いやーちょっとまた無駄遣いをしまして…
Canon EOS 20D + Canon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACRO
1/2s, f/5.6, ISO400
今度買ったのは
SIGMA AF 500mm F7.2 APO
です。
特徴はEOSデジタル非対応ながらも、500mmの単焦点で激安の価格と言うことです。あと最小F値7.2という暗さw
しかし、この暗さがもたらしたのは悪いところだけではなく、500mmの単焦点でありながら1kgという軽さと、フィルター径72mmという小型化を可能にしました。
これまたすごく古いレンズなんですが、フィルム時代もあまり人気無かったようで…と言うのが、この暗さだとフィルムを選んでしまう。ISO-1600とかのフィルムを必要とするとかで、まあ…敬遠されますわな。
で、デジタル時代。ISO-1600なんか当たり前、その上もあるよ!の時代が来たんですが、まさかのデジタル非対応。絞り開放でしか撮影出来ないという制限付きで、まあ、その…人気はないとw
しかし、出品者の「このクラスの超望遠レンズでは絞って使うなどあり得ないので、絞り開放が使えれば、十分用は足します。」と言う言葉にまんまと騙されて購入しちゃった訳です。
ちょっと考えれば「絞り開放で使い物になる500mmの単焦点が市場で安価に出回る」なんてことあり得ませんからねw
さて、このレンズの実力見てみましょうか?曇天ですいません。
Canon EOS 20D + SIGMA AF 500mm F7.2 APO
1/800s, f/5.6, ISO800
(等倍トリミング)
ははは、笑いが止まらない甘さです。
三脚に固定して撮影した訳ではないですが、窓枠に両肘をついて、なおかつこのシャッタースピードですから、もう少しシャープに写せても…という感じです。
でも絞れないんですよね、これ以上何をしろと…早速ドナドナ?
でもそれじゃ、ちょっともったいないし、何より程度が良い(このレンズでコーティングはがれ無しのべたつきゼロというのはレアなんです。)からと、相場より高く買っちゃたので、処分した時点で負け犬。
何とか絞って撮影してみたい。
でも絞ると…
Canon EOS 5D + Canon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACRO
1/13s, f/2.5, ISO400
EOS 20Dではエラー99(正体不明の障害)が…
Canon EOS 20D + Canon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACRO
1/13s, f/2.5, ISO400
EOS 5Dではエラー01(接点の接続不良)のエラーが出てシャッターが切れません。
色々考えました。
分解して、絞り羽根を固定してやろうかとか…。絞り羽根の形をした紙をどこかに埋め込めば良いんじゃないかとか。でもそんな事したレンズってカメラが受け付けてくれるの?それこそ一銭の価値もなくなるんじゃない?
うーん、どうにかして絞りたい。
くそ!そもそもデジタル非対応って何だよ?やる気があるのかシグマぁ!
あれ?こんな事前も考えなかったっけ?
デジタルには非対応…アナログには対応。
またEOS55の出番がやってまいりましたw
ただ、今度はフィルムは使いません。何をするか。イチかバチか試したい事があったのです。
EFマウントのレンズは絞り羽根もモーターで制御しているはずです。…と言うことは、絞るときはモーターを回し、開放するときはその逆にモーターを回すはず。昔のレンズのように機械式で爪を引っかけて絞り、開放はバネの力で戻るというのではない。と言うことは、絞った状態で、レンズを外せば、絞り羽根を固定できるのではないか…?
(ここでオールドレンズで遊んでいた時の知識が活きてこようとはw)
では早速…
Canon EOS 20D + Canon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACRO
1/25s, f/2.5, ISO400
EOS55にSIGMA AF 500mm F7.2 APOを取り付け、絞り優先モードにして、今回は絞り値11にセット。その状態で、親指の所の「*」ボタンを押します。(あらかじめ、カスタムファンクションで、そのボタンに被写界深度確認を割り当てています。)
カシッカシッと絞り羽根が動作する音が聞こえます。そこでおもむろに…
Canon EOS 20D + Canon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACRO
1/8s, f/2.5, ISO400
カメラ本体をレンズから外すと~?
Canon EOS 20D + Canon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACRO
1/15s, f/2.5, ISO400
なんということでしょう!
絞り羽根は、想定通り、絞ったまま外れてくれました。うふふ、狙い通り事が進むとこんなに嬉しいことはない…。
で、早速、この状態のレンズをデジカメに装着するのですが、まずは壊れたとしてもダメージが少ないEOS 20Dに装着。
…しかし、装着して電源を入れたらエラー99の表示が。モードを変えて、電源を入れ直す。電源入った状態で、レンズを装着する(←危険だってw)など色々試すもアウト!20Dではこのレンズは無理です。
…次なるは…EOS 5D。下手すりゃレンズも5Dも壊れる。壊れたらどうしよう?ミラーレス一眼に乗り換えるのがナウいかな?とか考えながら装着。すると!
Canon EOS 20D + Canon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACRO
1/20s, f/2.5, ISO400
5Dではすんなり認識されましたw(なぜか、EOSデジタルでは、最小F値7.2のはずのこのレンズがF値5.6で認識されるんです。)
この状態で、シャッターも切れました。いやっほう!!
うわ、この裏技、ファミ通に送って良い?ってレベルw
でも、絞って綺麗に写らないと意味がないので撮影してみます。今回は約7m離れた時計を三脚に固定、リモートコードでシャッターを切りました。ミラーアップ撮影まではしません。ずぼらですからw
まずは絞り開放の写真(普通に絞り羽根全開で取った写真)
Canon EOS 5D + SIGMA AF 500mm F7.2 APO
0.8s, f/5.6, ISO100
うん、三脚で防振対策をすれば、まずまずの画にはなりますね。ブログにアップするとかなら十分なレベルなんですよね。
(等倍トリミング)
でも等倍にしてみると…。普段Canon EF 300mm 1:4 L IS USMなんかの画像に見慣れているので、甘くて眠くて…です。
Canon EOS 5D + SIGMA AF 500mm F7.2 APO
4s, f/5.6(実質f/11), ISO100
さて、絞ると。
うーん、すでにトリミング無しでもそのシャープさの違いは分かりますね。
(等倍トリミング)
こうなると、その差は歴然です。
うは、これって革命じゃない?これが原因でSIGMA AF 500mm F7.2 APOの中古相場が跳ね上がったらどうしようw
(いっしょにEOS55の相場も上がったりしてw)
ただ、不安な要素もあるんです。
ある程度のシャッター速度になるようにした場合(明るい被写体、例えば蛍光灯など)を撮影しようとしたら、エラーが出ます。これがどの程度のシャッター速度で出るのかは、これからテストをしていかないと分かりません。
天気の良い屋外でエラー連発とかなら、全然意味がないですから。
ちなみに、絞り羽根を固定したレンズは電源オフの状態のEOS55に装着し、電源を入れると、リセットされます。
さて、最後にお約束ですが、この実験はたまたまうちのEOS 5DとSIGMA AF 500mm F7.2 APOの相性が良かったから出た結果かも知れません。俺も現に20Dでは撮影出来ませんでした。
ですので、この実験が「あなたのEOSデジタルでもSIGMA AF 500mm F7.2 APOが使えますよ」と言っている訳ではありませんので、レンズの購入は自己責任でお願いいたします。
また、この実験を真似た行為で、いかなる損害が出ようとも、俺は一切関与しませんのであしからず。うまくいかないんだけど、サポートしてくださいと言う要望にも応じません。(そこまでのスキルはありません。今回も単なる思いつきですからw)
突き放すようで申し訳ないですが、転んだら自分で起きましょう。
【H23.11.8追記】
さて、気になるエラー01は、どのシャッター速度で発生するか…ですが、絞り羽根の開き方によって多少ばらつきがありますが…ざっくり言って
1/8秒より速いシャッタースピードではエラーが出る。
と言うことが判明しました。
正確に言うと、1段絞るだけの場合(EOS55上ではf/6.3)は1/8秒より速いシャッタースピードの時。f/8の場合は1/6秒より速いシャッタースピードの時。f/11の場合は1/5秒より速いシャッタースピードの場合。(中略)f/22(最大絞り)の場合は、0.3秒より速いシャッタースピードの場合エラーが出ます。ただ、たまにエラーが回避され、撮影出来ることがあります。よく分からないんですが…
はっきり言って、昼間なら室内の明るさでもエラーが出ると言うことです。暗い物をじっくり撮ると言うことしかできない訳です。
これで、このレンズを少し絞って、500mmの単焦点のシャープな野鳥写真というのは、絶望…って事になってしまいました。残念。切腹っ!
いやいやそんな事で諦める訳にはいかない。何か方法があるはずだ!
今日のテストで、絞り値によってシャッタースピードが制限される(?)と言う現象が発生した。と言うことは、その絞り値をカメラボディに伝えなくしたらどうよ?シャッタースピードはどうなるのよ?
Canon EOS 20D + Canon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACRO
1/30s, f/2.5, ISO400
必殺!マスキングテープの術!!
なんと原始的なw
しかしっ!これは起死回生の一撃っ!!
Canon EOS 20D + Canon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACRO
1/25s, f/2.5, ISO400
これは5Dのマニュアルモードのサブディスプレイ。絞り値が「00」となっている。そしてシャッター速度はいきなり限界に挑戦1/8000秒。シャッターを切る。何が出る?エラーか?
「busy」(書き込み中)
おお!撮影成功!一応様々なシャッタースピードでトライ。シャッタースピードの制限は無くなったようだ。こいつは使える。
そして恐る恐る絞り優先モードへ。今度はシャッタースピードは表示されず、「00」の絞り値のみが表示。
これで、シャッターボタンを半押しすれば自動露出が適正なシャッタースピードを計算するはず!
さあこい!で、出た!!ちゃんとシャッタースピードが表示され、そのまま撮影すると、若干暗めのような気がするけど、まずまずの撮影が出来てる。(その写真は手ぶれしまくっているのでお見せしませんw)
そんなナイスなEOS 5Dを20Dで撮影する俺。
ん?ひょっとして?
Canon EOS 5D + Canon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACRO
1/13s, f/2.5, ISO400
おお!20Dキターーーーーーーーーーーーーー!!
5D同様レンズを絞り値0で認識。すべてのシャッタースピードで撮影可能で、絞り優先モードでの自動露出も出来ている。
何より、APS-C機で超望遠レンズが認識できたのが嬉しい。500mm×1.6倍=800mm相当ですからw
これにKENKO C-AF1 1.5X TELEPLUS SHQかませば、1200mm相当。さらにKENKO C-AF1 2X TELEPLUS MC7をパータッチしたら2400mm相当w。
冗談はさておき、これで超安価に超望遠システムが手に入ったと言うことです。
うおおお、何か撮りに行きてぇ。多分野鳥なんかはマトモに何も写らないような気もするが(暗いだろうし、シャッタースピード稼げなさそうだし)楽しみは楽しみだ。
[To be continued]
※くどいようですが、この実験を真似るときは自己責任でお願いします。
細かいこと考えなければ(撮る時は逆に細かく考えなきゃいけないですけど)全然使えますよね
いやー、古い記事ですが、昔は無茶やってたなぁとw
Canon EF 300mm 1:4 L IS USMを買ってからというもの、すごく細かく撮れるので、適当に撮って、トリミングした方がいいやw と、望遠の方には興味が薄れてしまいました。
それでも、ワゴンセールなんかのレンズを駆使して、なんとか写真になったときの達成感って良いですよね~。
ただ、最近は古いレンズのワゴンセールも無くなったし、オークションではプレミア付いているような感じで手が出ないし。
俺は良い時期にオールドレンズ遊びを始めたなぁと思っています。