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七番 阿倍仲麻呂

2014年12月30日 | 百人一首

天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも

長安の天空をふり仰いで眺めると、今見ている月は、むかし奈良の春日にある三笠山に出ていた月と同じ月なのだなあ。

天の原 天空。「原」は、大きく広がるさまを表す。
ふりさけ見れば 「動詞の已然形+接続助詞“ば”」で、順接の確定条件。この場合は、そのうちの偶然条件「~と」で、「遠くを眺めると」の意。
春日なる 「春日」は、現在の奈良市、春日神社の一帯。「なる」は、断定の助動詞「なり」の連体形で、この場合は存在を表し、「~にある」の意。
三笠の山 春日神社近辺の山。
出でし月かも 「し」は、過去の助動詞「き」の連体形。この歌は、帰国直前に詠まれたもので、「し」は、日本での実体験を回想していることを示し、抑えきれない望郷の念を表している。(注)過去の助動詞「けり」は、間接的に知った過去の出来事を伝聞的に回想する場合に用いられる。「かも」は、詠嘆の終助詞。

あべのなかまろ (698?~770?)
阿倍仲麻呂。717年の遣唐使に随行し、留学生として入唐。科挙に合格して玄宗に重用されるとともに、李白・王維らと交流するなど幅広く活躍。海難により帰国は果たせず、唐で没する。中国名、朝衡。

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