笑い噺みたいで恐縮なのですが、「夏眠(かみん)」という言葉をご存知でしょうか!? . . . 本文を読む
“地獄の墓掘り人”ローラン・ボック「“魅せる”というジャンルの奇特性に背を向けたとされるボックの精神世界」
(07.7筆記【美城丈二@魂暴風;Soul storm *a martial art side】
“魂暴風”popular request column)
ボック(Roland Bock)の神秘性が俄かに台頭、猪木との再度の対戦が囁かれ始めた最中、私はボックが以前、 . . . 本文を読む
千の夜‐ある夏の日の朝
僕に忍んでくる悲しみよ、
お願いだ、
今こそ僕は、その千の夜を越えたいんだ。
僕は僕を憂う。
僕はもう、そんな僕に果ててしまった。
僕は幼い頃から、空を見やるのが好きだった。
いくつもの夜を越え、
僕は満天の星屑を憎んだこともあった。
月が翳る、
そんな吹きすさぶ早暁、
祈りを捧げたこともあった。
けど、けど、いまこそ、僕にこの大いなる空よ . . . 本文を読む
父が座した胡坐に腰掛けて父の朗読する童話に聞き入っていた、幼かった頃の私。最早、遠い遠い過去のようで、ただ想い出すのは酒さえ飲まなければ優しかった父の面影。時は過ぎ、入院加療中の父がまだ多少元気だった頃、父にせがまれてそんな父の片腕を抱きながら、入館した椋鳩十文学記念館。ほんに寒い日のことで南国だというのに、霙が降っていたような。なのになんだか頑強に「行くぞ」とせがんだ父。「俺は一度はここに来 . . . 本文を読む
FBの方では執筆を重ねたシリーズなのですが……。
美城丈二の“ふるさとは遠きにありて思うもの”ブログ篇
『亡き父の面影、いまここに在る生』
写真は仏壇に掲げたものであり、本来の父のイメージは一升瓶が相応しい(笑)。
私の父は生粋の薩摩隼人であり無粋で融通が利かない、頑固で寡黙、そう無口で堅い雰囲気。普段は黙ってまさにじっと動かずご本ばかり読んでいた、といった塩梅でしょうね。蒸気機関 . . . 本文を読む
私の“第2の古里”と言えばどこになるのだろうか?
現在までにおけるもっとも長く居を構えていた場所と言えば
東京は下北沢ということになるのだろう。
南口をまっすぐ通り抜け、「餃子の王将」を越えた坂道を駆け上がった辺り、
代沢5丁目、そこにあるアパートで8年ほど過ごした。
『桜の森の満開の下』坂口安吾も若き日には近くに住んでおり、
通りがかりの桜吹雪に出会うと
悠久の当時を思い起こ . . . 本文を読む
力道山亡き後の日本のプロレス界に道筋を与えた男、その名はカール・ゴッチ。“プロレスの神様”。そのストイックなまでの強さへの探求心、指導方法に感化され、幾多のレスラーが影響を受けたことか?まさにプロレス道の神様と言っても過言ではないだろう。プロレスの上手さという点から何かと批判や非難も受け、プロレスラーとしては賛否両論、毀誉褒貶があったゴッチ。エンターティメントとしてのプロレスに魅了されてきた私だ . . . 本文を読む
美城丈二@Jyouji_Yoshiki
私は仲間内ではかなりの歴史好きで知られているが(歴史通と歴史好きは違いますので念の為……笑)本年度、よく報じられているのはNHK大河ドラマの不振である。製作者側の苦心振りをよく存じているつもりだから非難はする気にはなれないけれど、大河ドラマなどは若い世代も入り込みやすい側面もあるから、そういう意味からも今回の不振は残念だなとの思いがある。いくつもの要因が . . . 本文を読む
美城丈二@Jyouji_Yoshiki
“不沈艦伝説”
“超獣伝説”
“大巨人伝説”
いずれも迫力満点!!
一時代を築いた“カリスマ”たちの
ナチュラルなパワーにはいまでも圧倒されんばかりだ。
モノクロームな世界観が幾年経ても色あせないのは
やはりそこに“真実”が潜んでいるからだろう。
プロレスは互いの信頼関係のもと、
相手の力量をどれだけ引き出せるかの真剣勝負の舞台。
「ほ . . . 本文を読む
2005・9初出記述
脚本家・倉本聰先生が主宰する富良野塾。大自然の流風を受けながら自給自足の生活を学び、陽が沈むと倉本先生のお話しを伺って脚本執筆に努める。この富良野塾出身のかの方に、一・二度伺ったことがある。
「何が最もこころに残りましたか?」
「そうですね……やはりひとそれぞれなんでしょうけれど、私には生きているということの尊さ、というの か、おぼろげなんですけれどね。
生 . . . 本文を読む
2006・1筆記
懐かしい想い出を手繰り寄せるかのように、忘れかけた頃にめくってみたくなる書がある。堀辰雄『風立ちぬ』。
有名なヴァレリーの詩句「風立ちぬ、いざ生きめやも。」に題を採ったとされるこの小説には、著者が生涯見つめて止まなかったひとの死、最愛の者との儚い別れ、そこから起こる果てしなき心根の葛藤、それらへの連綿たる愁傷感が横溢している。幼すぎて意味も判らず読みかけで終わっていた . . . 本文を読む
“他を批判する者は我が身を丸裸にする”
たとえばこんなドイツの哲学者、フリードリヒ・ニーチェの言葉。
○他人に批判的な、或いは他人に厳しい人間ほど、自らを省みない人間も居ない。
○己がどういう人間か、非難されることを承知で他人を批判したほうがいい。
何故ならひとは他人を批判する者に注目するあまり、
その人間がどれほどの素養の持ち主か、無意識に探る生き物だからだ。
○君はその . . . 本文を読む
☆初出:2006・9
もういまではよく知られたことだろうけれど、
わずか28年弱で夭折した幕末の偉人、高杉晋作が
辞世の句として残した歌が
「おもしろきこともなき世をおもしろく」。
昔の偉い功績を残した人々は
みなこの世を去ろうとするとき辞世の句を詠んだ。
俺が歩んできた世の中に
最後にこれだけはもの申したいというわけ。
十代の頃、あの松下村塾にて吉田松陰に師事し学問 . . . 本文を読む
2004・8 記述文拠り
骨
ホラホラ、これが僕の骨だ、
生きてゐた時の苦労にみちた
あのけがらはしい肉を破つて、
しらじらと雨に洗はれ、
ヌックと出た、骨の尖。
それは光沢もない、
ただいたづらにしらじらと、
雨を吸収する、
風に吹かれる、
幾分空を反映する。
生きてゐた時に、
これが食堂の雑踏の中に、
坐つてゐたこともある、
みつばのおしたしを食つたこと . . . 本文を読む