日本では배용준, 손예진の「四月の雪」が3日で33万人の観客を動員したらしいですが,韓国では大苦戦のようです。
외출
これが韓国でのこの映画のタイトルです。
日本語で「外出」という題名では,なんかヤボな感じですね。
英語のタイトルはApril Snowとなっていますから,「四月の雪」なんですね。
ぼくがソウルで入った映画館は何と観客が20数名。
おばさまでにぎわうどころか,普通の観客たちでした。
座席が決まっているミニシアターですけど,それでも客席数が200を超える劇場で,20数名というのはいかにも…ですね。
20名程度しかいないのなら,バラバラに座席を配置してもよさそうなものを,中に入ってみると中央にびっしりと固まっています。
観客が観覧人数を指定すると,コンピュータが2,3の座席配置を画面に表示して,客がその中から自分の好きな位置を決めるのですが,中央の一番画面が正面に見える席から,コンピュータが座席を売っていくために起こる現象です。
こんなに窮屈に座って観なくてもと思うのですが,韓国人の習性は不思議なもので,指定された座席にきちんと座るんですね(これは市外バスに乗って旅行するときにも感じることですが,ガラガラで横の席が空いているにもかかわらず,必ず指定された席に座ります)。
今回のドラマの舞台は江原道の三陟(삼척)。日本の黒部市(富山),赤平市(北海道),苅田町(福岡)と姉妹都市提携を結んでいます。
この「姉妹都市」という表現も,どちらが姉でどちらが妹だということで,日本では使う頻度の低くなった言葉ですね。では何というかというと「国際交流都市」だとか。
韓国語では자매결연도시〈姉妹結縁都市〉というんですが,発音を間違えると「姉妹結婚都市」になってしまいます。
삼척といえば관동팔경〈關東八景〉のひとつ죽서루〈竹西樓〉があります。관동팔경というのは日本三景のように,昔,風景の美しさで知られる東海岸地域の8か所をさしていった言葉です。
(1)간성〈杆城〉の 청간정〈澗亭〉
(2)강릉〈江陵〉の 경포대〈鏡浦臺〉
(3)고성〈高城〉の 삼일포〈三日浦〉
(4)삼척〈三陟〉の 죽서루〈竹西樓〉
(5)양양〈襄陽〉の 낙산사〈落山寺〉
(6)울진〈蔚珍〉の 망양정〈望洋亭〉
(7)통천〈通川〉の 총석정〈叢石亭〉
(8)평해〈平海〉の 월송정〈越松亭〉
죽서루は「国宝」に指定されていて,このヨン様の「四月の雪」でも,お互いに好意を持つようになった인수と소영が雪の舞う죽서루を訪れるシーンが出てきます。
昔の静かなたたずまいも,춘천の남이섬〈南怡-〉同様,これからは日本人のおばさん観光客にあらされてしまうんでしょうか(こんなことを言ってはいけないんでしょうけど,確かにこの映画は,江原道への日本人観光客の誘致のために作られたといっても過言ではないかもしれません)。
しかし韓国ではそれほどでなくても,日本での「ヨン様ブーム」で,韓国や韓国語に関心が高まったことは,ぼくが韓国語を勉強し始めた「暗黒の時代」から比べたら,確かにプラスだと思います。
さて,肝心の「四月の雪」ですが,中級以上の語学で十分に理解できる単純な映画でしたㅎㅎㅎㅎ。星二つ★★☆☆☆