無線脳の視点

無線関係のモノ・ヒトに毒された日常を地味に書いてみる。

カーメイト製「USB電源 スイッチホールタイプ」の特性を調べる

2014年05月23日 | くるま
「お、これは便利そうだ」
と一目ボレして、カーメイトが出しているクルマ用USB電源を買ってみた。

クルマのシガープラグに差し込んで使うタイプのUSB電源は各社からたくさん種類が出ているけれど、シガープラグと差し込む場所そのものが大きいし、他に使いたいモノがあってシガープラグのソケットから分岐して使うとなると、結構邪魔な存在だ。
こいつは、クルマのダッシュボード周辺にあるスイッチパネルで、使っていない穴のところに取り付けて、「アテクシ、このクルマに元から付いてましたが、何か?」という雰囲気を醸し出す、クールなアイテムなのだ。


品物のパッケージと、車両側にある取付予定位置

取り付ける前に、「コイツはざっと特性を調べておく必要があるわな」ということで、毎度おなじみの測定をしてみた。
電源電圧の設定は、クルマではごく一般的な13.8Vで行った。


電源を接続し通電、無負荷の状態。
この画面では、2.31mA(ミリアンペアですよミリアンペア!)
電気が来ているときは常に青色LEDを点灯させているから、言ってみれば待機電流という感じ。


Google Nexus7を接続。
条件:電源オン・画面オン・Wi-Fi接続状態
安定して130mAぐらい。


iPhone5Sを接続。
条件:充電中・画面オフ・Wi-Fi接続状態
65-85mAで電流の振れ幅あり。


iPhone5Sを接続。
条件:充電中・画面オン・使用,操作状態・Wi-Fi接続状態
100-200mAで電流の振れ幅あり。
平均すると、だいたい140mAぐらいかな。

参考まで、充電完了・画面オフ・Wi-Fi接続状態だと、
35-50mAで電流が振れるものの、振れ幅は安定。


上記のように、クルマ用の電装品の一つである室内灯(例えば12V5W電球:約410mA)などから考えると、このUSB電源は通常考えられるような使用状態でも電流は半分以下、何も接続しない無負荷の状態だと、電流はまぁ無視できる程度だ。
で、ふと気になったのは、「もしUSB電源を使いすぎてヒューズが飛んだらどうする??」「またクルマの内装をバラせってか?!」ってことなのだけど、このUSB電源には、本体とは別に、電線の先にヒューズボックスのようなものが付いていて、どうやらここがリミッターの役目をしているようだ。当然ながら開けて中身を確認してみる。


もしもの時の放熱対策なのか、スリット入りのケースの中に容量大きめな整流用ダイオード 1N5406 が一本あるのみ、ヒューズは無し。


これをどのように解釈するかなのだけど、回路の特性上、負荷側で5V2A以上はどう考えても流れないという前提の変換回路っぽいし、もし大電流が流れたとしても「その時はその時で、整流ダイオードさんは壊れてくださいね(はぁと)」という感じ。
USB電源本体の値段も値段だし、これはまぁ設計側からすればコストも含めて無難な考え方だろう。ただ、このUSB電源、クルマに取り付けること自体がメンドウなのが難点である。


いろいろ考えたけど、結局、電源を取る場所はオーディオのアクセサリ線(ACC)から取った。

写真は、左から、
・オーディオ部を取り外した様子(画面中央の赤い部品が電源を分岐して取った場所)
・外したフタと、今回取り付ける本体
・スイッチパネルの裏側の様子


取り付け完了の状況

まぁキレイ(笑)
世の中のニーズとして、こうしたUSB電源は今後、クルマの車内の標準装備として装備されることになっていくであろう。


今回取り付けたもの

 品 名:USB電源スイッチホールタイプトヨタ用S
 品 番:ME117
 調達先:密林系通販

ドライブレコーダーのスプリアス(通称:毒電波?)を見てみる

2014年05月07日 | 無線系全般
先日、某密林系通販サイトでユピテル社のドライブレコーダー「DRY-mini1」を調達した。
いろんな評価サイトやらクチコミなどをざーっとチェックしてみて、値段は安いし小さいし評価もまぁ値段の割には良い感じだったのだ。
しかし、クルマにコレを取り付けたらGPSの信号が受信しにくくなったり、地デジテレビなどが映りにくくなるのは気分が悪いので、このドライブレコーダーからスプリアス輻射が出ていないかどうかを確かめてみた。
某クチコミサイトや巨大掲示板によると、このスプリアス輻射は通称「毒電波」と呼ばれており、ラジオやテレビ、GPSの受信測位に影響を与える場合があり、主に、安かろう悪かろう系の品物が「毒電波」を出す傾向にあるらしい。

さて、このDRY-mini1だが、「今何かと話題になっているし、ドライブレコーダーを導入してみようかな?」という初心者にとっては、機能は十分過ぎるほどで、画像はキレイだし、特殊なソフトや専用ソフトが無くてもWindows7なパソコンであればファイルがそのまま見れるので、「いろいろいじらないし、撮りっぱなしで十分!」という方にはもってこいだと思う。(ま、何かあったときはすぐに電源を切らないといけないけど)

では、早速、DRY-mini1をチェック!


細かい説明はさておき、今回のチェック環境は、アドバンテスト社製スペクトラムアナライザ R3131A に受信用のホイップアンテナを直付けして、そこにドライブレコーダーをくくりつけただけの超!簡易な方法でやってみた。(注:正規のノイズ測定方法ではない)



これ↑は、DRY-mini1の電源がオフの状態。
そして、電源を入れてみると・・・



お、何やら信号がガツガツ立ったぞ?!
ドライブレコーダーは、言ってみればAV機器であり、当然ながら機器からノイズは出てしまう。このように、電源オンと同時にノイズフロアも上がりましたが、ノイズフロアがちょこっと上がったぐらいでは何ら妨害を与えるようなことにはならない。(何せ、実験環境がアンテナにドライブレコーダーをくっつけた状態だし)
とは言うものの、ちょっと340MHz周辺を中心としたところと、携帯電話の帯域の上のあたりにちょっとノイズが出てるねぇ。
でも、皆さんが最も気にするGPS信号があるあたりの1575MHz帯は、ノイズレベルに変化はあまり無いみたい※。よって、この機種はGPS信号の受信には影響を与えていないと判断できそうだ。(※この個体では、という意味です)


GPSの電波である1575MHzの周辺を見るために、スペアナの中心周波数を1500MHzにして表示。
写真左:DRY-mini1電源オフ 写真右:DRY-mini1電源オン


340MHz周辺で出ている信号はこんな感じ↑
写真左:DRY-mini1電源オフ 写真右:DRY-mini1電源オン



ついでに、盗聴器発見機を兼ねている簡易周波数カウンターに当ててみたけど、反応無しだったので、全体的に見た感じでは「これ!」といった強くて代表的な信号は出ていないものと思われる。

また、この機種に限らず言えることは、ノイズが発生する原因はUSB-5V電源の質もあるのでは?という感じ。
電源部分そのものが発振していて要らないノイズを作り出している可能性があるので、原因不明のノイズで悩んでいる方は、対策として、USBの5V電源をいろいろ取り替えてみるのも良いし、本体に近いところでフェライトコアに電源線を巻いてみるとか、試験的に乾電池で動かしてみる・・・というのも良いだろう。

ついでに、細かいスパンで追いかけてみたら、420MHzで信号が立っているのを確認。


420MHzあたりで電波が強いと、レーダー探知機の機種によっては、「何か受信した!」とかしゃべるかも知れないけれど、設置場所が直近でなければ大丈夫だろう。


今回のオチ。
このスペアナは、ビットマップ形式の画面コピー画像がフロッピーディスクに保存出来るのだが、気持ちよく測定状況をFDに保存していたのは良いが、作業後、フロッピーディスクが読めるパソコンが無いことに気付いた。これも時代なのか。
実験では、ドライブレコーダーのオン・オフ状況を、周波数の低いところから100MHz帯域ごとに保存したのだけど。

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2014/5/8 追記

ジャンク箱から外付USBフロッピーディスクドライブを発掘し、FDに記録した画像を取り出してみた。
ざっと見た感じでは、GPS電波はもちろん、FMラジオ帯やテレビ帯へのスプリアス輻射(毒電波)は出ていないと推察
(注:この測定結果の画像は、簡易(テキトー)な測定方法で行ったものであり、製品の良・不良を根拠づけるものではありません)

  
画像左:DRY-mini1電源オフ (SPAN 500MHz,CENTER 1500MHz,MARKER 1575MHz)
画像右:DRY-mini1電源オン (SPAN 500MHz,CENTER 1500MHz,MARKER 1575MHz)


  
画像左:DRY-mini1電源オフ (SPAN 100MHz,CENTER 350MHz)
画像右:DRY-mini1電源オン (SPAN 100MHz,CENTER 350MHz,MARKER 336MHz)


  
画像左:DRY-mini1電源オフ (SPAN 100MHz,CENTER 100MHz)
画像右:DRY-mini1電源オン (SPAN 100MHz,CENTER 100MHz,MARKER 65MHz)