ゆっくりかえろう

散歩と料理

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チョイ悪オヤジ養成講座1

2015-12-26 | フィクション

 今月は忙しい。また本社に呼ばれた。

「おはようございます」

「この前の件はありがとう、おかげで私の顔がたちました」

 …いっているわりには顔は笑っていない。これは気を引き締めないと。

「今日は取引先の大事な方の接待をしてもらいます」

接待?そんなものしたことが無い。断ろうと思ったが そんな雰囲気ではない。

「下で小松君が車で待っていますから 彼から詳細を聞くように」

小松? どっちの小松だろうか? 本体?分身? 分身ならもう消滅している筈だ。

暗い駐車場まで降りると、分身の方の小松が歯を見せて笑っていた。

俺は内心ほっとしながらも 「よう、お前まだ生きてたのか」と精一杯の親しみを込めて言った。

生きててくれて とても嬉しい。

「お陰様で こないだの報告書が評価されまして 勿論猫又の所は人間に書き換えましたけど 報告書もですが、華岡さんと唯一組める人物 という評価をいただきました」

瓢箪から駒というべきか。俺は苦笑いした。

「勿論、分身の存在は誰も知らないので 小松氏の手柄になったのですが 結果 華岡さんと組むべき相棒に指定されたのです」

「それで急遽私の命が繋がりました」

よほど俺は小松氏に嫌われているらしい。俺と組むのはいやなのだろう。 

まあ、そのお陰で分身君が生かされているのだから 結果オーライか。 

とりあえず俺たちは車に乗り込んだ。    



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