の果樹は植えつけた年は3月の置き肥だけ。

土について 「鉢栽培では最も大切なポイントです」
 水はけのよい用土を使った方が管理しやすく、結果もいいようです。

水やりをして鉢の表面から水が直ぐにしみ込むことが大切です。
水がしばらく表面にたまってしまうようでは水はけの悪い土と言えます。
参考書にはブルーベリー以外の鉢植の果樹栽培の土は赤玉土、腐葉土、砂を 6:3:1の割合で
 混ぜて使うように書いてあるものが多いです。
赤玉土は時間が経つと崩れて用土が固まってしまい、排水が悪くなり根詰まりの原因になるので、
私は使いません。
果樹の鉢植えは、土の性質により結果が決まると言っても過言ではありません。
果樹栽培にとって保水性・排水性・保肥性・通気性が良い、一見相反する要素を
兼ね備えた土が要求されます。
私は殆どの果樹には市販の軽量培養土、腐葉土、くん炭、バーミキュライト、苦土石灰を混ぜて
使用しています。元肥として乾燥牛糞を混ぜます。
果樹用培養土というのも販売されています。
果樹により土の酸度(pH)の調整も必要です。pHメーターで測定して見て下さい。
ブルーベリーは酸性の強い環境を好むのでピートモスを主体にした専用の用土になります。

剪定について : 果樹栽培では誘引と共に大切な作業です。

果樹は翌年に結実させるために剪定が必要です。
剪定には切り返し剪定と間引き剪定があります。
注意することは強く切り返すと新梢の伸びが強くなり花芽が着きにくくなることです。
特に若木の間は間引き剪定を主にします。
落葉果樹は落葉した時から発芽前に行います。
常緑果樹は春先に行います。
基本はありますが果樹の種類により少々剪定の仕方に特徴、コツがあります。
5月から6月の新梢の伸びる時期に摘芯を行って樹勢を抑えると花芽が着きやすくなります。
ただし夏は同化力を低下させて根を弱らせ、樹勢を落とすので強い剪定はしません。

枝の誘引について
直立する新梢は花芽ができにくいのです。
幼木のうちに枝を水平に誘引することで植物ホルモンを抑えることで花芽ができやすくなります。

プラムの幼木の誘引 : 降雪後は分かりやすい 私の枝の誘引の仕方

果樹栽培に役立つ基礎知識
  
Ⅰ. 結果習性
Ⅱ. 授粉の必要性
Ⅲ. マルチング、根域制限
Ⅳ. 用土
Ⅴ. 鉢、鉢底、防寒対策
Ⅵ. 早く実を生らせるには
Ⅶ. 苗木の植え付け
Ⅷ. 農薬使用について
Ⅸ. 生理障害

作業に便利な小道具
鉢栽培をする上であると便利な小道具が沢山あります。
鉢栽培ゆえに必要な物もあります。時に強風の吹く屋上ゆえに必要な物もあります。
自分の工夫で解決するのも楽しいものです。

専門家に相談する
私は参考書で調べても判らない時はサクランボに関しては東根市の大田さんに
質問しています。
その他の果樹の病害虫に関する質問は以下の施設を利用したことがあります。

高知県農林水産部農業技術課営農支援室
西本年伸(果樹専門技術員) 様
〒783-0023 南国市廿枝1100農業技術センター内
TEL:088-863-1028
Fax:088-863-1576
E-メール:toshinobu_nishimoto@ken3.pref.kochi.jp
こうち農業ネット:http://www.nogyo.tosa.net-kochi.gr.jp/saibai/kaju/


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