マインドマップを活用した読書感想文の書き方指導(5) 【①付箋活用+②あらすじ編】

マインドマップを活用した読書感想文の書き方指導。いよいよ本格的に書いていくステップに入ります。


【ステップ① 付箋の活用】

本を読むときに、ただページを開いていくだけでなく、足あとを残しておくことが大事です。そのために付箋を使います。
私の場合は、付箋に4つの効果を期待しています。

〔1〕記憶させる
本のページに付箋を貼っておくだけでなく、キーワードを書いてから貼るようにしています。少々手間がかかりますが、読後にマインドマップにまとめて、感想文を書くという作業を考えれば、ここで「キーワードを書く」という手間をかけておくことで、後の作業が楽になります。
「急がば回れ」ということわざ通りに作業をし、自分の頭だけでなく、付箋にも記憶をさせておくわけです。


〔2〕ガイド(しおり)として使う
キーワードを書いて貼ってある付箋は、マインドマップをかくときの「ガイド」となります。曲がりなりにも1冊の本を読んでいるわけですから、本にはさんであるキーワード付きの付箋を見るだけで、何が書いてあったのかを思い出せるはずです。もし思い出せなくても、付箋が貼ってあるのですから、そのページをもう一度読んでみることができます。


〔3〕整理するために使う
付箋にキーワードを書いて貼るという作業を通して、自分の脳の中で本の内容を整理する働きが生まれます。同じキーワードが何回も出てきたならば、それはもう感想文の中に書かなくてはならない言葉なのです。何度も何度も出てきた「キーワード」についてどう思ったかを書くだけで、作文が苦手な子でも100~300字は書けるのではないかと思います。


〔4〕効率をあげる
読みながら付箋を貼っていくという作業は、次にマインドマップ化するというゴール目的が明確にありますので、学習能率をあげる効果があります。脳ははっきりしたゴールがイメージされると加速化するという働きがありますし、大事な言葉をキャッチすることができ、付箋を貼った瞬間に、「よく見つけたぞ!自分っ!」と心の中で褒めてあげるのです。そうすると、「プチ達成感」を積み重ねていくことにつながって、脳が喜び、活性化されるでしょう。



【ステップ② あらすじマップのかき方】

〔1〕ミニマップにする
小さなメモ用紙で良いので、「章」ごとにメモのマインドマップをかくと良いです。その際、ミニマインドマップをかくスピードが大事なので、ていねいにかかず、自分にしか分からないような雑なマップをかくと良いと思います。
厚い本だと、このミニマインドマップが10枚とか15枚とかになるかもしれません。


〔2〕1枚の紙にまとめる(セントラルイメージに力を入れる)
ミニマインドマップを元にして、A4以上の白紙に本番のマインドマップをかきます。小学生にかかせるとすると、A4では少し小さいと思います、少なくともB4サイズの紙、できればA3サイズ以上の紙にかかせると良いでしょう。
その際、セントラルイメージは時間をかけてしっかりかいた方が良いです。なぜなら、本のテーマを絵に書くという作業は、本当に本を読めている子でないとできないからです。そしてセントラルイメージをかき終えた瞬間に、その本についてはほとんど把握している状態になるはずです。


〔3〕メインブランチに乗せる文字の例
あらすじマップを書くときに、メインブランチにどのような言葉を乗せたら良いのか、その一例を示します。誤解をされると困るので始めに書いておきますが、ここに出す例は、あくまでも私の案ですから、この通りにしなくてはいけないということはありません。大人は子どもたちが考える自由さを尊重するべきです。

≪文字例≫
①作者
②時代背景
③登場人物
④出来事
⑤言葉(セリフ)
⑥気づき

メインブランチが書けない子には、マインドマップにこの通りに書かせると良いのではないでしょうか。

写真画像の第2ブランチや第3ブランチに出しておいた言葉は参考にしていただければと思います。

こうしてできあがった「あらすじマインドマップ」をかき終えた時、私たちの心には達成感がたくさんあふれてきます。正直に言うと、ここまでの作業でも十分学習効果があります。本を読む子はどこにでもいますが、読んだ本を「マインドマップにまとめて残しておく作業」をする子はほとんどいません。ほとんどの小学生がやってういないことをするのですから、当然学力は向上します。

ただし、読書感想文を書くという宿題は消えてはくれません。
「素晴らしい読書感想文を書く」というゴールに向かうために、もう一枚のマインドマップ『読書感想文の構想マインドマップ』(作文設計図)を書く必要があります。

小学生のあなたが、この『読書感想文の構想マインドマップ』をかけるようになれば、あなたの脳力は、あなたが考えているよりも何十倍もアップしていくことでしょう。



次回はいよいよ『構想マインドマップをかく』という実践記事になります。
読んだ人はきっと読書感想文を書くのが楽になるでしょう。
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