風に誘われて

あの山から、あの海から、私を呼ぶ声が聞こえます。
風が「行こう!」と誘います。
風に誘われて、さあ立ち上がろう!!

ロットネスト島沖で、ホエールズ・ウォッチング

2009-12-29 | オーストラリア 春のパース (2010)

フリンジ・リリー

その名の通り、花びらの周りにヒラヒラと小さい縁取りがある。
小さいながらも可憐な形と覚えやすい名前で、すぐに私のお気に入りに。


                     


今日は《ホエールズ・ウォッチング》の船に乗るために、港町フリーマントルへ。

勿論パースからも船は出ているが、蛇行しているスワン河を通っているために時間がかかってしまう。
朝早いので出来るだけ遅く出発し、電車で先回りし、次の停泊地フリーマントルで乗り込もうという訳だ。


パースからフリーマントルまでは2ゾーンで所要時間は25分。
自動販売機で2ゾーン料金・3.6豪ドル(320円位)のチケット購入。

1~4ゾーン区間は2時間以内なら同じゾーンの電車・バス・フェリーの乗り降り自由というのだから、
なんともお得で便利なシステムだ。



エスカレーターで、フリーマントル線ホームに下りる。
始発だし通勤方向とは反対なので、電車の中はガラガラ。



フリーマントル駅に到着。



フリーマントル駅を外から見る。




パースから乗ってきた人たちと合流し、2時間の鯨ウォッチング・ツアーが始まる。
全部で30人位の観光客を乗せた船は、インド洋をロットネスト島沖を目指して走る。

英語の説明がわからないので、しばらくはマイクから聞こえる声を子守唄にウトウト・・・
と、解説するお姉さんの興奮した声!
そして、みんなの指差す方を見やると、鯨がいるいる!

現れるたびに「ウォー」という歓声と拍手が起こる。
ここは写真より記憶に・・と目を凝らして、わずかに見せてくれる姿を追う。

鯨のスピードは速い。
海面で汐を吹いたあとは、深く潜ったまま姿を消してしまう。

「いつ現れるか!」と船上の客は、シーンと固唾を飲んで、その瞬間を待つ。
この静寂は・・・そう、《白鯨》という映画のワンシーンを思い出した。
あのグレゴリーペック演じる老漁師が、白い巨大な鯨に挑むシーンを。

静寂と歓声を繰り返しながら船は進む。



最後には、2頭揃って現れてくれた。
親子だろうか。
2頭の仲の良い姿を見た船上の皆に、和やかな空気が流れる。
ありがとう楽しませてくれた鯨たち

私の好きな、スビアコの町

2009-12-24 | オーストラリア 春のパース (2010)

ヘアピン・バンクシア

バンクシアといえば大きな逞しい花を想像するけれど、これは小さな品種だ。
だた、どうしてヘアピンなのかは訊きそびれてしまった。
(花か葉がヘアピンのように曲がっているのだろうけど・・・多分)


                     


パースから電車で二つ目の駅、スビアコ。
ここは私が大好きな町。

こじんまりした町ながら、パースの市街地からは程よい距離にあり、
駅のそばにはスーパーマーケットや店舗が多く、日本食料品を扱うお店もある。
それに週末に開かれるウィークエンド・マーケットの野菜・フルーツが新鮮で安い!




駅からのゆるやかな坂道に沿って店舗が並んでいるので、
ウィンドウショッピングをしながら歩いていると、つい時間を忘れてしまう。

また、駅から少し歩けば緑に囲まれた閑静な住宅地が広がり、
その庭から眺められる家々を見ながら歩くのも、また楽しい。



私のお気に入りのウィークエンド・マーケット
駐車場が混むのが難点だけれど、
その品物の豊富さ・新鮮さ・安さは、これまた時間を忘れるほど。



このマーケット一番人気の八百屋さん。
いつも大勢の人がレジに並んでいる。

因みに、リンゴは1kgが1~3豪ドル。
胡瓜は長さ30cm程の太くて大きなもの1本が1.5豪ドル。



その美味しさと安さで毎日のように食べたマンゴ。

このお店では、左の小さめのものが3個で5豪ドル(450円)
右の中くらいの大きさで2個で5豪ドル。
大きなものは1個5豪ドルだったが、これは本当に食べ応えあり美味しさ十分だった。



野菜の種類も多く、日本料理で使う野菜はほとんど揃っている。
葉もの野菜も豊富で新鮮。



《はやと瓜》まで見つけて感激したが、
こちらではサラダに使うのかな?



花屋さんの店先で見かけた《紫陽花(あじさい)》
地元の派手な花の中にあって、それは地味ながら健気で愛しく感じる。

品種改良はしているのだろうが、
日差しが強くて乾燥気味のこの土地でも元気でしっかり根を張るんだよと、
異国で出合ったお馴染みの花にエール

ワイルドフラワーを求めて

2009-12-21 | オーストラリア 春のパース (2010)
早く行かなければ、花の時季が終わってしまう~と気になり、
「出来るだけ早く、出来れば明日にでもワイルドフラワーを見に行きたい」と
ツアー会社に駆け込んだ。

英語ではなく日本語での説明が聞きたいという要望をきいてくれて
日本の大学に通ったことのあるガイドさんが自ら車を運転して案内してくれるというツアーを紹介してくれた。

当日は9時30分出発。
参加者は私達二人だけの貸切ツアー。
1人140豪ドル(12,000円位)也。

ワイルドフラワーと言うのは品種名ではなく、野生の花を総称している。
パースのある西オーストラリアは、ワイルドフラワーステイトという別名があるほど
野生の花が多いことで有名。
まさにワイルドフラワーの宝庫というわけだ。




車はミッドランド・ハイウェイを通って、近郊の山を目指して走る。
道路の両側にも、色とりどりの珍しい花が続き、
花探しの旅の期待がますます膨らんでくる。




わーーーっと思わず歓声をあげる。
これ、これ!
私が探していたワイルドフラワーが、そこに広がっていた!


これは、エバーラスティングの花。


特に印象に残ったのが、異様な形をしたバンクシアという品種の数々。









                     

このほかの花は、いずれアップしていくとして、
この日のもう一つのハイライトはランチ。

ガイドさんの
「ここで花を眺めて、15分程したら戻ってきてください」の言葉通りに戻ってみると・・・
屋根つきの休憩所に、食事の用意が出来ていた。



クロスを敷いたテーブルの上には、農家で仕入れてきたと言う野菜、フルーツ、ゆで卵。
ジュース、ミルク、ハム、チーズ、ジャム、etc・・・
それに、パーク内の滝で汲んできた水で淹れたコーヒー。

パンに自分の好きな具材をのせてオープンサンドを作って食べるが、
広い空の下で自然に包まれての食事がこんなに美味しいものだとは!!

「これから、こうして屋外で食べる機会を増やしたいね」と言いながら、
次から次に手が出て止まらない。

やはり私は
《花より団子》でもなく 
《花も団子も》のようだ。

新型インフルエンザの予防接種

2009-12-17 | オーストラリア 春のパース (2010)


オーストラリアのワイルドフラワーを代表する花、カンガルー・ポー
まるでカンガルーの前足のような形に見えることから名づけられたそうだ。
これは レッド・アンド・グリーン・カンガルー・ポー


これは ブラック・カンガルー・ポー


これは、猫の前足という意味の、キャッツ・ポー

私は、カンガルー・ポーと、キャッツ・ポーの違いが、いまひとつ分からないけれど・・・


                     


渡豪前にインフルエンザ対策に予防接種を受けたいと思っていたが
日本では季節性インフルエンザの予防接種しか受けられなかった。

日本と違ってオーストラリアでは、10歳以下の子供はインフルエンザの予防接種を受けられない。
ならば周囲の大人が予防するしかないと、
パース到着後、現地の病院で新型インフルエンザの予防接種を受けた。


予約していたので、待つ間もなく呼び出しがかかる。
医師から、英語と日本語で書かれた注意事項を渡され、
その内容を承諾すると、いよいよ注射の出番。
と、消毒もなしに、いきなりブスッと。

「エッ~~!?」と思ったが、いまさら消毒を頼んでもすでに遅し。
「サンキュー」と、笑顔でお礼を言うしかなかった


国が変われば、注射のやり方も違うのか、
それとも、あの医師と看護師のやり方がそうなのか分からないけれど、
その後、腫れることも何も異常がなかったので、それも有りなのかもしれない。

日本ではワクチン不足で、夫は来年にならなければ受けられないし、
私にいたっては、来年春以降も受けられるかどうかも分からない。
それを考えると、こうして旅行者でも受けさせてくれることに、
オーストラリアという国の大きな懐を感じる。

因みに、接種代は55豪ドル(日本円で5,000円位)

パースに到着 

2009-12-15 | オーストラリア 春のパース (2010)
お天気に恵まれて、上空から見る景色は、
紅葉した山々を眺めながら、富士山、京都、大阪、神戸・・・

まるで日本地図を上から見る実況中継のよう。


富士山の右手前には、ジグザグの登山道も見える。


大阪湾に浮かぶ、関西空港


朝出発して、途中、香港での乗換えをして、
目的地パースに着いたのは、深夜に近かった。

長い飛行機の旅だったが、直行便の乗りっぱなしとは違って、
途中、腰が伸ばせるし気分も変わるし、
時間に余裕のある時には、乗り換え便も又いいものだ。



キングスパークから眺めたパースの景色。
観光客のほとんどの人が訪れるお馴染みの景色だが、
何度来てみても、スワン河沿いに広がる街並みは伸びやかで美しい。

オーストラリアは不景気どこ吹く風で、
一時期ストップしていたビル建設が再び急ピッチで始まっていた。

初めてパースに来た時にはなかったビルがいくつも建っている。
2年前に買った絵葉書を見ると、ビル群が増えたのは一目瞭然。
この様子では、次回に訪れた時には、この景色もまた変わっているにちがいない。



パースの街で目に付く赤い花はボトルブラシ。
名前の通り、瓶を洗うブラシのような形をしている。



この花は街の中でも、郊外でも、山の中でも咲き乱れていた。
よほどこの地の気候にあっているのだろう。

                     

み仏の里 国東半島にある富貴寺

2009-12-12 | 小さな旅
2年前も同じ晩秋に訪れたはずの富貴寺だが、その時の紅葉の記憶があいまい・・・
その頃はまだ心が閉ざされていて、
その光景を目では見ていても、心まで届いていなかったのかもしれない。

が、今回は違った。
その見事な紅葉に感動。





目に鮮やかに飛び込んできた黄色の銀杏の木や、真っ赤なもみじや、はぜの木。
「遠くに行かなくても、私たちのふるさとには、こんなに綺麗な風景があるのよね」
と、ため息をつきながら、この風景に酔いしれる。




富貴寺の阿弥陀堂も、紅葉した木々に包まれている。
この優美な形をしたお堂は平安末期に創建されたもので、
確か国宝にも指定されているはず。

この中には阿弥陀如来座像があり、
日本の四大壁画の一つに数えられている壁画もある。
それに、宇治平等院鳳凰堂、平泉中尊寺金色堂と並んで、
日本三阿弥陀堂のひとつにも数えられている。

そんな素晴らしい阿弥陀堂が、この西日本のはずれに、
ひっそりと静かに建っている。

壁画を保護するためだろう、正面の戸は閉まっているが、
両側の戸は開いており、阿弥陀様も壁画も近くで見ることが出来る。

大分空港から車で1時間足らずの場所なので、
国東半島めぐりの際は欠かせない場所だと思う。




境内の横で、ご住職の息子さんが経営なさっている宿と食事処。
豪華さはないものの、隅々まで神経が行き届いたしつらえと清潔さが心地良い。

お寺なので精進料理かと思いきや、ローストビーフまでついている。
この他に、天ぷら、デザート、コーヒーまたは抹茶がついて2100円。
どの味もそれぞれに美味しく、秋の景色を眺めつつ頂く食事は、
時間がゆっくり流れ、心まで満たされた。

写真では欠けているが、右手前にあるローストビーフのたれが美味しいので、
その作り方をきいてみた。
醤油、味醂、ケチャップ、にんにく、ごま油、サラダ油で作るそうだが、
ケチャップとごま油が味に深みを与えているのかもしれない。

岩に刻まれた 熊野磨崖仏 

2009-12-10 | 小さな旅
大分県の国東半島、豊後高田市の山奥にある《熊野磨崖仏》は、
大きな岩(崖)に彫られた仏様(不動明王と大日如来)で、
国指定重要文化財に指定されている。

昔は今のように道路整備がされていなかったので、
その存在は気になりながらも、なかなか行くことが出来なかったが、
この長年の思いが、やっと叶った。




小さな川沿いの道を通って胎蔵寺まで。
散ったばかりの紅葉の葉が、まだ鮮やかな赤や黄色を残していて美しい。




胎蔵寺からの山道をしばらく登ると、
乱積みにされた急勾配の石段が現れる。
これは、鬼が一夜で築いたと伝えられている。

確かに、こんな大きな石を積み上げて階段を作るなど
鬼のような力がなくては成しえないことだろう。

喘ぎながら一段ずつ登る私達に、すれ違う人達が
「あと少しよ」「頑張って!」の声をかけてくれる。
磨崖仏に会うために山奥まで入って来た者同士の一体感で
ゆきずりながらも、心が通い合う。




石段を登りきろうとした左側に、やっと岩に彫られた不動明王像が現れた。
見上げるように大きい不動明王は、下膨れの顔に唇をまげて牙まで持っているが、
それは、いかめしいと言うよりは、まるで笑っているような優しげな顔にみえる。
「よう、ここまで登ってきたな」と言っているように。




少し離れた岩に彫られた大日如来像は、
あいにく補修工事の足場が掛けられていて、肝心の口元が見えない。
残念だが、これはもう一度会いに来なさいということかもしれない。

                     





駐車場の近くの無人販売所にあった柚子。
その数13個で何と100円
仏様からのプレゼントかな?

晩秋の里山 安心院(あじむ)

2009-12-06 | 小さな旅
家の近くには出たくないが、遠くなら出られるという厄介な(勝手な?)
出不精になってしまった私。
いつも家の中に閉じこもりがちの私にとっては、
誰もしらない非日常の空間に身を置くことが、今のところ一番気持ちが落ち着く。

などと言い訳をしながら、10月下旬から3週間ほどオーストラリアへ。
その帰国後5日目からは、九州へ今秋二度目の2週間の帰省。
と、この秋も旅を続けた。

                     

まずは記憶の新しい、戻ってきたばかりの九州の旅。
この旅は、9月末に続く帰省の旅。

母が日頃お世話になっている近所の方にご挨拶回り。
退院してくる母が生活しやすいように、小さなリフォーム工事。
それに伴なう部屋の片付け。
今後の生活をケアマネージャーさんたち専門の方と相談。
などの日々で2週間はあっと言う間に過ぎる。

心身ともにクタクタになるまで働いた後は、
楽しみにしていた、友人との小さな1泊の旅。

                     

第1日目は、安心院という町へ。
安心院と書いて「あじむ」と読む。

昔、安心院と言えば、スッポン料理で知られていたが、
今では地鶏や山芋料理が美味しく、
温度差の激しい盆地という土地柄を利用して大きなワイン工場まで出来ていた。


安心院葡萄酒工房
このエントランスを入ると、広い敷地にぶどう畑、ワイン醸造場、貯蔵庫、試飲ショップがある。
一緒に行った友人2人はあいにくお酒は飲めないので、
私は3人分とばかりに全ての種類を試飲。



郷土料理でランチをいただく。
鶏飯、とり天(から揚げではなく天ぷら)、団子汁など。

大分県では、とり天や豚天など、肉類を天ぷらにすることがある。
から揚げと違って衣がしっとりしていて、てんつゆをつけて食べる。
(てんつゆの代わりにポン酢をかけるのも美味しい)

団子汁とは、野菜たっぷりの味噌味ベースの汁に、
小麦粉で作った団子が入っている、大分県の郷土料理。
団子といいながらも丸い団子ではなく、長めの太くて歯ごたえのある麺。
この麺は麺棒などでのばすのではなく、両手でのばすだけの野性味溢れるものだ。
私も小さい時から母に習って、スルスルとのばして手伝ったものだ。



「小の岩の庄」という道の駅

ここには、所狭しと地元の食材が並べられている。
新鮮で美味しいうえに、安い安い!
荷物になってしまう・・と思いながらも、その安さをみると、
買わずにいられなくなる。

こんな道の駅が、近くに欲しい!