サンクチュアリ

美味しい物・綺麗なもの・楽しい事

天空を旅する その12 ( 「立山曼荼羅」絵解きとメカニズム )

2014-09-19 07:06:06 | 不思議紀行
 ホテルにチェックインした時に、フロントの方から頂いたイベントの用紙、室堂散策ツアーやご来光バスツアーなどの中に、興味のある講座がありました。
 夕食の後、ほろ酔い気分で、iPadで遊んでいるだんなさんをラウンジに残して、お隣のティーラウンジ「りんどう」で「立山曼荼羅」絵解きとメカニズムという講座に参加させて頂きました。 


     
     講座は、「黒部ダムシフォン」を頂いたティーラウンジ「りんどう」で開催されました。


     
     立山曼荼羅(芦峅寺の大仙坊所蔵)


 「立山曼荼羅」は、写真のように4つの掛け軸に分かれていて、それぞれを巻いて一つの箱に納めて持ち歩き、絵解きをしたそうです。
佐伯有頼(慈興)による開山、立山の地獄(地獄谷からの連想なのか?ともかくかなりの迫力です)と極楽のお話。

     
     室堂駅に立っていたのは、「佐伯有頼(慈興)」でした・・・。

 罪人はすべてこの地獄へ堕ちると説いたそうです。地獄と極楽、そのすべての他界が備わった立山に登拝することで、罪や汚れのない新しい自分として生まれ変わることができる・・・・というのが立山信仰です。
異界と心霊を備えた山岳信仰は、輪廻転生を繰り返す宇宙を表し、人々は生きることの意味を考え、魂の救いを求めたのでしょう。
立山もある時期までは、他の霊山や霊場と同じく女人禁制、この曼荼羅の中にも無理に入山した女性が杉の木になって(現在の美女平の場所)しまった絵が描かれています。
それでは女性は救われません。そんな女性を救ってくれるのが・・・。

     
     おんばさま(姥尊)です。

 この「おんばさま」は、見ての通り、醜悪な老婆の姿をした異形の神様ですが、大日如来の化身、立山権現の母神だと言われ、女性を救済してくれる神様として多くの女性の崇敬されたそうです。そして、そんな女性を救ってくれる行事がありました。

     
     布橋大灌頂法会の様子

『   布橋大灌頂会(ぬのはしかんじょうえ)

 まず死装束で閻魔堂に入りさまざまな罪を懺悔します。次いで閻魔堂から姥堂まで敷き詰められた白布の上を進み、途中この世とあの世の境界とされる布橋を渡ります。橋の向こうは他界を意味し、姥尊が祭られる姥堂で儀礼はクライマックスを迎えます。真っ暗な堂内で一心に極楽往生を願う女性信者たちは、やがて戸が開かれ夕日に輝く立山を目のあたりにして、地獄から浄土への転生の感激を味わったといいいます。
 布橋灌頂会においてメイン会場となる姥堂ですが、芦峅寺ではこれを女人成仏唯一の霊場として宣伝に努めたということです。山中への登拝が許されない女性にも、救いの手を差し伸べ、女人往生をかなえてくれる「おんばさま」は、当時の女性にとって「阿弥陀さま」以上に身近でありがたい存在であったことでしょう。』(立山信仰の概観より抜粋)


 明治初期の廃仏毀釈によって儀式は廃れてしまったが、平成8年の国民文化祭で136年ぶりに再現され、その後、平成17年、18年、21年、23年に“心の癒しの儀式”として開催されてきたそうです。
今年、9月21日(日)に3年ぶりにこの行事が行われるそうです。申し込めば誰でも(女性のみ)参加できるようです。

 30分ほどの講座でしたが、初めてお聴きする立山信仰のお話は、とても興味深く、是非この「立山曼荼羅」を見てみたいと思い、スタッフに伺うと、富山県「立山博物館」に展示されているとのこと、次の日の予定に入れることにしました。(お~!フリー旅行の特権!)
ただ山が綺麗としか思っていなかったのですが、この講座を聴いて、なんだか世界が広がっていくような気がしました。ホテルの方、スタッフの方、ありがとうございました。
 この後、だんなさんと星空を見に行きました。月がぽっかり出ていたので、満天の星空というわけにはいきませんでしたが、どこまでも広がっていく宇宙に立っているようでした。

                                                         つづく

                                                 
 
 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿