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四番 山部赤人

2014年12月31日 | 百人一首

田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ

田子の浦に出てみると、真っ白な富士の高嶺に今も雪は降り続いていることだ。

田子の浦に 六音で字余り。「田子の浦」は、駿河(現在の静岡県)の海岸。
うち出でてみれば 八音で字余り。「うち」は、語調を整える接頭語で、広々とした場所に出る場合などに用いられる。「みれば」は、「動詞の已然形+接続助詞“ば”」で、順接の確定条件。この場合は、そのうちの偶然条件「~と」で、「みると」の意。
白妙の 「富士」にかかる枕詞。本来は、「雪」にかかる語であるが、「白妙の富士の高嶺に雪は…」とすることで、富士に雪が降って真っ白になるさまを強調する効果をもたらしている。
降りつつ 「つつ」は、反復・継続の接続助詞。実際に田子の浦から富士の降雪状況を遠望することは不可能であるが、今まさに雪が降り続いている様子を「つつ」を用いて想像させることによって、富士の白さ、美しさを際立たせている。

やまべのあかひと (生没年不詳)
奈良前期の歌人。柿本人麻呂と並ぶ歌聖。三十六歌仙の一人。自然を題材とする歌が多い。下級官吏であったという説があるものの詳細は不明。

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