ふとんの中

トラブルは嫌いだが、考えるきっかけは愛そう。

かぐや姫の物語_ネタバレ感想

2013-12-15 22:51:09 | 日記
さっき見終えた。
帰り道あまりに皮肉な話でうひひ笑いしてた。
とりあえず心にたまった感想だだもらし。
構成はぐちゃぐちゃですがネタバレ感想。
未見の方はご注意下さい。





じじいがアホで姫あはれ。
ばばあもばばあで見てみぬふり。
崩壊は必然だった。

子供と言えど他人は他人。
他人の幸せの形を勝手に決めて型にはめた父。
そして進言を聞かない頭の固さ。
自分の決めた道の揺るがなさを信じる強い心。
この信じる強い心が毒になって姫を蝕んだ。
だがこの毒には愛も含まれているので、摂取しないわけにもいかない。
姫の逃げ道としてばばあがいたが、多少機能したものの、仮初であることがばれ、ますます崩壊の道へ。
姫の望んだものは「私だけを望み、愛してくれる、愛せる、永遠の愛」なんだろうけど、この時代の恋愛の仕方だと難しいだろうな。
というかそんなの現代にだってなかなかない。
それは公達に命じた宝と同等レベルの願いだ。
姫の天真爛漫さはしつけという毒にも薬にもなる仕掛けによって矯正されていく。
この場合は毒に作用した。

これは三人家族の崩壊物語。
月から地に落とされたのが罰だというなら、愛と毒を同時に喰らい、そして愛おしくも憎い、相反する気持ちになる事が罰だったんだな。
姫的には心を引き裂かれている訳だから、精神的な車裂きの刑に相当するのかも知れない。
罪になった要因は分からん。
走る原因になった「愛する父を揶揄する力のある人」と「愛する、だが私を閉じ込める父」は気持ち的に爆発するのは分かるけど、個人的には顔出ししちゃえば良かったのに。
そしたらスッキリする展開だったのに。皆ひれ伏すのに。
でも里に帰って絶望を味わうには走るしかなかったのか。
帝に後ろから痴漢された姫の顔は素晴らしい表情だった。
まさに「気持ちわりい、何こいつ死ね」
同じ女としてその吐き気に凄く感情移入した。
そして天狗あご帝の傲慢さが流石人間の王。
「おれに見初められたならこれ以上の幸せはない」という台詞は父と同じなので、こいつらは同族。幸せ型はめ族と名付けよう。

・父
父は形がだーい好き。
箱が立派であれば何でもおk。
そして姫の重大さを受け止め立派な箱を用意し、その中に丸い姫を四角に切り取って収納した。
切り取られる際姫はおそらく血を流しているが、鈍感な為それには気付かない。
この箱は家に相当する。
姫を守る為に堅牢な家が必要だったのは分かるが、その行動が姫の精神を殺す遠因になる。
・母
四角い家内部で小さな丸を作り、多少の空気穴にした。
だが小さいので延命するだけで根本的解決にはならない。
父と姫との板挟み。
・姫
たまたま月から来ていた帰る所があった人なだけで、普通の子供に置き換え可能。
形を重視する父に反して精神性を重要視する。
演技派。

そして崩壊を助長した要因の一つは登場人物が皆真面目すぎて息をついて毒抜きする場所がなかった為。
姫こそが最高級の位だった為に姫を翻弄できるほどのキャラクターがいなかった。
人に翻弄されるような精神はもうなかったかもしれない。

結論、現代劇だった。普通の一般家庭の崩壊物語だった。
家庭崩壊=子供がいなくなる
そりゃそうだよね。
嫌だと思ったら逃げるが勝ち。
まだ愛している描写で終っているけど、「一旦強く帰りたいと思ったら戻れなくなるスイッチ」がネックだった。
普通の子供の場合は強制介入はなかなかされない。
嫌だと思っても思いなおしたり、緩和されていく。
この場合緩和スイッチがなかっただけ。

家の内部に敵がいた。
これが根本だと思う。
姫の敵は父。敵は味方の顔をしている。
別にこの話だけではない、現実にもそんな事は沢山ある。
愛しているのに敵というのも気の毒だが、何を重視するかが違うだけでこんなことになってしまうなんて。

意外と毒のある話で面白かった。
映像は本当に美しかった。
(私が花や山に興味がなかった為)花を綺麗だと思えた。
四季のある山を綺麗だと思えた。
序盤のじじいの「ひーめ、おいで」の後のだっこが一番の泣き所だった。
美しい愛し方だった。


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