FOSS4G 2010 Tokyo/Osakaは、今年も東大駒場第二キャンパスで始まった。
昨年と違って、リアルタイムに近いスピードでの報告ができなくて恐縮だが、手元の写真からいくつか報告。
1日目
さらにクオリティの進化が実現したポスター
実は、FOSS4G Tokyo/Osakaは、(ポスターセッションじゃなくて)告知ポスターのクオリティの高さにお褒めの言葉をいただいている。今年は、新たにスポンサー企業となった北海道地図様の気鋭のデザイナーの参加により、怒濤のポスター群を制作した。ちょっとではないクオリティを体感して欲しい。このページの下の方からも見られるのでぜひ。
開場前に揃った基調講演者
(左からPaul Ramsey, ラガワン先生, Gerald Fenoy, Luiz Mottaの各氏;もう一人Jeff McKenna氏は1日目夜に到着)
今年の講演者は、日本からを除くと北米、南米、欧州と地理的にさらに広がった。1日目は、このうちPostGISコミュニティのリーダーであるPaul Ramsey氏による講演が行われた。
日曜日でもあり、開始時刻の午後1時ギリギリになっても、人の集まりが今ひとつ(例年そうだが・・)。それでも、徐々に人が集まってきた。
受付の様子
毎年、私の挨拶でスタートするが、今年は思い切って英語による挨拶を行ってみた。FOSS4G国際カンファレンスの誘致をいずれは狙う日本支部としては、こういう場で度胸だけはつけておかないと・・・・・
さて、Paul Ramsey氏の基調講演は、2009年のシドニーで開催されたFOSS4Gでの”伝説”の名プレゼンをベースにアレンジされたものである。別ディスプレイに日本語訳のスライドも用意したので、参加者にその内容がよく伝わったと思う。オープンソースがキャズムを乗り越えられるかどうか・・という示唆に富んだ問題提起と解説は、私の仕事での課題でもあるので、何度聞いても意義深い。
昨年と同じく、1日目は「コミュニティデイ」と称して、FOSS4Gそのものではないけど、「ジオな人達2010」ということで、オープンでジオに関連のありそうなコミュニティから講演者を招いてお話をしていただいた。詳細はタイムテーブルをご覧いただきたい。
で、いつもなら、ここで講演者の写真を交えながら説明をするのだが、私自身が最初の挨拶で緊張しすぎたのか?何と1枚も撮影していないことに気がついたのは、懇親会の前orz すみません。
と言うことで、今年はこちらをどうぞ。
ジオな人達2010を聴いていて思ったのは、Google Earthがジオなクラウドとして完全に定着していること。特に若い人達は、これがあることを前提にスタートしているプロジェクトも多い。Google Earthどころか、GISすら無かった時代に学生時代を送った小生には、「嗚呼隔世の感」。あ、それから最近絶賛爆発中のジオドルがFOSS4G東京にやってくるなんて、世も末、いや時代が変わったなぁ。
懇親会
懇親会の様子
今年も懇親会は大盛況であった。初めて参加される方も多かったみたいで、間違いなくこのコミュニティは広がっていると実感。
懇親会でもライトニングトークが行われた。こちらも思ったのだが、FOSS4Gネタが次から次へと出てくるのには感心感心。みんなすごいなぁ。
ジオドルの皆さん、お疲れ様でした!
2日目
FOSS4G東京の2日目は「コアデイ」ということで、基調講演の他は、FOSS4Gの事例や技術発表を多数集めた。
ブラジルからLuiz Motta
日本から最も遠く、はるばるブラジルから2日間かけて来にしたLuiz氏による基調講演、政府機関に勤務する氏は、プロジェクト遂行のためにFOSS4Gの採用を決意し、QGISに新たな機能をプラグインとして開発して付け加えたという事例紹介。氏が強調したことは、オープンなコミュニティなので、成果をコミュニティに返すことができ、誰もがそれを享受できることの意義だった。
来日4度目となるJeff McKenna
2008年も来日公演を行ったおなじみのJeff氏。FOSS4Gカンファレンス部門の責任者として、バルセロナでの報告(WMSベンチマークの結果含む)、昨年度も大阪市大でOSGeo4Wの国際化プロジェクト遂行に関わり、その報告、さらに彼の「本籍」であるMapServerコミュニティのリリース計画など、30分間で盛りだくさんの情報提供。
GEOGridプロジェクトの報告
産業技術総合研究所(産総研)のGEOGrid開発チームでもあるオークニーの丹羽からの報告。このプロジェクトは、FOSS4GとOGCスタンダードがてんこ盛りであり、ここまで実装ができているものは他には聞いたことがない。今まで、実装の視点からの報告はされていなかったので、この発表が国内国外含め、初めてと思われる。
オートデスクの井上氏
われわれOSGeo財団日本支部にとって無くてはならない受付係(\バキッ)、いや副代表の井上さんからの発表。何故オートデスクがオープンソースとしてMapGuideなどを提供しているのか、という”謎”を解き明かす。Paulの基調講演でもあったが、すべてのIT企業はオープンソースカンパニーになっていくという流れで見ると、とてもすっきりと理解できる。今や、巨大なソフトウェアベンダーは、プログラム自体で商売するのでは無いということだ。
マップコンシェルジュの古橋氏
多彩な顔を持つ古橋さんの本業の一つ(全然説明ならん・・)であるマップコンシェルジュとして、OpenGeoの製品、OpenGeo Suiteについての紹介。9月のバルセロナでオークにと一緒にOpenGeo Suiteのリセラー契約をOpenGeoと交わして以来、初めての公式の場での説明(のはず)。この製品は現在ローカライズ中で、年内いっぱいを目処に仕上がる見込み。
応用技術の杢氏
オートデスク製品のソリューションプロバイダとしての実績が豊富な応用技術からは、MapGuideの体験サイト構築の開発事例を発表。オートデスクは製品としてMapGuide Enterpriseを販売しているが、コアプログラム自体はMapGuide Open Sourceと同一でもあるので、MapGuideでの開発計画のある人にとっては有益な情報となったはず。
北海道地図の朝日氏
北海道地図は開発拠点が旭川市にあるが、そこの開発チームからの事例発表。自治体への導入事例が着実に増えていることがわかりうれしい。大変オーソドックスなツールの採用で、無理や無駄がない。FOSS4Gの普及と浸透を実感する。
ライトニングトーク
5分間制限でポイントを伝えるライトニングトークは、話す方も聞く方も神経を集中させることができるのでとても面白い。
月の杜工房の山手氏
OSGeo財団日本支部の運営委員として、特に技術に造詣の深い山手さん。定型的な処理を行う場合、それ専用のUIを持ったツールを開発してしまった方が便利なことが多い。QGISはそのためのAPIを豊富に持っており、山手さんは、これを活用したツールの開発事例の発表。もうこれからは、デスクトップのカスタマイズアプリ開発はQGISがスタンダードになりそう。
オークニーの平敷
昨年度から「チームOSGeo」で進められている「文科省宇宙利用プロジェクト」の成果報告。衛星データを活用するために、高価なGISソフトが無くても大丈夫な時代にすべく、このプロジェクトは着々進んでいる。昨年度はGRASSとQGISのメニューの日本語化とWindows7インストーラ、利用チュートリアルを作成した。昨年度の成果は、こちらからダウンロードできる。
野村総研の植村氏
GRASS本の翻訳と自費出版で、日本のGRASSユーザーの敷居を大きく下げてくれた植村さん。現在氏を中心に、「FOSS4Gハンドブック」の執筆が進行中である。来年春頃を目指している(あ、事例紹介をしなくちゃ・・・)。ちなみに、GRASS本は順調に販売が伸び、もう680冊に。
GeoHexの笹田氏
GeoHexを知らない人は、最近のジオ業界のモグリといわれる位、今ブレーク中のオープンな規格。なぜGeoHexかって? 格好いいからですよ。六角形が・・・ と言うことで、笹田さんからはしゃべりは日本語、スライドは英語という、大変効率的なプレゼン。さて、Paulに聞かせて、世界進出の目処が立ったかな。
朝日航洋の嘉山氏
嘉山さんといえばライトニングトーク、といわれる位なのだが、このプレゼンはバルセロナと先週のGIS学会で20分枠で発表したものを5分で行うという、無茶振り系のアプローチ。ところが、来場者の大方の予想を大きく裏切り、時間を数秒余らせてすべてを終えた。また新しい伝説が生まれた。で、発表内容は、QGISをビューアとして、GRASSとpgRoutingを活用した洪水時の避難経路シミュレーションで、FOSS4Gでここまで実装できてしまえば、商用製品は不要ということだ。
ジオリパブリックのダニエル氏
昨年11月にオークニーから独立して、ジオリパブリックを設立したダニエルさん。pgRouting専門企業として忙しい毎日を送っているらしい。pgRoutingは、日本で開発が進められ、世界に認められている貴重なFOSS4Gプロジェクトである。嘉山さんの事例でもpgRoutingが使われているなど、国内での事例も着実に増えている。要注目!
セッション
国土地理院の鎌田氏
昨年のFOSS4G東京での、鎌田さんによる、電子国土をオープンソースで構築するという発表に沸いたのだが、今年はそのアップデート。既に開発は進捗していて、来年度の早い段階に世に出る模様。今までの電子国土の歴史を説明する際に、初号機、弐号機・・・と出てきたのには噴いてしまったorz
ジオリパブリックの関氏
ジオメディアサミットの主宰者でもあるシリウスラボの関さんは、ダニエルさんと同じジオリパブリックのメンバーでもある。OpenVRPは、オンデマンドの交通システムを実現するためのオープンソース(予定?)プロジェクト。多くの顔を持つ関さんだが、今回はその立場での発表。
オープンコンシェルジュの中村氏
NPO法人となったオープンコンシェルジュからは、オープンカフェシステムの説明。OpenGeoSuiteと一見似た感じにも見えるが、オープンカフェシステムはCMSまで含めた作りとなっていて、そこが味噌。それにしても、皆さん学生のノリで楽しそう。
オークニーの小池
PostLBSという、地理的可視化のためのWebAPIの説明。これは9月のバルセロナで発表した内容の日本語版。現在どこまでをオープンにするかどうか、オークニー社内で議論中。みんな出しちゃおうかな・・・という誘惑に駆られるのは何故なんだろうか?
防災研の田口氏
思わず突っ込んでしまった「相互運用により取得したハザードマップと人口統計データとWPSによる被害想定アプリケーションの開発」という長~いタイトル。さらに、所属も「独立行政法人防災科学技術研究所 防災システム研究センター」というこれまた記録的に長いのだが・・。これはかなり作り込まれたアプリケーションなのだが、FOSS4GとOGCスタンダードをフル活用して作られているというてんで要注目。
インタビュー
記念撮影に臨むPaul氏
2日間のカンファレンスの終了後に、Paulは月刊ASCII.technologiesの取材を受けた。PostGISの責任者として初来日ということもあり、PostGIS開発の歴史も含めたインタビューとなった。通訳はオークニーの村上が担当。
ということで、2日間にわたるカンファレンスは盛況のうちに終了した。
今年のユニーク来場者数は、10月31日が66名、 11月1日35名でTotal 101名。昨年が77名だったので、3割増加した。ゲストスピーカーとスタッフをあわせると、170名を超える規模になった。カンファレンスの企画、手配が昨年よりも半月以上遅れる中で、ギリギリの中でご協力いただいた皆さん、参加された皆さんに心から感謝。ありがとうございました!!
なお、11月2日のハンズオンセッションについては、別途報告予定。
昨年と違って、リアルタイムに近いスピードでの報告ができなくて恐縮だが、手元の写真からいくつか報告。
1日目
さらにクオリティの進化が実現したポスター
実は、FOSS4G Tokyo/Osakaは、(ポスターセッションじゃなくて)告知ポスターのクオリティの高さにお褒めの言葉をいただいている。今年は、新たにスポンサー企業となった北海道地図様の気鋭のデザイナーの参加により、怒濤のポスター群を制作した。ちょっとではないクオリティを体感して欲しい。このページの下の方からも見られるのでぜひ。
開場前に揃った基調講演者
(左からPaul Ramsey, ラガワン先生, Gerald Fenoy, Luiz Mottaの各氏;もう一人Jeff McKenna氏は1日目夜に到着)
今年の講演者は、日本からを除くと北米、南米、欧州と地理的にさらに広がった。1日目は、このうちPostGISコミュニティのリーダーであるPaul Ramsey氏による講演が行われた。
日曜日でもあり、開始時刻の午後1時ギリギリになっても、人の集まりが今ひとつ(例年そうだが・・)。それでも、徐々に人が集まってきた。
受付の様子
毎年、私の挨拶でスタートするが、今年は思い切って英語による挨拶を行ってみた。FOSS4G国際カンファレンスの誘致をいずれは狙う日本支部としては、こういう場で度胸だけはつけておかないと・・・・・
さて、Paul Ramsey氏の基調講演は、2009年のシドニーで開催されたFOSS4Gでの”伝説”の名プレゼンをベースにアレンジされたものである。別ディスプレイに日本語訳のスライドも用意したので、参加者にその内容がよく伝わったと思う。オープンソースがキャズムを乗り越えられるかどうか・・という示唆に富んだ問題提起と解説は、私の仕事での課題でもあるので、何度聞いても意義深い。
昨年と同じく、1日目は「コミュニティデイ」と称して、FOSS4Gそのものではないけど、「ジオな人達2010」ということで、オープンでジオに関連のありそうなコミュニティから講演者を招いてお話をしていただいた。詳細はタイムテーブルをご覧いただきたい。
で、いつもなら、ここで講演者の写真を交えながら説明をするのだが、私自身が最初の挨拶で緊張しすぎたのか?何と1枚も撮影していないことに気がついたのは、懇親会の前orz すみません。
と言うことで、今年はこちらをどうぞ。
ジオな人達2010を聴いていて思ったのは、Google Earthがジオなクラウドとして完全に定着していること。特に若い人達は、これがあることを前提にスタートしているプロジェクトも多い。Google Earthどころか、GISすら無かった時代に学生時代を送った小生には、「嗚呼隔世の感」。あ、それから最近絶賛爆発中のジオドルがFOSS4G東京にやってくるなんて、世も末、いや時代が変わったなぁ。
懇親会
懇親会の様子
今年も懇親会は大盛況であった。初めて参加される方も多かったみたいで、間違いなくこのコミュニティは広がっていると実感。
懇親会でもライトニングトークが行われた。こちらも思ったのだが、FOSS4Gネタが次から次へと出てくるのには感心感心。みんなすごいなぁ。
ジオドルの皆さん、お疲れ様でした!
2日目
FOSS4G東京の2日目は「コアデイ」ということで、基調講演の他は、FOSS4Gの事例や技術発表を多数集めた。
ブラジルからLuiz Motta
日本から最も遠く、はるばるブラジルから2日間かけて来にしたLuiz氏による基調講演、政府機関に勤務する氏は、プロジェクト遂行のためにFOSS4Gの採用を決意し、QGISに新たな機能をプラグインとして開発して付け加えたという事例紹介。氏が強調したことは、オープンなコミュニティなので、成果をコミュニティに返すことができ、誰もがそれを享受できることの意義だった。
来日4度目となるJeff McKenna
2008年も来日公演を行ったおなじみのJeff氏。FOSS4Gカンファレンス部門の責任者として、バルセロナでの報告(WMSベンチマークの結果含む)、昨年度も大阪市大でOSGeo4Wの国際化プロジェクト遂行に関わり、その報告、さらに彼の「本籍」であるMapServerコミュニティのリリース計画など、30分間で盛りだくさんの情報提供。
GEOGridプロジェクトの報告
産業技術総合研究所(産総研)のGEOGrid開発チームでもあるオークニーの丹羽からの報告。このプロジェクトは、FOSS4GとOGCスタンダードがてんこ盛りであり、ここまで実装ができているものは他には聞いたことがない。今まで、実装の視点からの報告はされていなかったので、この発表が国内国外含め、初めてと思われる。
オートデスクの井上氏
われわれOSGeo財団日本支部にとって無くてはならない受付係(\バキッ)、いや副代表の井上さんからの発表。何故オートデスクがオープンソースとしてMapGuideなどを提供しているのか、という”謎”を解き明かす。Paulの基調講演でもあったが、すべてのIT企業はオープンソースカンパニーになっていくという流れで見ると、とてもすっきりと理解できる。今や、巨大なソフトウェアベンダーは、プログラム自体で商売するのでは無いということだ。
マップコンシェルジュの古橋氏
多彩な顔を持つ古橋さんの本業の一つ(全然説明ならん・・)であるマップコンシェルジュとして、OpenGeoの製品、OpenGeo Suiteについての紹介。9月のバルセロナでオークにと一緒にOpenGeo Suiteのリセラー契約をOpenGeoと交わして以来、初めての公式の場での説明(のはず)。この製品は現在ローカライズ中で、年内いっぱいを目処に仕上がる見込み。
応用技術の杢氏
オートデスク製品のソリューションプロバイダとしての実績が豊富な応用技術からは、MapGuideの体験サイト構築の開発事例を発表。オートデスクは製品としてMapGuide Enterpriseを販売しているが、コアプログラム自体はMapGuide Open Sourceと同一でもあるので、MapGuideでの開発計画のある人にとっては有益な情報となったはず。
北海道地図の朝日氏
北海道地図は開発拠点が旭川市にあるが、そこの開発チームからの事例発表。自治体への導入事例が着実に増えていることがわかりうれしい。大変オーソドックスなツールの採用で、無理や無駄がない。FOSS4Gの普及と浸透を実感する。
ライトニングトーク
5分間制限でポイントを伝えるライトニングトークは、話す方も聞く方も神経を集中させることができるのでとても面白い。
月の杜工房の山手氏
OSGeo財団日本支部の運営委員として、特に技術に造詣の深い山手さん。定型的な処理を行う場合、それ専用のUIを持ったツールを開発してしまった方が便利なことが多い。QGISはそのためのAPIを豊富に持っており、山手さんは、これを活用したツールの開発事例の発表。もうこれからは、デスクトップのカスタマイズアプリ開発はQGISがスタンダードになりそう。
オークニーの平敷
昨年度から「チームOSGeo」で進められている「文科省宇宙利用プロジェクト」の成果報告。衛星データを活用するために、高価なGISソフトが無くても大丈夫な時代にすべく、このプロジェクトは着々進んでいる。昨年度はGRASSとQGISのメニューの日本語化とWindows7インストーラ、利用チュートリアルを作成した。昨年度の成果は、こちらからダウンロードできる。
野村総研の植村氏
GRASS本の翻訳と自費出版で、日本のGRASSユーザーの敷居を大きく下げてくれた植村さん。現在氏を中心に、「FOSS4Gハンドブック」の執筆が進行中である。来年春頃を目指している(あ、事例紹介をしなくちゃ・・・)。ちなみに、GRASS本は順調に販売が伸び、もう680冊に。
GeoHexの笹田氏
GeoHexを知らない人は、最近のジオ業界のモグリといわれる位、今ブレーク中のオープンな規格。なぜGeoHexかって? 格好いいからですよ。六角形が・・・ と言うことで、笹田さんからはしゃべりは日本語、スライドは英語という、大変効率的なプレゼン。さて、Paulに聞かせて、世界進出の目処が立ったかな。
朝日航洋の嘉山氏
嘉山さんといえばライトニングトーク、といわれる位なのだが、このプレゼンはバルセロナと先週のGIS学会で20分枠で発表したものを5分で行うという、無茶振り系のアプローチ。ところが、来場者の大方の予想を大きく裏切り、時間を数秒余らせてすべてを終えた。また新しい伝説が生まれた。で、発表内容は、QGISをビューアとして、GRASSとpgRoutingを活用した洪水時の避難経路シミュレーションで、FOSS4Gでここまで実装できてしまえば、商用製品は不要ということだ。
ジオリパブリックのダニエル氏
昨年11月にオークニーから独立して、ジオリパブリックを設立したダニエルさん。pgRouting専門企業として忙しい毎日を送っているらしい。pgRoutingは、日本で開発が進められ、世界に認められている貴重なFOSS4Gプロジェクトである。嘉山さんの事例でもpgRoutingが使われているなど、国内での事例も着実に増えている。要注目!
セッション
国土地理院の鎌田氏
昨年のFOSS4G東京での、鎌田さんによる、電子国土をオープンソースで構築するという発表に沸いたのだが、今年はそのアップデート。既に開発は進捗していて、来年度の早い段階に世に出る模様。今までの電子国土の歴史を説明する際に、初号機、弐号機・・・と出てきたのには噴いてしまったorz
ジオリパブリックの関氏
ジオメディアサミットの主宰者でもあるシリウスラボの関さんは、ダニエルさんと同じジオリパブリックのメンバーでもある。OpenVRPは、オンデマンドの交通システムを実現するためのオープンソース(予定?)プロジェクト。多くの顔を持つ関さんだが、今回はその立場での発表。
オープンコンシェルジュの中村氏
NPO法人となったオープンコンシェルジュからは、オープンカフェシステムの説明。OpenGeoSuiteと一見似た感じにも見えるが、オープンカフェシステムはCMSまで含めた作りとなっていて、そこが味噌。それにしても、皆さん学生のノリで楽しそう。
オークニーの小池
PostLBSという、地理的可視化のためのWebAPIの説明。これは9月のバルセロナで発表した内容の日本語版。現在どこまでをオープンにするかどうか、オークニー社内で議論中。みんな出しちゃおうかな・・・という誘惑に駆られるのは何故なんだろうか?
防災研の田口氏
思わず突っ込んでしまった「相互運用により取得したハザードマップと人口統計データとWPSによる被害想定アプリケーションの開発」という長~いタイトル。さらに、所属も「独立行政法人防災科学技術研究所 防災システム研究センター」というこれまた記録的に長いのだが・・。これはかなり作り込まれたアプリケーションなのだが、FOSS4GとOGCスタンダードをフル活用して作られているというてんで要注目。
インタビュー
記念撮影に臨むPaul氏
2日間のカンファレンスの終了後に、Paulは月刊ASCII.technologiesの取材を受けた。PostGISの責任者として初来日ということもあり、PostGIS開発の歴史も含めたインタビューとなった。通訳はオークニーの村上が担当。
ということで、2日間にわたるカンファレンスは盛況のうちに終了した。
今年のユニーク来場者数は、10月31日が66名、 11月1日35名でTotal 101名。昨年が77名だったので、3割増加した。ゲストスピーカーとスタッフをあわせると、170名を超える規模になった。カンファレンスの企画、手配が昨年よりも半月以上遅れる中で、ギリギリの中でご協力いただいた皆さん、参加された皆さんに心から感謝。ありがとうございました!!
なお、11月2日のハンズオンセッションについては、別途報告予定。
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