あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

エドマンド・グールディング監督の「グランド・ホテル」を見て

2012-04-02 13:18:18 | Weblog


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.218

1932年に製作された史上初めてのグランド・ホテル形式による映画。同じ場所に集う多くの人々の諸相を同時進行でスケッチしていく手法が、新しいドラマチックな興奮を生みだした。

従業員を奴隷視する強欲社長やその被害者で余命いくばくもないその企業の社員(ライオネル・バリモア)、泥棒や詐欺で世を渡っている女殺しの「男爵」(ジョン・バリモア)など興味深い人物が次々に登場するが、なんといってもロシアの有名バレリーナ役のグレタ・ガルボの美貌にとどめをさす。社長の秘書役でジョーン・クロフォードは完全な引き立て役に終わってしまった。

ガルボの前にガルボなく、ガルボの後ガルボなし。げにこの人こそ、古今音東西世界第一の大スタアであろう。


朝な夕な母と息子と余に尽くす野菊の如く可憐なる妻 蝶人
コメント
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