「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

サッカー専用スタジアム、J2のほうが多いのではと思ったのですが・・・。

2016年07月31日 09時05分13秒 | サッカー選手応援

今朝は日本五輪代表がブラジル五輪代表と親善試合を戦いました。朝4時台の放送でしたが、寝床にいながら音だけ生放送を聴きました。点を入れられたところだけムクッと起き上がって見ましたが・・・。

昨夜、市立吹田スタジアムでの試合をみながら、J1チームのサッカー専用スタジアムのことを話題にしました。書き終わって寝床に入ってから「もしかしたらJ2のほうが専用スタジアムを使っているチームが多いのでは」と思いました。

というのは、J2チームは近年参入したチームが多く、Jリーグ参入条件の一つであるスタジアム規格を満たすために、整備されたところが多いのではないかと感じたからです。

そう思ってJ2各チームのホームスタジアムを調べてみましたが、全部調べ終わらないうちに、そうではないことに気が付きました。

せっかくですから、J2各チームのホームスタジアムを全部調べましたので、あげていきます。専用か兼用かを確認するまでもなく、スタジアム名でそれがわかる個所があることに気づいたのです。

北から順に、

1.札幌 兼用(厚別の場合)、 2.山形 兼用、 3.水戸 兼用、 4.群馬 兼用、 5.千葉 専用スタジアム、 6.東京V 兼用、 7.町田 町田市立陸上競技場(兼用) 8.横浜FC  専用スタジアム、 9.松本山雅 専用スタジアム、 10.清水 専用スタジアム、 11.金沢 石川県西部緑地公園陸上競技場(兼用)、 12.岐阜  兼用、 13.京都 京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(兼用)、 14.C大阪 兼用(ヤンマースタジアム長居の場合)、 15.岡山 兼用、 16.山口 維新百年記念公園陸上競技場(兼用)、 17.讃岐 兼用、 18.徳島 兼用、 19.愛媛 兼用、 20.北九州 兼用(2017年3月オープン予定の専用スタジアム建設中)、 21.長崎 長崎県立総合運動公園陸上競技場(兼用)、 22.熊本 兼用

以上です。スタジアム名で兼用だとわかる個所は名称をつけておきましたが、京都のスタジアム名が長いことには驚きました。なにもそこまでという気がしましたが・・・。

専用スタジアムの割合は4/22、つまり18%です。これほど少ないとは思いませんでした。つまりはJリーグ参入の際、座席数は増やしたものの既存の陸上競技場をそのまま使ったところがほとんどだったようです。J1チームの11/18、61%と比べると大きな違いです。

北九州が専用の新スタジアムを建設中ですが現在最下位、せっかく完成してもJ3降格となっては示しがつかない感じです。頑張って欲しいものです。

北九州のように都市規模が大きく有力企業も多い地域であれば専用スタジアムの建設も可能でしょうけれど、他の地域で陸上競技場とは別に球技専用のスタジアムを建設するのは、そう簡単なことではなさそうです。

それでもJリーグは100年構想で物事を考えています。あと10年後ぐらいにはJ2チームも現在のJ1チームぐらいの割合で専用スタジアムで戦うようになればと願いましょう。

 

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サッカー専用スタジアム、実は少しづつ増えている。

2016年07月30日 20時11分06秒 | サッカー選手応援

今日7月30日、現在の時間、Jリーグ後期6節が各地で戦われています。NHK-BSではG大阪vs広島戦が放送されています。

「市立吹田サッカースタジアム」と呼ばれる会場は、「万博記念」と呼ばれていた前のスタジアムとは雲泥の違いのようです。テレビの画面からも専用スタジアムのワクワク感が伝わってきます。

これでG大阪サポーターをはじめ関西のサッカーファンの観戦意欲は、格段に増したことでしょう。

私は何年も前から、日本のサッカー文化を豊かにしていく大きな要素として、試合会場を専用スタジアム化していくことをあげてきました。

それは、Jリーグ創設以前に、私が国立西が丘サッカー場で(いまは「味の素フィールド」と呼ぶようです)、まさに肉弾相打つ選手の息遣いを間近に聴きながら試合を楽しんだ体験を持っているからです。

Jリーグがスタートしてしばらくは、スタジアムとは名ばかり、観客席から選手が豆粒のようにしか見えない会場も多かったのですが、何年かの歳月が過ぎていくうち、実は少しづつ専用スタジアムが増えていることを感じます。

一つの契機は2002年日韓W杯だと思います。決勝の舞台となった「横浜国際」(現・日産スタジアム)はキャパが大きいというだけですが、なんといっても埼玉スタジアムができたのが誇りです。

W杯会場となった10ケ所の中では、他に神戸ウィンクスタジアム(現・ノエビアスタジアム神戸)が建設され、すでに専用スタジアムだった県立鹿島サッカースタジアムも、キャパ拡大のため改修されています。

それでは今年のJ1リーグ18チームのうち専用スタジアムで戦っているチームをレビューしておきたいと思います。

北から順に、

1.仙台 専用スタジアム、 2.鹿島 専用スタジアム、 3.柏  専用スタジアム、 4.浦和 専用スタジアム、 5.大宮 専用スタジアム、 6.F東京 兼用、 7.川崎 兼用、 8.横浜M 兼用、 9.湘南 兼用、 10.甲府 兼用、 11.新潟 兼用、 12.磐田 専用スタジアム、 13.名古屋 専用スタジアム、 14.G大阪 専用スタジアム、 15.神戸 専用スタジアム、 16.広島 兼用、 17.福岡 専用スタジアム、 18.鳥栖 専用スタジアム

こうしてみると、18チーム中11チームが専用スタジアムをもっています。東京・神奈川の4チームをはじめ関東甲信越の6チームが専用ではありません。たまたまでしょうか、共通する理由があるのでしょうか。

なかには横浜Mのように、以前は三ッ沢球技場(現・ニッパツ三ッ沢球技場)という専用スタジアムを使っていたのに、なまじ巨大スタジアムがホームになったが故、専用でなくなったチームもあります。

18チーム中11チームというのは、専用化が着々と進んでいる証しといっていいと思います。あと5年ぐらいしたら、どうでしょう。スタジアムの改修には莫大な費用がかかり、そう簡単なことではありませんが、さらにあと2つぐらい増えて欲しいものです。

まぁ、専用スタジアムであるかどうか、そのチームの強さとあまり関係だということは、今年の川崎、近年の広島、昨年までのG大阪などが証明しています。それでも、川崎、広島のサポーターは内心専用スタジアムが欲しいところでしょう。

専用スタジアムをもっていないチームのコアなサポーターたちが、アウェーの専用スタジアムに乗り込んだ時に感じる羨望感、これを少しでも早く取り除いてあげたいのですが、無力な私は、こうして書くしか術がありません。

以上、サッカー専用スタジアムの実情について書いてみました。

 

 

 

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また一つ「Jリーグオリジナル10」の灯、名古屋が消える? 

2016年07月25日 12時43分45秒 | Jリーグ・三大タイトル

Jリーグオリジナル10というのは、1993年にJリーグがスタートした時の参戦チームを呼ぶそうです。私はそのチームを「オリジナル」と呼ぶことに違和感を持っていて、過去にこの欄でも書き込んだことがあります。

むしろ「ファースト10」とか「スターティング10」と呼んで欲しいわけです。

それから23年間、一度もJ1から陥落したことのないチームは、徐々に減って鹿島、横浜M、名古屋の3チームだけになってしましました。

そして今年を終える頃には、おそらく名古屋のJ2陥落が報じられることでしょう。名古屋の純粋なサポーターの方からは「何と言うことを言うのだ、『サッカー文化フォーラム』はけしからん」とお叱りを受けそうです。もし、名古屋が残留を果たしたならば、その時はキチンとお詫び申しあげるつもりです。

けれども、今月中に名古屋の監督交代が決まらなければ、残留は難しいのではないかと思います。やはり物事には潮時とかリミットといったものがあるわけで、その最後の時期が「いま」ではないかと思うのです。

正直、先週土曜の後期5節終了後、名古屋から「監督交代」のニュースリリースがあるのではないかと、昨日、今日ネットを注視していますが、まだ、そのニュースは見ていません。

最近では、2012年シーズンのG大阪、昨シーズンの清水、そして今年は「名古屋よ、お前もかぁ」という感じです。

名古屋は2013年シーズン終了後、ストイコビッチ監督がチームを離れてから、また、昔の緩いチームに逆戻りしてしまったようです。2014年に西野明監督が就任して、優勝争い常連のビッグクラブへの道を歩むのではないかと期待していましたが、G大阪をそういうチームに育て上げた西野監督をしても「名古屋の緩さ」を打破できなかったようです。

では「名古屋の緩さ」とは何なのでしょう?「名古屋の緩さ」を形作っている要素は一つ、二つではないのだと思いますし、多かれ少なかれ他のチームにも言える部分があるかも知れません。

しかし、いまやJ1リーグ18チーム、世界で最も力の差が接近しているリーグと言う評論家もいるほど紙一重の戦いを演じているリーグでは、クラブ経営陣、監督を中心とする現場、そして選手の3本柱の一つでもガタガタの部分があれば、前年優勝争いしていたチームでさえも降格してしまうのが現実です。

今年の名古屋は3本柱のいずれもがダメになっていると言わざるを得ないでしょう。

世界ナンバーワン企業・トヨタに支えられた潤沢なクラブ資金を、クラブ強化に結び付けられないという昔からの悪癖が抜けていないという点も「緩い」ですし、「おらが街のチーム」という地元の熱いサポートを受けているが故に、選手が実力以上に「スター気分」「タレント気分」になっていく土地柄も「緩い」の一言でしょう。

そして監督としての力量云々より「チームの功労者」であることを監督選定の条件のようにしているクラブ経営陣の考え方も「緩い」そのものです。

実は、名古屋グランパスについては、過去2度ほど、この欄で触れたことがあります。かれこれ3年ほど前になりますが、クラブに対する心配と期待は、その当時と少しも変っていないので、ここで再録してみたいと思います。

一つは2012年12月13日の書き込みです。タイトルは「HDD化作業は、半年で400本を達成です」

これは、当時作業していた、1993年Jリーグ全試合ビデオの、HDD変換収録作業の中で、試合画像を見ながら思った、同年のリーグ戦についての書き込みです。

以下のとおりです。 

1993年シーズンの、チームの強さ弱さを分けた要因は何か、それを考えてみると「監督力」に行きつき、特に外国人監督もしくはヘッドコーチにプロサッカーの世界を制する力量の差を見る思いがしました。

(中略)

この年、名古屋が年間12勝24敗、浦和が年間8勝28敗ということで、年間1位チーム、2位チームの勝ち数、負け数とほぼ逆の結果でした。この2チームは監督の力量とチーム戦力、両方とも相当劣っていたということになります。

なにぶんJリーグ初年度。どの程度のチーム作りで臨めばいいのか手探りだったのだと思います。けれども、浦和、名古屋ともJリーグ屈指の資金力を誇るチームです。外国人監督を招へいしたり、実力ある外国人選手を呼ぶことは可能だったのですが、特に浦和はJリーグに参戦するにあたってのチーム作りを、監督人選も含めて読み誤ったということでしょう。なにぶん名門と言われたチームです。順送りで功労者を監督に据えていかなければOBが黙っていないといったタイプのチームだったことが、初年度の結果を招いたのだと思います。

以上のように書いています。1993年シーズン、浦和はクラブOBの森孝慈氏、名古屋は日本サッカー界の重鎮・平木隆三氏が監督を務めています。長丁場のリーグ戦を戦った経験という点では、ほぼ未経験の監督を据えたわけです。

今シーズンの名古屋・小倉監督、トップチームの指導経験なしに、いきなりの監督就任でした。クラブOBの功労者だからという理由なのでしょうか?

小倉隆史氏、選手時代は「モンスター」と呼ばれ1993年のJリーグ開幕の喧騒を見ることなくオランダに戦いの場を求めた日本サッカー界の期待のストライカーでした。

けれども、1995年2月のオリンピック代表候補合宿で大けがをしてしまい、アトランタ五輪もフランスW杯も出られずじまい、そして付いた代名詞が「悲運のストライカー」でした。私も2002年日韓W杯まで復活を信じて応援してきました。

選手引退後はTBSのサッカー番組「スーパーサッカー」のレギュラーを務めるなど、選手時代の悲運さを微塵も感じさせない明るいキャラクターが人気でしたが、今シーズン、いきなり監督就任のニュースが流れた時には驚きました。

彼のキャリアにキズがつかなければいいが、と思ったものです。まぁ、どちらかと言えば、自ら成績不振の責任を取る形で辞任を申し出て欲しいと思っています。

書き込みのもう一つは20131010日のものです。タイトルはNHK-BS ドキュメンタリー『宿命のライバル・マドリッドVSバルセロナ』に想う」です。

これは、前日に放送されたNHK-BSで「宿命のライバル・マドリッドVSバルセロナ」という番組を見て、日本サッカーにおける宿命のライバルはあるのか、ないのか? 将来、そう呼ばれるとしたら、それはどのチームか? といった興味で書き込んだ時のものです。 

以下のとおりです。

日本には、(レアル・マドリッドVSバルセロナのライバル関係はもちろんのこと)イタリアの各ダービーに匹敵するほどのライバル関係すら見当たらないから、むしろ、これからの長い歴史の中で、そういうチーム同士が生まれてくるかどうかというところだろう。 

Jリーグ20年の歴史をリードしてきたのは鹿島である。鹿島にはジーコという伝説となったシンボルがある。この先Jリーグで、ナショナルダービーと呼ばれるような関係が生まれる場合、今後20年ぐらいの中で、鹿島と同程度の実績をあげるチームが出ることが一つの条件になる。しかも、そのチームを強くしたカリスマが出ることも必要だろう。 

その場合、今後20年間、鹿島は、そのチームの後塵を拝することになるが、その後、覇権を奪回する時期が到来したら、その時一つの関係が生まれるに違いない。20年後、鹿島ともう一つのチームが激しく覇権を争う時代が来たら、それは立派なライバル関係と言えるだろう。 

10年前、鹿島と磐田が交互にJリーグ王者に就いた時期があったが7年で終焉した。磐田が、誰かの力によって復活して、ふたたび鹿島を凌駕する時代が来たら、というのも一つの楽しみだ。 

Jリーグでもう1チームあげるとしたら名古屋であろう。名古屋は、この20年でストイコビッチ(ピクシー)というカリスマを得た。そのストイコビッチはチームを離れることとなった。これまでのところ、チームにピクシーイズムといったものが植え付けられたようには見えない。また、ストイコビッチによって「名古屋のサッカー」といったものが確立したようにも思われない。

 もし、ストイコビッチが去ったのち、名古屋にピクシーイズム、名古屋のサッカーなるものが現れ出て鹿島を凌駕する時代を築いたら、という楽しみがないではない。なにしろ、名古屋は1993年5月16日の両チームにとっての歴史的なJリーグ第1戦、ジーコのハットトリックを含め5-0という屈辱的大敗を喫した試合からリーグの歴史がスタートしている。永遠のライバル足りうるドラマ性をはらんだチームなのだ。

以上です。

2013年10月の頃は、名古屋に対して大きな期待を持っていました。ストイコビッチが監督としてリーグ優勝にも導き、その後も優勝争いの常連になるのではという期待を抱かせた時期だったからです。

その名古屋に、長期的に見て「Jリーグの宿命のライバル」と呼ばれるチームの一翼を密かに期待したのですが、どうやら「勝者のメンタリティー」も「ピクシーイズム」もチームに根付いていなかったようです。

今年、ここまで来てしまった以上、あとはチームをどう立て直すかでしょう。G大阪が2012年に危機的状況に陥ったあと、見事にチームを立て直し、いまはもう、あの傷も癒えつつあるのではないかと思えるほどの回復ぶりです。

仮に名古屋がJ2に陥落しても、それはそれでしょう。大事なのは、そこからどう立て直すかです。これも前に触れたことですが、J2に陥落しても1年ですぐ戻ってきたチームは、その後、心配ないチームになっています。 浦和、広島、G大阪がそうです。

けれども1年で復帰を果たせなったチームのその後は厳しいです。ヴェルディ川崎(東京)、ジェフ市原(千葉)です。 今年J2を戦っている清水も正念場にいます。

いま名古屋には、さまざまなシミュレーションをしながら今年後半から来年に向けて、しっかりとした立て直しの青写真を描くことが求められていると思います。

今回は、以前の書き込みからの引用も交えましたので大変長くなってしまいました。

 

 

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Jリーグ放送権ビッグバン

2016年07月22日 18時25分01秒 | Jリーグ・三大タイトル

2016年7月20日、Jリーグの歴史において特筆されるだろうニュースが発表されました。このニュースを私は「Jリーグ放送権ビッグバン」と名付けたいと思います。

発表の内容は、すでに多くの方がご存じだと思いますが、2017年からJリーグ放送のメインを、従来のテレビ波ではなくインターネット配信によって行なうことするというものです。

これを「ビッグバン」と呼ばずして何と呼びましょうや。

もちろん、これまでのスカパーにしてもNHKなどの地上波、BS放送にしても、いわゆるテレビ波の放送が全てなくなるわけではないのですが、何と言っても全試合放送あるいは全試合ライブ放送がネット配信に置き換わるという点では、テレビ波時代の終焉といってもいい出来事です。

私は、世界の主要リーグで初めてJリーグがネット事業者と主契約を結んだ点を、世界に誇れる偉業だと思います。

いまや、スポーツ観戦もビデオオンデマンドの時代です。ネット経由でパソコン、スマホでどこでも見られる、この利便性にテレビはかないません。ますますネット経由で見るニーズが高まる流れにあります。

そういった潮流を見事にとらえる形でネット事業者と主契約を結んだJリーグ、それによって得られる巨額の放送権は、まさに先行者利益に他なりません。

10年という長期契約を結ぶことによって得られるメリットは、Jリーグ側もネット事業者であるイギリスの会社も計り知れないものがあるでしょう。

Jリーグの村井チェアマンは、今後の試合の視聴形態を「お茶の間から街にでる」と評したそうです。それは、とりもなおさず、テレビという、家などに定置された装置でサッカーを見なければならない不自由さから、モバイルタイプのタブレット・スマホなどで、どこでもサッカーが見られる自由を得たという意味です。

スタジアムにwifi環境が整えば、タブレットやスマホで試合解説を楽しみ、さらにはデータを確認しながら目の前の試合を楽しめるという、これまで夢だったことが現実になります。

このニュースが発表されたことで、さっそく巨額の放送権の使い道や、現在2ステージ制になっているリーグ戦のあり方などがサッカージャーナリズムの間で議論になっていますが、いずれ収れんしていくことでしょう。

我が「サッカー文化フォーラム&アーカイブス」は、Jリーグがスタートして以来20数年、Jリーグ試合の全試合映像収録をめざしてきました。

そして、それはテレビ放送との格闘の歴史でもありました。1993年のスタートから2年間はCS放送の「スポーツ・アイ」がそれを可能にしてくれました。その後、CS放送での全試合放送が途切れ、地上波それも全国のローカル放送局が流した試合映像を求めて、全国のサポーターの協力を得ながら何年かを凌ぎました。

その後「パーフェクTV」「ディレクTV」などでの放送を経て現在の「スカパー」による全試合放送に引き継がれてきました。

それもこれも、いわゆるテレビ波による「放送」でした。これからは「ネット配信」という形態に代わるわけです。一つの時代の終わりを迎えます。

当「サッカー文化フォーラム&アーカイブス」の収録活動も、役割を終えることになるのだと思います。寂しくもあり肩の荷を下す感じでもあります。

私は、さる6月21日の書き込みで「(Jリーグにおいて)明治安田生命との契約が終わったあとの2019年シーズンには、幾つかのクラブの、いわば不良債権が表面化しないだろうか、果たして財務改善は図れるだろうか等々。その年に向けて、どう対策をとっていくか、・・・・・・」と、Jリーグの近未来に一抹の不安をのぞかせました。

しかし、今回の契約によって、2019年以降2026年までのJリーグの展望も描けることになったと感じました。

またしても村井チェアマンの先見性、経営者としての構想力を目の当たりにしました。村井チェアマンをトップにしたJリーグ経営戦略の立案・意思決定のプロセスを、なんとしても、つぶさに知りたいものです。おそらく、それらについての、幾つかのレポートが徐々に上梓されることでしょう。楽しみにしたいと思います。

この「ビッグバン」ニュースと相前後して、2つの興味深いニュースが流れました。一つは世界中の人気を集めている「ポケモンGO」のニュース、モバイルゲームアプリの新しい時代の到来と言えるニュースです。

もう一つ、ひっそりと報じられたのは「VHFビデオデッキの国内唯一の製造メーカー・船井電機が生産中止を発表」というニュースです。

まさにアナログ時代の映像をしっかり記録し続けてきたVHFビデオデッキ、いまはもうブルーレイなどのデジタル録画機器にすっかり置き換わっていますから、新規に必要なものではないのですが、ビデオテープを保有しているマニアにとっては残念な、あるいは死活問題かも知れません。

当フォーラムにも、まだ膨大なビデオテープが残っていますから再生デッキが完全になくなってしまえばアウトです。でもまあ、中古も含めて、この先何年かはVHFビデオデッキが手に入るに違いないと高をくくっています。

その間に、いわゆる「HDD化」を進めて変換を終えたビデオテープを「長い間お疲れさん」といって廃棄処分にしようと思っている次第です。

VHFビデオデッキの生産終了、Jリーグ放送ののネット配信化、この2つのニュースは、まさに時代の転換を象徴する出来事なのかも知れません。

 

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2004リスボンの悲劇を、2016サンドニでフランスに引き渡したポルトガル

2016年07月11日 17時54分09秒 | 世界のサッカー

EURO2016決勝フランスvsポルトガル戦。一昨日の書き込みではクリスティアーノ・ロナウドの大会となるか、フランスの新しいスーパースター候補グリーズマンの大会となるかに焦点をあてましたが、試合は意外な結果で終わりました。 (ここからは翌日午前追記しました)

私は決勝当日、たまたま朝テレビをつけましたら、テレビ朝日の生放送が流れていました。前後半終了で0-0のまま延長戦に入るところでした。

中継アナウンサーの話を聞いてびっくりしました。なんとクリスティアーノ・ロナウドが負傷交代してしまったというのです。ケガの程度も心配でしたが、これだとフランスの有利は動かないと思われました。

けれどもアナウンサーは「ポルトガルはクリスティアーノ・ロナウドが退場したあと、団結しているように見えます」とコメントしていました。

そして結果は、延長後半にポルトガルが1点を奪うと、それを守り切っての優勝です。なんという結末でしょう。

この結果を見て私が思ったのは、ポルトガルが自国開催のEURO2004、決勝で伏兵ギリシャに敗れてしまい。開催国の初優勝を夢見てリスボンのスタジアムに集まったサポーターを悲劇のどん底に落としてしまった屈辱の記憶を、今度はサンドニの地で開催国フランスに引き渡したということです。

ポルトガルは、これで2004年の悲劇から解放され、フランスは、当分の間、この悲劇と向き合っていかなければなりません。フットボールの世界は、見ている第三者にとっては常にスペクタクルに満ちたシナリオのないドラマですが、当事者にとっては何と過酷な試練となることでしょうか。

我が日本代表は、かつて1993年秋に「ドーハの悲劇」を体験、4年後の1997年「ジョホールバルの歓喜」によって悲劇から解放されましたが、いずれも異国の地でした。これが仮に国内で、その試合の結果によってW杯出場権を得られるか失うかの瀬戸際という試合を迎えるとしたら心臓が締め付けられる思いです。

負けたフランス代表が、オランド大統領の慰労昼食パーティに招かれたニュースが今朝のテレビで流れてしました。大会MVPに選ばれたグリーズマンをはじめイレブンの顔は決して晴れやかではありませんでしたが、パーティ会場の外に詰めかけたサポーターから温かいねぎらいの声をかけられ、いくぶん笑顔を取り戻したようだとレポーターがコメントしていました。

15~16シーズンのサッカーシーンが、これですべて幕を閉じました。コパ・アメリカ決勝でアルゼンチンがチリに敗れた試合といい、今回のEURO決勝といい、結末を見終わったあとは、いろいろ複雑な思いが入り混じった気持になりました。

シーズンの終わり方というのは、その年によっていろいろ気持になるものです。13~14シーズンはブラジルW杯があってシーズンが終わったわけですが、準決勝で開催国ブラジルがドイツに歴史的事件ともいうべき大敗を喫して、最後はドイツが王者然として大会を制した年でした。

この時はドイツの強さにただただ放心状態というか、ドイツの強さをいやが上にも知らされてシーズンを終えた記憶が鮮明です。

さしずめ今年のシーズンは、メッシとC・ロナの明暗、そしてポルトガルからフランスに悲劇が引き継がれたことを記憶していくことになるでしょう。

(この項のタイトルを、最初のものから一部変更しました。ご了承願います。修正1回目7月12日午前、修正2回目7月15日午前)

 

 

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明暗くっきりメッシとC・ロナ。そして躍り出たグリーズマン

2016年07月09日 15時19分42秒 | 世界のサッカー

前回の書き込みから2週間空いてしまいました。コパ・アメリカは終わりEUROもファイナル直前まで来ました。

なんといっても明暗くっきりなのが、リオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドです。現在、サッカー界の世界最高峰に君臨する二人。

メッシはコパ・アメリカの優勝トロフィーを掲げられなかったばかりか、その10日後にはスペインの裁判所から脱税容疑について禁固刑の有罪判決を受けてしまいました。メッシの憔悴ぶりや、いかばかりでしょうか。

一方のクリスティアーノ・ロナウド、欧州チャンピオンズリーグのタイトルをとった勢いをEUROまで持ち込み、スペイン、イタリア、ドイツといった強敵が次々と脱落する中、自国ボルトガルを決勝にまで導きました。

まだタイトルには手が届いていませんがブックメーカーの優勝予想では強豪7ケ国のうち最低評価だったことを考えれば望外の活躍と言えるでしょう。もっとも欧州選手権に関しては過去5大会コンスタントにベスト8以上の成績を残している彼らにしてみれば「望外の活躍だと?バカ言うな、今度こそ優勝だ」と意気込んでいるのかも知れません。

EUROに関するブックメーカーの優勝予想ナンバーワンは、グループリーグ直前でも準決勝4チーム決定後もフランスでした。準決勝4チームではドイツと同率でしたから、この2つが激突した準決勝が事実上の決勝戦というのが大方の予想ということになります。

さて、そのフランス代表のエース、これまではカリム・ベンゼマでしたが彼は今大会、スキャンダルを起こしたことで招集を見送られていました。

そのため私は、ジルーというFWを名前だけ知っている程度の知識しかありませんでした。とうの昔に代表を引退していたフランク・リベリーを「今大会は出ないのだろうか」と思っていたぐらいです。

ところが、今大会、アントワーヌ・グリーズマンという選手が主役の座に躍り出ました。この選手、ブックメーカーのオッズでも得点王の第2位にランクされていた選手で、むしろ驚きでも何でもない活躍というわけです。

さらに私が自分の無知ぶりに気づいたのは、彼が所属しているチームが、私が最近信奉しているシメオネ監督率いるアトレチコ・マドリーの選手だということです。どうも、これまで選手の表記がグリエズマンだったりしていたことも影響したかも知れません(相当言い訳がましいですが・・・。彼自身はグリエズマンと呼ばれるべきだと話しているとかいないとか・・・。)

いまスカパーでは、5月まで行われていた欧州チャンピオンズリーグをグループリーグから2~3試合づつ再放送しています。グリーズマンはCLで7得点をあげており、中でも圧巻は準々決勝バルセロナ戦の2Lg、一人で2得点を叩き出し見事逆転勝ち上がりの立役者になりました。

これらも含めてスカパー再放送のチャンスをできるだけカバーしたいと思います。

このバルセロナ戦2Lgの直前予想で、戦いのキーマンにグリーズマンをあげていた日本人サッカージャーナリストを見つけました。小宮良之さんです。web版スポルティーバ掲載の2016年4月13日付けコラム「バルサ戦のカギ握るアトレティコのグリーズマン。『10クラブで落とされた』」がそれです。見事な慧眼です。ぜひご一読を。

ちなみに落とされた10クラブというのは最近のことではなく、13歳以前の頃、プロクラブの下部組織への入団の時みたいで、よくある「うまいけど小柄すぎた」という理由からのようです。

そのグリーズマン。メッシ、C・ロナのあとのバロンドール候補という声も出ているとのこと。今大会フランスが優勝したら、C・ロナを差し置いてバロンドール当確ということになるかも知れません。 注目です。

いずれにしても何年か後に「2016年6~7月がメッシ、C・ロナ時代の終焉時期」と言われるのは間違いないでしょう。少なくとも、バルセロナとレアル・マドリーという宿命のライバルチームで幾度となく覇を競い合った時代が終わりを迎えるでしょうから。

グリーズマンがメッシ、C・ロナ後のスーパースターの座を不動のものにするまでの最大の敵はケガです。まず、このシーズンオフ、ほとんど身体を休ませられないまま新シーズンに突入しなければなりません。

これまでもスーパースター候補生が何人も、この魔のシーズンオフのせいで脱落していきました。ただただグリーズマンがケガをせずに次のオフまで持ちこたえて欲しいと願うばかりです。

もう一つ、グリーズマンが乗り越えなければならない壁。それは大舞台の修羅場ともいえるPKの場面です。5月のチャンピオンズリーグ決勝レアル戦、これを決めれば同点に持ち込めるという場面で得たPKを任されたグリーズマン。真のエースと呼ばれるかどうか最終選考のような、このPKを決めることができませんでした。

これが初めての大仕事でしたから、やむを得ないと言えるかも知れません。けれども、次は決めなければならないでしょう。そういう強いメンタルを持つこともスーパースターの条件だからです。そういう彼に対して、アトレチコは2020年までの現行契約をさらに1年延長したそうです。

その契約延長を発奮材料にしたのかどうか、フランス代表ではEURO準決勝のドイツ戦で、先制できる絶好の場面でPKを任されて、見事に決めてみせ、重圧から解放された後半には自ら得点して、難敵ドイツ撃破の立役者になりました。スーパースターの階段を一歩登ったのかも知れません。

欧州CL準々決勝のバルセロナ戦2Lgといい、EURO準決勝のドイツ戦といい、まさに天王山とも言うべき大一番で輝けるという点では、スーパースターの資質を十分備えているようです。

このあとも、彼がメンタルトレーニングなどのサポートを得て、どんな場面にも動じない強靭な精神力を培うことを期待しましょう。

それにしてもメッシはどこへ行くのでしょう。バルサ残留なんていう選択肢があるのでしょうか? そしてC・ロナ、モウリーニョが監督に就任したマンUへの復帰?といった噂がないではありませんが、それこそEU離脱問題が影響しそうなプレミアリーグです。視界不良のリーグになりつつあります。

さぁ、EURO2016が終われば、次はリオ五輪サッカー日本代表戦、そしてロシアW杯アジア最終予選と、再びジャパンブルーに熱くなる時が来ます。

いつまでも若々しいのに、いつの間にか50歳台になっている川平慈英さんのフレーズを拝借して若々しく「クーッ!!!」です。 

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