今日の秋櫻写

こちら新宿都庁前 秋櫻舎

だくだくに続々

2010年08月26日 21時28分06秒 | その他
夏はまだまだ。
るーん。

今年はとくにみんな暑い暑いって云うけど、
ワタシも云うけど、そんなの夏の前では平気さ。

さてここのところ、比佐子さんのブログでも
触れられていたが、秋櫻舎には新しい棚が入ったことで、
いっせいに資料やら本やらネガやらポジやらの
色んなものを大量に整理整頓、大掃除している。

もう汗ダクダクで、捨てたり、磨いたり、
飛んだり、跳ねたり。
日々、肉体労働である。
手ぬぐいを首にかけて、水分補給を何度もして、
みんなどんどん独り言が多くなる(笑)

しかし、毎日大量のゴミが出るのだけど、
あの爽快感はちょっとすごい。
捨てることの気もちよさってあれは何なのだろう。

加えて、この大掃除期間、なんとありがたいことに、
地方からおいしいものが続々届いている。

イエーイ!

兵庫からはみかんにブドウに、アナゴ。



北海道からはとうもろこし。



何でも届けば、まずはすぐに神棚にあげる。
そして昼には早々にいただくのが秋櫻舎である。

とうもろこしもみかんも、ブドウも、甘い~。
うまい~。
夏のみかんなんて、お嬢さんのような
屈託のない甘さなので、水を飲むように
何個でも入っていく。

アナゴもおいしかった・・・。
身がきゅっと締まった上物である。

お昼にこんなご馳走をいただいて
しあわせだなと思う。


では写真を少々。

ワタシ「みかん食べてるとこ、写真撮ったげる」
姐さん「ね、ね、じゃ、こんなのどう?」



フォークソングがきこえてきそうだ。



そこへ子機を片手に横切る比佐子さん。
この日はエルメスの麻のワンピースを着てる。



ぺこちゃんを背中に乗せて、「アウトレイジ」なはっちゃん。
「俺のグラサンはグッチだぜ」
本当にグッチです。

というわけで。
明日は花金。夏は夜。
毎夜月が美しいので、何かがうれしい。

夏をたのしもう。

たーまやー

2010年08月19日 23時00分43秒 | きもの
今夜は神宮外苑で花火大会だったようで。
浴衣姿の若い男女をたくさんみる。

しかし・・・しかしよ。
ようやく云っちゃうけど、男の子。
へい、男の子。
なーんでみんな揃いも揃ってバカボンなわけ?

あれだけ普段、上から下まで、髪から靴まで、
上手にファッション誌を真似ているというのに、
どうして浴衣になると、いきなり帯は
ウェストマークになっちゃうんだろう。
本当に不思議だ。

ワタシ、本気で今年は「男の子」はバカボンしか
見てないんだけど。

女の子がぐずぐずしているのに至っては、
もうここまで来れば積年の定着感すらある。

あとおかしいのは、首から上は女のこのメークも
男の子の髪型もばっちりきれいに作りこんであるのに、
首から下がいきなり寝巻きを着た子どもみたいになってる、
その落差感(落ち度ともいう)。

ああ、こんなこと云っていても拉致があかん。

でもね、でも、清方の絵に出てくるような
素敵な夏の風物詩のような浴衣女子も、
ぱりっと着て、自由自在にしかもかっこよく
体を動かす浴衣男子も実はワタシ、
今年の夏はたーっぷりみているのだ。

どこでかというと、
真夏の「圓朝まつり」で。

これは、谷中の全生庵という寺で、
毎年夏に開かれる落語協会主宰のお祭りなのだが、
たくさんの噺家が露店を出したり、趣向を凝らした
余興をやったりする、いわば噺家による
ファンサービスデーみたいなイベント。

4千人もの人が小さな寺社を訪れ、
あちこちでサインをもらったり、
写真を撮ったりという光景が繰り広げられ、
もう人で人で埋め尽くされる。

噺家連中はみんな揃いの
白地に紺のたぬき柄の浴衣を着ている。
「たぬき」は「他抜き」をかけていて、
先代小さん大師匠が大すきだったもの。

はっきり云って、噺家にいわゆるイケメンなんて
1割もいないのだけど(稀にいるけど、
噺家にとってイケメンであることは、
決して利点にならないとワタシは思う。
いい顔とイケメンは違う)、
冴えないおっさんやあんちゃんがどうだい、
あの浴衣のすばらしい着こなしときたら。
めちゃくちゃにかっこいいのだ。

まず腰が全然ちがう。
ウェストマークしてるヤツなんて誰もいない
(当たり前か。いたら同業者からも客からも袋叩きだ)。

そしてお仕立てものである。
みんな自分の寸法で着ているので
太っていようが、やせていようが、
マイサイズの妙なるポイントで
きっちり決めているのだ。

おっさんはおっさん体型だし、
若くてもおっさん体型の噺家は実に多いが、
そんなものは浴衣の前にあっては
なーんも障害にはならないということが
むしろ証明されてしまう。

ほんといつも目習いさせてもらっている
このお祭り。感謝だ。

で、女子だ。女性だ。
こちらはお客のほうだが、20代から70代まで
幅広い年齢層の女性がいるのだけど、目が泳ぐ泳ぐ。
オトナの女性もわんさか。

ワタシは、去年もそうだったのだけど、
今年はさらにいっそう女の人ばかりに
目がいってならなかった。

だって、みーーんな浴衣素敵なんだもん!!
素敵な人のほうが圧倒的多数というこのコミュニティは
すごいと思う。

ちまたであまた見るような浴衣姿の女の人は極マレ。
4000人中、5人くらい?(ウソじゃないです)
あとは「わーあれ素敵」「きゃ~あれ真似したい」の連続である。

竺仙の浴衣は歴代のロングセラー柄をざっと
見せていただきましたという感じだし
(ワタシは竺仙の百合柄のを着ていったけども、
色違いの人が数人いて、なんとなく決まりが
悪かったのはどうしてだろう)、
絞りの浴衣に博多帯のコーデなんてどれだけ多いんだ!
というくらい見たし、麻のきものに半幅帯で
ドレスダウンというパターンも数人見かけた。

そして色は白、紺、青、水色。
サンダルをはいている人はゼロ。
夏の風物詩だらけである。
ちょっとね、時代をタイムスリップしたような感さえ
ワタシにはあった。

ええと、つまり何を云いたかったかというと、
まだまだ日本の夏は大丈夫だということ。
実際、ワタシは炎天下の中で、大笑いしながら何度も思ったし。
あと、負けちゃいらんないわとも思いました(笑)

今年はけっこう浴衣を着ているけれど、
それでもあともうすこーし着ようと思う。
もうすこーし夏なので。


さいごに。

来週28日(土)の「比佐子つれづれ」は
あの竺仙の小川社長を再びゲストにお招きするので
ご都合のつく方はぜひいらしてください。
浴衣でのご参加、大歓迎であります。

今回は歌舞伎柄についてがメインテーマ。


それではまた。




これは明治の風俗。



浴衣バージョン

2010年08月12日 13時37分34秒 | きもの
お盆やすみ。

さて。
秋櫻舎にはペコちゃんがいるのだけど、
こともあろうに夏の間もずっと綸子の振袖を着ていて

「暑いんだよ!」

と(ものっすごく)云いたいだろうに、
いつもお茶目な舌して笑ってる。

で、先日。
湯文字の着付けレッスンにいらしたTさん。
人形の衣装を作っておられるとかで、
やっぱりそのペコちゃんのかわいそーな様子に
そっと気づいてらしたのだろう。

数日後に送られてきたのは
ペコちゃん用の浴衣!!



お誂え。
たとうしまでペコちゃんサイズ。
すごーい!!

「サイズが分からなかったので、
うちにあるペコちゃんに合わせて作りました」

うちにあるペコちゃんって!
もうTさん、ありがとうございます。

浴衣のほうは紺地に白抜きの兎柄。
竺仙もまっつあお。

「かわいー」
「かわいーわねー」

「かわいー」
「ほんとかわいーわねー」

何度繰り返したか忘れちゃった。
でもそれっくらい比佐子さんと二人してド感動。
早速着せ替えて、コスモスと一緒に記念撮影。

江戸時代の浴衣みたいに、おひきずりなのもかわいいし、
ちゃーんと肩上げされて、おはしょりもあるの。
赤の総絞りの帯がまたぴったり。
ゆかたーって感じでしょう?

お次はケイコさん。
ナイト・コスモス開始の18時半まで
池袋の寄席に行ってきまーす、と
浴衣に着替えて出掛けるところを1枚。

いいですねえ。





こういう浴衣姿を見ると、
浴衣は夏の風物詩だということを思い出すよ・・・。

さいごは田中さんの広島みやげ。
今人気だとかで、定番のもみじ饅頭なのはいいけど、
味がラムネ味。餡もラムネ色。





みんな考えてるなあ。
でもこのラムネもみじ饅頭、際物かと思いきや、
味のほうは、これがいや、なかなか、いけたりして。
ちなみに、しっかりラムネの味がします。

ではでは。

比佐子つれづれ課外授業 諏訪・岡谷写真公開

2010年08月09日 20時23分10秒 | きもの
7月22日(木)~23日(金)
比佐子つれづれ課外授業 諏訪・岡谷の
写真を一挙にアップします。

遅くなってごめんなさーい。
では参りますぜ。


まずは、朝8時30分発のあずざ7号で新宿を出発。
7名での小旅行の始まりだー。

みなさん小千谷縮、八重山上布、絽、夏大島、
紋紗と涼しげな夏の装い。
駅のホームで目立つ目立つ。
目立っちゃえ!

車内ではおやつが回ったり、
校正用の原稿が登場したりと軽快な滑り出し。

甲府あたりまで来ると、山の表情が変わる。
旅に出て一番その地を感じるのは山の感じ。

「山間部なのねえ」

ほんとうに。

お昼時に上諏訪に到着。
早速ランチ・タイム。
地元人に愛されていると評判の「そば処とみや」へ。

田舎によくある素朴な店なのだけど、
十割そばに大人気の揚げ出し豆腐、
さらにお通しのキュウリの漬物と水が絶品。


旨―い!


そりゃビールも開けたくなるよ。
壁をみれば一面、泉ピン子、さだまさし、中村獅童などなど
芸能人の色紙がたーくさん。


お次はジャンボタクシーに乗って、
霧ケ峰~白樺湖のヴィーナスロードへ。



霧ケ峰。生まれて初めて行きましたが・・・最高。
あの美しさは何なのだろう。

植物は新緑の緑で、自分の視線の延長に360度の雲。
しかも今は夏の入道雲。
山の陰から大きな雲がスライドして現れたり、
下からにょきにょき生えてきたり。
ラピュタだ、ハイジだ!
もうね、まるで空の中。

頂上付近で外に出ると、またもびっくり。
光線の強さは下界と変わらないのに、
空気だけはひんやりと涼しくて。
「霧ケ峰」というクーラーがあるけれど、
そ、ここは天然クーラー。





そこから怒涛の諏訪大社4宮めぐりへ。

去年の青島神社も気がよくて大すきだったけど、
諏訪さんもすばらしかった。
ここは何といっても水だ。

水っけが常にあって、実際あちこちで水が湧いていて、
水が光ってる!

縄文土器がぼこぼこ出ているそうだし、
ちょうど断層上にあるので、
記紀神話以前から聖域だったのだと思います。


上社前宮。手水舎として前に流れる名水「水眼(すいが)」で
手と口をお清め。今年建った御柱も拝見。
ワタシは堪らずのんじゃったけど(笑)すーんごくおいしかった。


上社前宮。ここが一番素朴でゆったりしてた。


上社本宮。土俵があるのはここの御祭神、
建御名方神(たけみなかたのかみ)と建御雷神(たけみかづちのかみ)が
出雲の国をかけた「力くらべ」が相撲の起源とされているから。




お茶タイム。お買い物もたっぷり。ご当地もののカップ麺を手に山岸さん。
この旅で、記憶を頼りに見事かつての住んでいらした家の場所を
探り当てた田村さん。


ここ、ご当地土産がびっくりするくらい充実してた。



岡本太郎も愛したという不思議な岩「万治の石仏」。
漏れ聞くところによると、諏訪大社の要石だとか。
形も顔もユーモラス。周りには水田がある。神さまの米だ。


比佐子さんと姐さん。


ご機嫌の比佐子さん。これは下社春宮で。ご神木がすばらしかった。
生気にあふれ、根が盛り上がってる。


大木が多いから、木漏れ日が境内にはいっぱい。


下社春宮。


ご神木。どこにいっても水っけが常にある。


もう夕方だけど、日傘は必携。


下社宮。秋宮にも同様の巨大注連縄(しめなわ)が。というのも、
建御名方神は出雲の大国主命の次男なので、出雲大社の儀礼を
受け継いでいるのだ。しかし注連縄の表現力ってすごいと思う。


お宿「朱白」では諏訪湖を眺めて温泉三昧。
夜は宴会。疲れも忘れて、飲んで笑って楽しみました♪


諏訪湖に浮かぶ月が丸い。窓をあけると、潮の匂いの代わりに湖の匂いがする。


翌日は比佐子さんの講演を聴きに岡谷へ。
最後の製糸夏期大学。研究者が研究報告をする中、
比佐子さんは「きものからのメッセージ」と題して、
八枚の布から成るきもののすばらしさ、
体に効くきもの、
ハードは非常に合理的なのに見た目は美しいという
きものにみる日本人的発想などについて講演。



出で立ちは、この日のために新調した白い紗の、
胡粉で大小あられを染めた江戸小紋。
そこへ原色の花火が開く真っ黒の紗帯。



講演の根幹はやはり

「きものを着ましょう。だってこんなにすばらしいのだから」

というところにあったと思う。
女性からの反応がとても高かったです。


午後は、岡谷市近代化産業遺産めぐり。


絹のジーンズ。これ、履きたいんだけど。


ブラックライトを当てると、発光する絹。
面白いけど、どこに着ていくかね。


休憩中。

とりわけ製糸王、片倉兼太郎宅、林家国蔵宅が印象的。
当時の製糸業がどれだけ盛んだったか、
また経営者としての二人の資質の違いが住居によく出ていました。


山一製糸のかつての金庫。蔵じゃなくて、金庫なので。
近代日本はほんとーに、絹って儲かったんだなあと思う。
国を支えていたんだものね。


片倉兼太郎の生家。質素なのだけど、細部がどっしり
作りこまれていて、置いてあるものは数は少ないけど、
いいもので、哲学ありきのお金もちの家の何ものでもなかった。


林家国蔵宅。ここら辺は地域的にも仏教信仰が
とても厚いところなのだけど、やはり仏壇はすごかった。
壁一面の仏壇の間。あと欄間(らんま)もすばらしかった。


奥に見えるのは高架。びっくりするくらい高いの!


というわけで。
おなかいーーっぱい学んで遊んで、
19時35分新宿着。

皆さま、たのしいひとときを
ありがとうございます!

今度はどこへ行くんだろうな。