風に誘われて

あの山から、あの海から、私を呼ぶ声が聞こえます。
風が「行こう!」と誘います。
風に誘われて、さあ立ち上がろう!!

増毛で頂いた親切 

2014-02-27 | 冬の北海道で過ごす(2014)
今回、増毛(ましけ)に来る楽しみの中に、新鮮な魚介類を買うことがあり、
その買い物は戻る直前がいいだろうと、午後に後回しにしたことが事の始まりだった。


見るだけで寒さが増すような増毛港の近くのお店を目指して行ったら、
冬時間の為に、なんと30分前に閉まっていた

ガッカリと海沿いの道を戻っていると「購買部」の看板が目に入ったので、
「もしかして何か買えるかも・・」と入ってみると、全く見当外れの商品ばかり。
またまたガッカリしていると、そこにいた若い男性が、他の鮮魚店の場所を教えてくれた。

列車の出発時間を気にしながら、そのお店を目指して歩いていると、スーッと車が横に止まり
「出発時間が気になるでしょうから乗っていきますか?」と、先ほどの若い男性だった。
雪道は滑るし、寒いし、時間もないしで、言うまでもなく喜んで「救いの神の車」に乗せて貰った。

しかし、その鮮魚店にも新鮮なものは残っていなく、
売っているのは佃煮などの加工品ばかりで、ここでもガッカリ。

その後、駅まで送っていただいて待合室で列車の来るのを待っていると、
なんと先ほどの男性が現れて「せっかく増毛まで来てくれたのに、何もないんじゃ申し訳ないから」と、
何やらビニール袋を提げて持ってきてくれた



家に帰って開けてみると、大皿からはみ出るほど大きい毛ガニ
身もミソもぎっしり詰まって、なんと美味しかったこと!

身も知らない相手なのに車で送ってくれて、
更にはまた取って返して自分の家にあるものを持ってきてくれたことに、驚きと感激で胸がいっぱいだった。
多分、ガッカリが重なって、くたびれ果てた老年夫婦の姿を見るに忍びなかったのだろうが、
一気に《増毛》と言う町が忘れられない大好きな場所になった。

本当にありがとう
今度また、必ず増毛に行きますね

増毛へ、日帰りの列車旅 

2014-02-25 | 冬の北海道で過ごす(2014)
「日本海まで、沿線の雪景色を見ながらの列車旅をしたい」と、夫が言い出した。
何もわざわざ目的もなく、この寒い中を行くこともないだろうに・・・と思うものの、
冬に来るのは、この先あるかどうか分からない。
ならば・・と腰を上げ、留萌(るもい)線に乗って終点の増毛(ましけ)駅までの日帰り旅に出掛けた。


  
留萌線を走る列車は一両編成。
吹きつける雪で、車両の前後とも真っ白。


 
「終着駅」という言葉は何かしら寂しい響きがあるが、言葉だけでなく
実際に線路が終わっている光景を見ると、この先がないという更なる寂しさを実感する。


 
《国稀(くにまれ)酒造》は日本最北の酒造であり、北海道最古の酒造でもある。
ちょうど今は仕込みの時期。
新酒のいい香りのする貯蔵室には、絞り終えたばかりの新酒タンクが並んでいた。



ちょうど歩いていた地元のかたに教えてもらった食堂で、海鮮丼の昼食。
ご飯の上にイカ刺し、更にその上に新鮮な魚介が。
日本海側の町で頂く美味に満足。

そして昼食後に、心に残る親切を頂く出会いがあったが、
その詳細は、次回に・・・

                                

マイナス26℃の朝、雪中貯蔵のキャベツを掘り出す

2014-02-23 | 冬の北海道で過ごす(2014)
雪中貯蔵されているキャベツを掘り出す日は、北海道に来て最低気温を記録。
迎えに来てくれた方が「今朝はマイナス26度でした」と、ちょっと申し訳なさそうな顔。
そして「とにかく暖かい格好をして下さい」とのこと。
タイツの上にズボン2本を重ね、厚手靴下2足、ヒートテックを4枚重ねた上にダウンコート。
更に帽子とマフラー、そしてマスクまで掛けて達磨のようになって出掛けた。


 
外気の冷たさがピリピリと肌を刺し、マスクを通す空気が冷たい。
広い畑の中を農家の方に案内されて歩くが、これか結構遠い場所。
「まだなの~?」と、つい弱音も・・



「ここかな?」
「いや、あっちの方かも」と、勘で掘り進めると・・・


やっと掘り当てて、キャベツが出てきた!


  
その後は、次から次にとキャベツが出てくる。
時には調子に乗り過ぎて、キャベツにスコップが刺さってしまうこともあり、
そのキャベツを「雪の中で糖度を増しているから甘いよ」と試食させてくれた。


が、後から食べようと残りを置いておくと、短時間なのに凍ってしまった
この朝の気温は、冷凍庫に入っているのと同じみたい。
それに「持って帰れるだけ持って行っていいよ」とは言ってくれたけれど、何しろ重い。
つい欲張って1個ずつ持って帰ったけれど、やっぱり重かったーー

木工体験所で、時計を制作

2014-02-21 | 冬の北海道で過ごす(2014)
音威子府(おといねっぷ)村には豊富な森林があり、
その森林素材を使って工芸に力を入れている。
美術や工芸の専門家を育てる美術工芸高校には全国から生徒が集まっているし、
誰でも木工作りが楽しめる作業所もある。


この木工所は、昨年夏に行って、是非にまた来たいと願っていた場所。
ここでは材料を買うだけで、どの工具や機械を使ってもOK。
それに、専任職員の方の指導もしていただけるという、木工作りの好きな者にとっては願ってもない場所だ。


 
今日は時間の制限があるので、キッドを使っての時計制作。
中でも一番大変な作業は文字盤を作ること。
 
 
自分でデザインを考えて、カーボン紙で板に書き写す。
 
 
これが一番難しい作業で、色の違う板を重ねてデザイン線に沿って電動糸ノコで切り取る。
電動の糸ノコを使うのは初めてのことで一体どうなる事かと心配だったが、
ミシンを使う要領で何とかクリア。
 
 
中心に穴をあけて、針を付けて、箱にセットしたら・・・出来上がり

指導の先生が「初めてで、こんなに上手に糸ノコを使える人はいないよ」と褒めてくれた
私も、こんな作業は大好きなので、
次はもっと大きな作品作りに挑戦したいと、また次の夢が広がってくる。
いつか、また来なくては

砂澤ビッキ終焉の村、音威子府へ

2014-02-19 | 冬の北海道で過ごす(2014)
昨年夏、旭川から北上した場所にある音威子府(おといねっぷ)という村に行った時、
この村で作品を作り続けた天才彫刻家の砂澤ビッキという人物の存在を知り、
その作品に感動し、
村の人たちが、如何にビッキの人物や作品を愛して誇りに思っているかを知った。

それ以来、この音威子府のことが何かしら気になっていたが、
今回は、その音威子府村に再訪する機会に恵まれた。



木工の村らしく、ホームには可愛らしい汽車のモニュメントが。
雪深い地でこの可愛い汽車を見ていると、
童話の世界に降り立ったような気もしてきて、ホッと温かさを感じる。



この地に来たからには、もう一度『砂澤ビッキ記念館・3モア』に行きたいと思ったのだが、
冬期は閉鎖しているとのこと。
残念がっていると、村役場にビッキの作品が残されていることを教えてくれた。
ビッキ自身が展示場所を決め、その場所に合わせて作品を作ったということだ。


 
2階への階段の踊り場に、蝶と魚の作品。
魚は鮭のようだ。



吹き抜けの窪みに掛けられた細長い作品と、1階ロビーにある大きな作品。

吹き抜けに掛けられた細長い作品は、
飾っている場所がうす暗く狭いので、場所としては「?」の印象だが、
ビッキが生前に決めた場所なのだから、これはこれでいいのだろう。
でも・・・出来ればもっと広い場所に移してあげたいような・・・

牛の頭部の剥製のような彫刻に関しては、
リアルではあるし、周りのデザインも素晴らしいとは思う。
が、私自身が動物の剥製は好きでないので、この作品に関してもあまり好みではない。
(動物の頭部の剥製は、ハンティング・トロフィーと言うそうな)

                          



山の中を走る列車の窓からは白い世界が広がり、次々移り変わる景色から目が離せない。
まるで映画の画面を見ているような景色を眺めながら食べるお弁当の味も最高
ウニ、カニ、帆立、イクラなどの北海道の海の幸が満載。(1000円)
《花も団子も》の北海道の旅を実感しながら・・・ごちそうさん

雪に包まれた北海道へ

2014-02-16 | 冬の北海道で過ごす(2014)

1月上旬、いよいよ冬の北海道へやって来た。
飛行機から眺める北の地は、どこも雪に覆われていて真っ白。
これから、どんな毎日が待っているのだろうかと、期待と不安が入り混じる。


                                   


 
最初に目に付いたのは、雪が積もってベルのような形をした赤い実。
白い帽子を被って、とても可愛い。
よーく見たら、ナナカマドの実だった。

今までは、ナナカマドは真っ赤に染まった秋以降は実を落とすものと思っていたが、
冬も実を残したままで、こうして雪の中で目を楽しませてくれることを初めて知った。



ここが、これから滞在する町。
この景色の中で1ヶ月の生活が始まる。

雪は、関東の雪と違ってサラサラ。
歩くとキュッキュッと、片栗粉を踏むような感触が新鮮。

北海道の人は雪が降っていても傘をさす人が少ない
最初は不思議に思っていたが、雪自体に水分が少ないし、気温が低いし、
服や髪に積もっても手で払うとサラサラと落ちてくれるので、傘の必要がないのだろう。

「歩く時は足元だけでなく、屋根から落ちてくる雪にも気を付けて
「ブラック・アイスバーンに気を付けて歩かないと
「家を長く留守にする時は、水道管の水抜きをしないと管が破裂して大変なことになる
など、今までの生活にはなかったアドバイスを受けて、
ちょっと緊張と共に、北海道の冬滞在が始まった。

雪の北海道から、雪の関東へ帰宅

2014-02-12 | 冬の北海道で過ごす(2014)

冬の北海道から1ヶ月ぶりに我が家へ戻ってきた。

北海道を離れる時は雪も見納めかと思っていたのに、
関東も37年ぶりの大雪で真っ白
それに交通網が混乱して大変な帰路となった。


                                 

北海道からの飛行機の出発予定時間は夕方6時半。
前日は殆どの便が欠航し、当日も欠航や延着が続いているという報を聞いて、
ちょっと不安を抱えながら女満別空港に着いた。

空港は、この小さめの空港にしては大変な混雑。
前日や当日の欠航便に乗る筈だった人達がキャンセル待ちをしていることと、
運航を始めたものの、飛行機便が大幅に遅れているためだ。

私達の乗る便は、
「まだ羽田を出ていません」を繰り返した後、
「羽田を出ましたが、こちらの天候悪化の為、また羽田に戻る可能性もあります」
などの放送があり、ますます不安を煽ってくる。

そんな中、地元の友人が空港まで来てくれて
「欠航になったら我が家に泊まっていいからね」と、遅い時間まで付きあってくれた。
本当に有難いことだ。

そして、定刻から遅れること4時間半後、夜11時に何とか出発。
羽田空港に着いたのは夜中の1時。
その時間では電車もないし、隣接するホテルも満室ということで、
始発電車が走るまで空港で過ごすことを覚悟。



待合室では、毛布の貸し出しや、暖かい牛丼弁当、クッキーや水などの配布があった。
さすが全日空

その後も、自宅方面へのリムジンバスが直前に運休したりのハプニングがあったが、
何とか無事に自宅に帰ってきた。

さて、これから少しずつ北海道の冬を思い出しながら、
ブログを更新していこうかと思っている。