東京タワーを下から見たい。
それはぼくの希望だった。最近読みなおした中村航の小説
「僕の好きな人が、よく眠れますように」。このラストシーンが東京タワー
なのだ。大晦日、妹と初詣がわりに東京タワーでカウントダウンを見ている
主人公が彼女の待つ北海道に行くかどうか、決心するシーンだ。
東京タワーにはカウントダウンをみんなで見るような
そんなに広いスペースがあるんだろうか?
そんなくだらない理由じゃないけれど、でもライトアップされたそれを見る
のは、森厳だとか荘厳だとか…そんな有島武郎の文章とはなんの関係も
ないけれど、厳かな気分になってもいいやとか思ってしまった。
待ち合わせの友人と東京プリンスで落ちあったあと、案内は・・とくに
不要だった(目の前にタワーはあったから )けれど、並んで歩いて
いった。
いったい、どんな人が連休2日めの夜に、東京タワーに来ようと思うのだろう。
でもバスが来ていたり明らかに旅行者とわかる一団。そして
外国人。インド系がよく見えた。時代はBRICSということなの?
そうでもなく、欧米系も結構いた。
観光地なのだ。そして国内旅行の人たち。それほどカップルがいないのは
救いだった。
見上げる今日の東京タワーは、白いライトアップだけれど、まるで青と赤の
コントラストで、今までみた感じとはぜんぜん違っていた。スカートのように
広がる脚元で、タワーを見上げようと地面すれすれから撮るぼくは、
まるで小説の主人公とは違うけれど、なんだか得をした気分で
見上げて見ていたのでした。
Libera - You were there (Full Video)
タワーの中の食堂はたいしたことのなさそうで、人も多くそれはなんだか
イオンのフードコートを想像させた。それはそれで悪くないのだけれど、人が
多いのは困ったので、まわりに店がないか探すことにした。
食べ終わって、また御成門駅のほうへ戻る途中、坂を登って再びタワーに
出会う。それは今度は色を変えて真白なライトで飾られていた。
それはそれで、また違う姿だったけれど、白一色が荘厳に思えて
上海の東方明珠塔や、京都タワーや通天閣とは全然違って
ひとつのストレートな街の姿なんだと思った。
上海のTV塔はそれはそれで、パチンコやさんのネオンのようにチカチカして
どぎついものがあるんだけれど、上海の、浦東の、外灘のあの場所にある
ことで、上海のstylishな姿を象徴している。
東京タワーは、この色で東京styleを具現化している。
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