無線脳の視点

無線関係のモノ・ヒトに毒された日常を地味に書いてみる。

アイコム、一部無線機器用リチウムイオン電池パックに不具合が発生し、自主回収へ

2014年11月11日 | 無線機器
業務用無線機器を使う側からすると、電池パックは言ってみれば生命線。
どっか現場に行ったら、のんびり充電できるような環境は少ないから、最初に無線機本体に装着して使う分と、予備の電池パックを持って行くことになる。
しかし、その電池パックのお値段がどうもお高い。インクジェットプリンター的な、消耗品を売ってナンボの商売なのか?と思えるぐらい高い。「1個16,000円ですが何か?」とか平気で言いやがる。それじゃあ、最初にセットで売っている無線機本体は一体いくらで出来てるんだ?とも言いたくなるレベルだ。

業務用無線機器のマーケットそのものが一般人からすればあまり一般的ではないから、わざわざ非純正互換品を作って儲けようという業者も少ないし、あったとしても、成型や中身の電池そのものが怪しくて、品質に当たり外れのあるような海外製互換電池では、命を委ねる訳にもいかない。このあたりは値段とリスクの天秤は難しい問題である。(互換電池をメインで使って保険的予備に純正品を持っておくという考え方もあるにはあるが)

じゃあ、メーカーの純正品だから、信頼性は高いはず・・・だよな、と思いきや、知り合いの業者さんから、「確かそちらにアイコムの業務機、何台かありましたよね?」との電話連絡をもらった。担当者の話によると、アイコムから「業務用リチウムイオン電池パックの自主回収に関するお知らせ」なる発表があったようで、そうなんですかと確認をしてみると、アイコムのホームページには、

-----
さて、弊社が販売いたしました業務用無線機に装着されたリチウムイオン電池パックにつきまして、2003年6月より2006年10月までの期間に製造されましたもので、7年以上ご使用された一部の対象品にて、充電時の異常発熱、破裂に至る事象が数件確認されました。
お客様にはご不便、ご心配をお掛けしますが、対象品につきましてはお客様に安心して無線機をお使いいただくため、無償交換の対応をさせていただきます。
交換をご希望のお客様は、ご購入頂いた弊社製品取扱販売店へお申し出ください。

回収対象のリチウムイオン電池パック
品 名  製造番号
BP-220  000306 ~ 000401
BP-220L 000311 ~ 000610
BP-233  000312 ~ 000608
-----

今回の回収の対象となった製造番号は、個体そのものの連番ではなくロット番号のようなので、同じロットの中でたくさん対象品が発生していることだろう。電池に記載されている数字と、上記の無償交換の対象の記述から連想すると、

品 名  製造番号
BP-220  000306 ~ 000401 (2003年06月から2004年01月)
BP-220L 000311 ~ 000610 (2003年11月から2006年10月)
BP-233  000312 ~ 000608 (2003年12月から2006年08月)

まぁこんな感じだろう。

今までの考え方で言えば、世界中に何千個、何万個と出ている無線機や電池パックのうち、その何個かで発生したトラブルに対して、個別に手厚い対応をして終わらせても良かったのだろうとは思う。だけど、良・不良の判断が難しい、セルの製造不良確率に対してのこの回収対応は、もはや英断と言って良いだろう。さすがは世界を相手に商売しているメーカーだけのことはある。(褒めてます)

まぁ、普通に仕事で無線機を使っていれば、その当時の電池パックはとっくに電池寿命を迎えているだろうから、今でも使い続けている絶対数はそう多くはないだろう。
と言いながら、私の管理下にある無線機を探してみると、回収対象品、発見(笑)



ハズレと言うべきかアタリと言うべきか。
ハイ、ハーイ!交換希望~

-----
2015/3/4 追記



発表からずいぶん時間が経過したけど、お世話になっている業者さんからバッテリーが到着。
写真右が回収されたバッテリーの入っていた箱、左が今回交換してもらったバッテリーの箱。商品として横流ししても分かるようにしてあるのか、箱には何も印刷されていない。
来たバッテリーは、BP-220N 定格7.4V 2660mAh 20Wh

電池が新しくなってくれて、ちょっとうれしい。