横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama

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国土地理院が「住居表示住所」を提供開始

2011年01月29日 13時31分48秒 | 地理情報関連
 実は、10日も古い情報で恐縮だが、国土地理院が、「住居表示住所」の提供を開始している。

 住居表示情報をわかりやすく言い換えると、「号レベル」の住所ポイントだ。例えば、私の会社は横浜市西区みなとみらい2-3-5が住所だが、このみなとみらい2-3-5部分が住居表示で、今回提供されているのは、末尾の「5」レベル(号レベル)の情報だ。現時点では、横浜市,川崎市,名古屋市,大阪市のみだが、いずれ全国を対象にするとされている。国交省の「位置参照情報」に組み合わせることで、住所と緯度経度の対応の精度が飛躍的に向上することになる。

 このレベルの住所ポイントは、今まではゼンリンなどの大手の地図会社が独自に整備したものを購入する以外には入手の方法が無かったが、国土地理院の今回のデータは無償で提供される。用途によっては測量法にもとづくの承認を得る必要があるが、通常のアプリケーションでの利用ではおおかた許可されると思われる。貴重な一歩として住居表示住所の提供を心から歓迎する。

 と、いいことばかりを書いたが、日本の住所のうちで、「住居表示」がなされている地域は全国のわずかな割合に過ぎない。東京23区や大阪市はその大半が住居表示であるが、横浜市や名古屋市はそうでない地域が大変広い。住居表示されていない地域が「田舎」であるかというと、そうでもなく、例えば私の実家がある名古屋市名東区は、その大半が区画整理によって整備された市街地であるが、住居表示は全くなされず、町名地番整理によって住所表示が整備された。そのため、今後住居表示に変更される可能性も事実上無い。要するに、住居表示そのものは、日本ではマイナーな体系に過ぎないのだ。いったいいつになったら、(民間会社ではなくて)国が責任を持つ住所情報がデジタル形式で提供されるようになるのだろう。

 日本の住所システムは複雑で、大きくは住居表示と「筆」がベースになるそれ以外に分かれ、さらに京都の通り名のような特殊例的なものもあったりして、収拾がつかない。仮に住居表示されている地域であっても、登記簿のように、不動産の所有者を証明する際に利用される書類では、実際の「筆」に相当する住所表記がなされる。こういうことが、結果としてシステムやサービスの価格を高めてしまう。日本は歴史のある国なので、アメリカのようなシンプルな体系にするべきだ、というのは暴論であるが、国民1人1人に納税者番号制度を導入するような話しが着々と進んでいる中で、実際に国民が住んでいる「住所」が国のどこにも集約されていないことが大きく問題視されないのは、どこかバランスが取れていない。

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