過去日記

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成田空港 (20070630)

2012-06-21 13:05:46 | ■生きるとは・なんぞや?■
以前。 私は良くドライブがてら、好きなCDと浪曲・虎造・森の石松シリーズ。
特に金比羅代参を好んで聞きながら、高速を走ってました。
感情も無く。 ただ、好きな音楽を高音量で口ずさんだり。
石松を、口ずさんだりしてました。 なぜ、自分が成田空港へ行きたいのか、判らずに。。


半分くらいの確率で、音を止め。 仕事のシミュレーションを繰り返してました。
また少しして、ネタにつまると。 CDかカセットの石松を付けました。
自分の感情が、いつも静か過ぎて。 自分自身でも、よく判らなかった。
ただ、逃れたいと。 誰も傷付けたくないと。 
誰にも私を覚えていて欲しくないと、バカな事だとバカな願いだと知りながら、考えていました。


空港に着き。 車を停めて。 私は必ず到着ロビーへ向かいます。
同じフロア。 同じ目の高さ。 あちらこちらで囁かれる、無事を祈るような言葉たち。 
大切な人たちが無事、戻ってくる事を、彼らの中で一緒に待ちました。
やがて、飛行機が到着し。 彼らの目の前に、大切な人たちが笑顔で現れて来ます。
それは、恋人だったり友人だったり。 家族だったり。 それぞれの理由だったり。
抱き合い。 涙して。 笑い合い。 無事を喜んで。 
そこは、私を除いて。。。温かい感情に包まれる瞬間でもありました。
( 全てが、と言う訳には行きませんが。。。 )


最後の乗客がゲートをくぐってくる頃、私は2階へと居場所を移動して、上から見つめました。


人々が、再開をひとしお喜び合い、家路に着くのを見詰め終わるまで。
やがて、ロビーに人は居なくなり。 
少し、淋しい気持ちになりながら、私は見学デッキへ場所を移します。
少しだけ、外を眺めながらお茶を飲みました。
また、少し時間が経つと。 
到着ロビーへと足を運び、大切な人が帰って来るのを待つ人たちの中に紛れ込みました。


何時間でも。 何組でも。 時間が許す限り。
あるいは、私が満足する限り。 同じ事を繰り返してました。
数ヶ月に数度。 私は成田空港へ足を運んでは、再開のシチュエーションを眺めてました。
どこか、温かい気持ちにしてもらえる気がして、仕方が無かったからです。
心が少し、潤おわせてもらえているような、そんなどこか温かい気持ちにしてもらえたからでした。


仕事を辞める頃。 そんなことも、なくなっていましたけれど。