横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama

位置情報、地理情報に関するサービス、その他日常生活から思ったことを気ままに記す不定期のんびり日記

僕らはもう後戻りできないのだ

2012年10月20日 23時10分22秒 | 地理情報関連
 先月下旬にこのブログに投稿したiOS6地図の記事だが、実に多くの方々に反響を呼び、160万を超えるgooのブログでアクセス数が3位になるなど、思いもよらなかった状況を迎えた。その結果、いくつかの新聞社、雑誌、Webメディアの取材を受けるほどになってしまった。先日、日経電子版に掲載された記事は、私だけでなく、複数の識者への取材を行い、バランス良く今回の騒動の原因について説明されている。ぜひ、一読いただきたい。

 さて、私のブログは、主として地理情報系の興味とバックグラウンドを持っている人が読者の大半を占めていて(と、勝手に思い込んでいる)、地図の話題は世の中のニッチだと思いがちだ。しかし、今回の事態が物語っているのは、「未だかつて、これほど地図に関した話題がホットトピックになった時代があっただろうか」ということだ。

 iOS6の地図騒動は、アップルのCEOが謝罪までするという事態になったのだが、今やスマホにおける地図アプリは、誰にとっても欠かせないものになっていたことを如実に示している。誰だってコンビニやカフェを探して街中を彷徨いたくない。Googleのマップアプリが、それをものの見事に探し出してくれるので、すっかり僕らは無駄足をせずにすむようになった。スマホさえ持っていれば、どこにでも行ける、何でも探せるのだ。この便利さを体験した我々は、もう昔に戻ることはできないのだ。だから地図アプリは、間違いなく「キラー」なのだ。そして、大資本がしのぎを削って衝突する対象になったのだ。

 思い起こせば、私が社会人になった80年代後半、スーパーマーケットの駐車場を歩くと、地図帳を備えている車の割合は意外に少なく、2割もあればよい方だった。「地図なぞ使わないでもドライブできる」「迷ったら人に道を聞けばいい」という人が沢山いた。しかし、そういう人たちは今は絶滅危惧種状態だ。90年代後半以降、いったんカーナビの便利さを体験した人たちは、カーナビのない車を運転しようとはしない。というか、カーナビのない時代のドライブを、もう想像すらしない。あたかも、サーチエンジンの無い時代の、さらに昔にさかのぼるとe-mailの無い時代の仕事風景を誰も思い浮かべられないように。

 僕らはもう後戻りできないのだ。

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