鶴亀万年

元素周期研究会総帥の亀けんじがおおくりする、あまり役に立たないお知らせや気まぐれな情報が連日満載!

元素周期『マンガで覚える元素周期』チタン

2012-04-01 10:56:00 | Weblog

 原子番号22はおなじみのチタンですね。アレルギーを起こしにくいなど人間との相性も良いというので怪しい飾り物から腕時計やゴルフクラブまで広く活躍していて今や老若男女に大人気です。
 特徴としてはまず空気中では表面が透明な酸化物でおおわれて非常に安定するというのがあります。これは要するにステンレスとかアルミサッシとかと同じ理屈でさびにくいということになります。金属としては鉄の半分くらいの重さしかないのに強度は鉄以上、アルミと比べると重さは6割増ですが2倍の強度があります。だから金属疲労がおきにくい。しかも、だいたいこういう優れものはちょっとしか採れないなどというのが通り相場ですが、チタンはそのようなけちくさいことはいいません。たくさんある。埋蔵量も多くて地球に存在するものの中で9番めといいますから、とりあえずなくなる心配もありません。さらに、中国や南アフリカの山奥の鉱山とかの限られた場所ではなくてどこにでもあるというのもうれしいかぎりです。
 金属のチタンが利用されるようになったのはわりと最近ですが、酸化チタンという白い化合物は顔料としてけっこう昔から身近に利用されております。値段も安いらしい。どこいらあたりで使われているかと申しますといちばん身近なのは道路のセンターライン。あの白は酸化チタンの色なんですよ。これはスナックネタですね。
 いやはやよかったですね、こんなにすばらしい素材が身近にあって。素人としてはそのようにやれうれしやと喜んでしまうのですが、これほど多彩に利用されるようになったのは比較的最近のことで、ここまでくるのにはそれ相応の苦労もあったわけです。それはどういうことかと申しますと、金属として製錬加工することが難しかった。大掛かりな設備のある工場が必要で、そういうところに莫大なお金と技術が必要と。だからだいぶ身近にはなりましたが今のところまだちょっと値段が高いわけですね。金属は。このあたり、200年ほど前のアルミニウムと立場がちょっと似ています。なにしろ19世紀のころはアルミの食器は超高級品で価値は金銀以上だったといいますから。いずれチタンももっと身近になると思います。でも、ありがたさは忘れたくないですね。といってあれですがアルミニウムのありがたさもあらためて感じる必要、ありそうです。そういう意味では身近に存在する技術すべてにってことになりますか。
 チタンの語源は巨人タイタン、ギリシア神話に出てくるでっかい神様ですが、そんなところから、水星よりも大きな土星の衛星とかアメリカのスペースシャトルや人工衛星打ち上げロケット(兼ICBM)なんかの名前にも採用されておりますな。そんなところから(ダブりますが)、キャラクターは善良そうなでかいお兄さんとなりました。本当は白いシャツを着せる予定でしたがいつの間にか水色になってました。そのあたり適当ですみません。