ただの映画好き日記

観た映画と読んだ本の自分用メモ。

文庫版 陰摩羅鬼の瑕 / 京極夏彦

2021-08-16 | 本 京極夏彦
文庫版 陰摩羅鬼の瑕 / 京極夏彦

講談社文庫 / 2006.9



存在しない犯人。それは鬼神だ。京極堂、「鳥の城」へ。

「おお! そこに人殺しが居る!」探偵・榎木津礼二郎は、その場に歩み入るなりそう叫んだ――。嫁いだ花嫁の命を次々と奪っていく、白樺湖畔に聳える洋館「鳥の城」。その主「伯爵」こと、由良昂允(こういん)とはいかなる人物か? 一方、京極堂も、呪われた由良家のことを、元刑事・伊庭から耳にする。シリーズ第8弾。





これはあまり好きじゃなかったですねー。
なんとか集めてきたって感じがしないでもなかったかな?
榎木津の失明も疑問だし、だからあまり活躍できないんだという設定も微妙だし、木場の使い方もギリギリっぽいし、何より、榎木津のお供がどうして病み上がり(?)の関口君なんだろう?とも思うし、冒頭の有名作家との出会いも突然過ぎるし、由良家の存在も存続している状況も、館も、それらすべてが浮ついている感じがしないでもないです。
ただ、関口君の使い方はよかったと思いました。
ですが、伊庭、木場、関口のエピローグ的なものですが、とってつけ感しか感じられなくて、これまでのシリーズのお話をぶち壊してしまったようにも思いました。

「位牌はただの板っきれ」というのが頭から離れません。
税金も払わないくせにいつからお寺は金儲けだけのビジネスになったんだろう?とちょっと思ったり…。
「人間は死ねばただのモノ」、そうなんですよねー、魂って本当にあるのかなー?死んでみなくちゃ判らないし、その判らないものに延々とお金を払い続けるってどうなんだろうなー?とちょっと思ったり…。
でも、ご先祖様がいなかったら今の私は存在していないという、それに、とても守っていただいているという、そういう感謝の気持ちは絶対に忘れたくないし、でも、その気持ちとお寺の金儲けとは直結しなければならないのものなのかなー?とどうしてもどうしてもスッキリしないのでした。
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