横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama

位置情報、地理情報に関するサービス、その他日常生活から思ったことを気ままに記す不定期のんびり日記

Boundlessが約6億円のシリーズBラウンドの資金調達

2015年12月11日 15時17分03秒 | OSGeo/FOSS4G
FOSS4Gビジネスをまさに牽引してきたあのBoundless(旧社名OpenGeo;本社はニューヨーク)が、約6億円のシリーズBラウンドの資金調達に成功した。
原文のプレスリリースはこちらである。

 彼らの事業は、「オープンソースビジネスモデル」の王道を行くスタイル。FOSS4Gのコアツール群を統合した「OpenGeo Suite」(これ自体はソースが公開されており、無償で利用できる)のプロフェッショナルサービスを、そのサービスレベルに応じて有償提供し、さらにそれを使ったシステムインテグレーションを行っている。

 このビジネスモデルは、事業を拡大するに連れてコストも発生するため、サブスクリプション主体のB2B SaaSビジネスモデルとは違って急成長は難しい。結果として投資家目線での魅力は低く感じられると思う。今回のファイナンスをリードしたのが事業会社のMotorola Solutions系である(Boundlessの顧客兼パートナーであると思われる)ことから、両社の事業シナジーに重点を置いた投資とみられる。

 リードインベスターであるMotorola Solutions Venture CapitalのCTO Paul Steinbergのコメントを読むとそれがわかる。

 「公共機関や民間企業が、日々の緊急対応や人やモノの展開を可能な限り効率的に行うためには、リアルタイムの地理情報は強力なツールである。当社の顧客はミッションクリティカルなデータをより良いものに変えるソリューションを求めている。Boudlessによるオープンソースのアプローチはこれらのイノベーションをずっと早めるのに役立つだろう」
(原文)
“Real-time mapping information is a powerful tool for our public safety and commercial customers who use it every day to respond to emergencies and deploy resources as quickly and efficiently as possible,” said Paul Steinberg, chief technology officer, Motorola Solutions. “Our customers are looking for solutions that turn mission-critical data into better outcomes for their businesses and agencies, and the open-source approach used by Boundless will help us deliver those innovations even faster.”

 そもそもこうした資金調達が実現した背景には、地理情報活用の市場が一貫として広がっていることが挙げられる。Boundlessはそのコアとなるツールのキーディベロッパーを雇用し、ツールを発展させてきたという実績は申し分ない。最近でこそは、MapBoxやCartoDBのような「地理情報クラウドサービス」系に脚光が当たりがちであるが、今回のBoundlessのニュースは、私にとっては大変嬉しい知らせである。

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