あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

モンテヴェルディの「聖母マリアの夕べの祈り」を聴いて

2010-07-18 07:50:02 | Weblog


♪音楽千夜一夜 第151夜

引き続きモンテヴェルディの音楽を聴いています。

1989年5月にモンテヴェルディゆかりのヴェネツイアのサンマルコ大聖堂で、エリオット・ガーディナーがイングリッシュバロック・ソロイスツと創立25周年を迎えたモンテヴェルディ合唱団を率いて録画したライブ公演のビデオです。

1610年に作曲されときの教皇パウロ6世に献呈されたこの曲は、主に聖書の詩編を題材として晩課、讃歌などで構成されています。すでに1607年には最初のオペラ「オルフェオ」を完成させていたとはいえ、これは旧態依然たる宗教音楽とはいちじるしく様相を異にし、突如コンチエルト、ソナタなど挿入され、楽曲の形式のみならずその多種多様な曲想が現代に生きるわれわれの耳目を楽しませてくれるのですが、こんな規格に縛られない自由奔放な音楽をつくってよくもローマ教会から破門されなかったものです。

とりわけ聖母マリアに捧げられたコンチエルトやソナタの歌詞や音楽はとうていルネサンス、バロックの規範に合致しているとは考えられず、ソロも合唱もほとんどロマン派の語法で口々に生きるよろこびを歌っているように感じられます。

後年革命浪漫管弦楽団を組織してベルリオーズの「幻想」やベートーヴェンの交響曲を演奏するようになったガーディナーの演奏と音楽観には否定的な私ですが、このモンテヴェルディには素直に耳を傾けることができました。

♪おたま食らうヤマカガシ殺したるおぞましさ 茫洋


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