FOSS4G 2010 Osakaの2日目は土曜日開催で、KOFは朝から熱心な人が集まって賑わう。
一昨年から、土曜日の午前中は、FOSS4Gの会場を使ってジオメディアサミット西日本が開催されていたが、今年はジオメディアサミットの「本体」は12月17日に京都のはてなで開催されることになった。そのため、この場では「ジオメディアサミット西日本ミニイベント」として、ライトニングトーク大会が開催された。
ロカポ、ジオどすで知られる、上田さんによる企画、司会のもとで、5分刻みのライトニングトーク大会が始まった。
ミニイベントの主催者の上田さん
そして、ライトニングトークといえば、かやまさんなので、やはりかやまさんに登場してもらって49ものFOSS4Gツールが満載のOSGeo4W紹介という、名人芸を見せていただいた(もちろん、全部紹介できるわけ無いけど・・・)。
ここで、日本のFOSS4Gをシンボリックに表す「モラモラ」キャラクタのデザイン秘話を紹介した古橋さんからのライトニングトーク、あれれ?右側のちっちゃい女の子は誰???
史上最年少ジオドル現る!?
ジオメディアサミットが2008年1月の新年会からスタートしたことを知る人は少ないかもしれないが、その故事にちなんで、昨年同様に参加者で懇親会ランチを楽しんだ。
ジオメディアサミットと言えば懇親会です!
午後からは、FOSS4G 2010 Osakaの2日目が始まる。まずは、我らが隊長による挨拶。実は、ここで初めてすてきな奥様とかわいい娘さん二人に会う。私のところみたいに、男の子二人もいいけど、女の子二人もいいなぁ・・・
ラガワン先生による挨拶
さて、基調講演はPaul Ramsey氏から始まった。東京の演目とは違い、State of PostGISと題して、PostGISの最新状況を聞く。この場にはPostgreSQLユーザー会の石井さんも聴講された。
Paul Ramsey氏
最初にPostGISのコードを書いたのはこの黄色の丸の人(名前を忘れました)
将来構想を説明し始めて、バージョン名がXP、その次はVistaになっている(笑)
将来構想!
PostGISは、商用GIS製品が次々にサポートしている。これを見ると、いかにPostGISが偉大なツールであるのかがわかるだろう。
2006年から2008年まで
2009年から2010年まで
ここでPaul氏から問題提起。日本からのコミッターがいないよと。英語は心配ないよ、メーリングリストはゆっくりだよ、ソースコードは共通語だよ、西洋人は滅多なことで失礼だなんて思わないよ・・・と、強烈なラブコール。みんな、どうする?
ところで日本の皆さん、どうしたの?
ブラジルからのLuiz氏は、東京都同じ内容の発表。デモを見せたかったとのことだが、(さっきは動いたのに)こういう時に限って動かないと、残念がっていた。そういう経験って、皆さんもありますよね。
Luiz Motta氏
最近ブレーク中のZOOプロジェクト。Geraldさんからの説明+日本語訳のスライドがついていて、わかりやすい。興味を持つ技術者が多かったのか、あとでもっと具体的に突っ込んだ話が聞きたいという意見がちらほら。
Gerald Fenoy氏
東京でも同じ題目での公演をされた、国土地理院の鎌田さん。東京よりもプレゼンに磨きが確実にかかっており、なるほど鎌田さんの地元は関西。水を得た魚のよう。
国土地理院の鎌田さん
昨年にもgoGPSの発表がされたのだが、さらに実用性が高まっていて、ビジネスパートナーも現れている様子。今後に期待。
Eugenioさん、あご髭が特徴
東京都同じ、OpenVRPの説明。実は、午前のライトニングトークで、鳥取大学に移られたばかりの伊藤さんからの鳥取の鉄壁のバスナビシステムの話があったばかりで、公共交通のあり方を変えるというビジョンと、すでに稼働しているシステムとの間をつなぐロードマップがあるといいなと思った。
ジオリパブリックの関さん
農研機構の寺元さんは、PostGISの翻訳サイト、基盤地図情報WMSで多数の人がお世話になっていると思うが、Androidで動作するWMCビューワについての発表。機構の事情によってオープンソースでの開示がまだできていないそうだが、そのバックエンド周りはFOSS4Gを最大限活用しているとのこと。
農研機構の寺元さん
地理的可視化のためのWebAPIであるPostLBSの発表。基本的に東京都同じ内容なのだが、東京では買ったばかりのMacBookAirの使い方に慣れておらず、操作がぎこちなかったのだが、「使い方を練習してきた」だけあって、デモを入れても持ち時間に完全に収まる模範的なプレゼンになった。
オークニーの小池から
今年から団体会員としてスポンサーになっていただいた広島のパイプデザインの邑楽さんによる下水道のお話。FOSS4GとしてはMapGuide OpenSourceを使うのだが、ツール自体よりも、下水道の設備管理が大変なノウハウの固まりで、その一部を聞かせていただいて参加者みんなが「へぇ~」状態。
パイプデザインの邑楽氏
昨年度から、FOSS4Gを使って地球観測データの利用促進プロジェクト(通称「文科省宇宙利用プロジェクト」)が進んでいるが、東京だけでなく、大阪でも活動の紹介と前年度開発したツール等の告知活動を行う。また、JSTのプロジェクトの一環でのOSGeo4Wの日本語化についても、その説明を行う。
地球観測データのようなコンテンツは、それを利用できるツール群が整備されないとなかなか普及しないのだが、QGISやGRASSというすばらしいFOSS4Gがあり、それの日本語対応を行うことで、誰でも使えるようになる。OSGeo4Wの日本語化プロジェクトと併せて、FOSS4Gが「本物」として認知される時代に本格的に入ってきたと思う。
文科省宇宙利用・JSTのOSGeo4W
ところで、今回の大阪の参加者数であるが、2日間通してのユニーク参加者数は合計146名(一般参加者96名、ゲストスピーカ14名、運営スタッフ15名、学生スタッフ21名)となり、これまでにない賑わいを見せた。
東京が172名だったので、合計で318名。準備不足、資金不足など、様々な点で不利な条件にありながらも、過去最高の数のご参加をいただき、本当に感謝である。そして、カンファレンス準備と運営に公私の時間を問わず協力していただいたOSGeo財団のスタッフ、協力者の方にお礼申し上げたい。
(このブログを書いている今日)8日には梅田の大阪市大サテライトキャンパスで、ハンズオンセッションが開催され、こちらも多数の参加者で賑わったと報告を受けている。全体の会期を通して、いろいろ至らない点が多々あった(舞台裏では実際に多々あったんです・・・orz)ことをお詫びしたい。
このままでは国際カンファレンスの誘致などできない、体制を整え直さないといけないということもわかったという点で、学ぶところがたくさんあった。
一昨年から、土曜日の午前中は、FOSS4Gの会場を使ってジオメディアサミット西日本が開催されていたが、今年はジオメディアサミットの「本体」は12月17日に京都のはてなで開催されることになった。そのため、この場では「ジオメディアサミット西日本ミニイベント」として、ライトニングトーク大会が開催された。
ロカポ、ジオどすで知られる、上田さんによる企画、司会のもとで、5分刻みのライトニングトーク大会が始まった。
ミニイベントの主催者の上田さん
そして、ライトニングトークといえば、かやまさんなので、やはりかやまさんに登場してもらって49ものFOSS4Gツールが満載のOSGeo4W紹介という、名人芸を見せていただいた(もちろん、全部紹介できるわけ無いけど・・・)。
ここで、日本のFOSS4Gをシンボリックに表す「モラモラ」キャラクタのデザイン秘話を紹介した古橋さんからのライトニングトーク、あれれ?右側のちっちゃい女の子は誰???
史上最年少ジオドル現る!?
ジオメディアサミットが2008年1月の新年会からスタートしたことを知る人は少ないかもしれないが、その故事にちなんで、昨年同様に参加者で懇親会ランチを楽しんだ。
ジオメディアサミットと言えば懇親会です!
午後からは、FOSS4G 2010 Osakaの2日目が始まる。まずは、我らが隊長による挨拶。実は、ここで初めてすてきな奥様とかわいい娘さん二人に会う。私のところみたいに、男の子二人もいいけど、女の子二人もいいなぁ・・・
ラガワン先生による挨拶
さて、基調講演はPaul Ramsey氏から始まった。東京の演目とは違い、State of PostGISと題して、PostGISの最新状況を聞く。この場にはPostgreSQLユーザー会の石井さんも聴講された。
Paul Ramsey氏
最初にPostGISのコードを書いたのはこの黄色の丸の人(名前を忘れました)
将来構想を説明し始めて、バージョン名がXP、その次はVistaになっている(笑)
将来構想!
PostGISは、商用GIS製品が次々にサポートしている。これを見ると、いかにPostGISが偉大なツールであるのかがわかるだろう。
2006年から2008年まで
2009年から2010年まで
ここでPaul氏から問題提起。日本からのコミッターがいないよと。英語は心配ないよ、メーリングリストはゆっくりだよ、ソースコードは共通語だよ、西洋人は滅多なことで失礼だなんて思わないよ・・・と、強烈なラブコール。みんな、どうする?
ところで日本の皆さん、どうしたの?
ブラジルからのLuiz氏は、東京都同じ内容の発表。デモを見せたかったとのことだが、(さっきは動いたのに)こういう時に限って動かないと、残念がっていた。そういう経験って、皆さんもありますよね。
Luiz Motta氏
最近ブレーク中のZOOプロジェクト。Geraldさんからの説明+日本語訳のスライドがついていて、わかりやすい。興味を持つ技術者が多かったのか、あとでもっと具体的に突っ込んだ話が聞きたいという意見がちらほら。
Gerald Fenoy氏
東京でも同じ題目での公演をされた、国土地理院の鎌田さん。東京よりもプレゼンに磨きが確実にかかっており、なるほど鎌田さんの地元は関西。水を得た魚のよう。
国土地理院の鎌田さん
昨年にもgoGPSの発表がされたのだが、さらに実用性が高まっていて、ビジネスパートナーも現れている様子。今後に期待。
Eugenioさん、あご髭が特徴
東京都同じ、OpenVRPの説明。実は、午前のライトニングトークで、鳥取大学に移られたばかりの伊藤さんからの鳥取の鉄壁のバスナビシステムの話があったばかりで、公共交通のあり方を変えるというビジョンと、すでに稼働しているシステムとの間をつなぐロードマップがあるといいなと思った。
ジオリパブリックの関さん
農研機構の寺元さんは、PostGISの翻訳サイト、基盤地図情報WMSで多数の人がお世話になっていると思うが、Androidで動作するWMCビューワについての発表。機構の事情によってオープンソースでの開示がまだできていないそうだが、そのバックエンド周りはFOSS4Gを最大限活用しているとのこと。
農研機構の寺元さん
地理的可視化のためのWebAPIであるPostLBSの発表。基本的に東京都同じ内容なのだが、東京では買ったばかりのMacBookAirの使い方に慣れておらず、操作がぎこちなかったのだが、「使い方を練習してきた」だけあって、デモを入れても持ち時間に完全に収まる模範的なプレゼンになった。
オークニーの小池から
今年から団体会員としてスポンサーになっていただいた広島のパイプデザインの邑楽さんによる下水道のお話。FOSS4GとしてはMapGuide OpenSourceを使うのだが、ツール自体よりも、下水道の設備管理が大変なノウハウの固まりで、その一部を聞かせていただいて参加者みんなが「へぇ~」状態。
パイプデザインの邑楽氏
昨年度から、FOSS4Gを使って地球観測データの利用促進プロジェクト(通称「文科省宇宙利用プロジェクト」)が進んでいるが、東京だけでなく、大阪でも活動の紹介と前年度開発したツール等の告知活動を行う。また、JSTのプロジェクトの一環でのOSGeo4Wの日本語化についても、その説明を行う。
地球観測データのようなコンテンツは、それを利用できるツール群が整備されないとなかなか普及しないのだが、QGISやGRASSというすばらしいFOSS4Gがあり、それの日本語対応を行うことで、誰でも使えるようになる。OSGeo4Wの日本語化プロジェクトと併せて、FOSS4Gが「本物」として認知される時代に本格的に入ってきたと思う。
文科省宇宙利用・JSTのOSGeo4W
ところで、今回の大阪の参加者数であるが、2日間通してのユニーク参加者数は合計146名(一般参加者96名、ゲストスピーカ14名、運営スタッフ15名、学生スタッフ21名)となり、これまでにない賑わいを見せた。
東京が172名だったので、合計で318名。準備不足、資金不足など、様々な点で不利な条件にありながらも、過去最高の数のご参加をいただき、本当に感謝である。そして、カンファレンス準備と運営に公私の時間を問わず協力していただいたOSGeo財団のスタッフ、協力者の方にお礼申し上げたい。
(このブログを書いている今日)8日には梅田の大阪市大サテライトキャンパスで、ハンズオンセッションが開催され、こちらも多数の参加者で賑わったと報告を受けている。全体の会期を通して、いろいろ至らない点が多々あった(舞台裏では実際に多々あったんです・・・orz)ことをお詫びしたい。
このままでは国際カンファレンスの誘致などできない、体制を整え直さないといけないということもわかったという点で、学ぶところがたくさんあった。
Paulさんの発表はまだ見られてないのですが,日本に来てくれて,こういうラブコールをしてくれるのは,なによりもうれしいですね!
日本でも、PostGISのユーザーがどんどん増えているから、コミッターが出現するのは時間の問題だと、楽観的に考えています。