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東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

枡づくり

2018-06-12 21:12:24 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 これもやりたい、あれもやってみたいという好奇心といったらよいか、、、一昨日は土を掘っていたのが、昨日は泥を撹拌していたり、傍から見て何やってるんだろう?という感じかな?と思ったりもするんですが、、。縁起物の枡を作っています。今でも酉の市などへ行けば、縁起物の枡で恵比寿大黒が入っているのは見かけますが、恵比寿大黒の姿が塩ビ製だったりパルプの遠心分離成形になっているのがほとんどで今戸焼製のものは遠い昔になくなってしまっています。本質的には「幸せを願う」上での縁起かつぎなので、素材が変わってしまったから駄目だ、ということはないんですが、個人的には今戸焼屋さんが恵比寿大黒の需要を担っていた時代の「かたち」を再び再現してみたくて長年考えていました。

 そして考えてばかりいないでまずは実行してみようということです。

 木材を直角に切断するとか45度とかひどく苦手なんです。中学校の頃技術家庭科という実習科目がありましたが、体育と並んで大嫌いでした。図画工作とか美術は大好きなのに技術科は大嫌い。ひとつには夢とか自由な創作ではなかったから。もうひとつは男女別々に授業を受けますね。技術担当の先生の人柄にもよるかもしれませんが、野郎ばかりの殺伐とした印象が陰鬱なイメージで嫌でした。体育にも通じる「前にならえ」「気をつけ」「休め」のような修練みたいな空気が技術室にもあったと思います。そんなわけで美術での木版画とか木彫レリーフとか、丸彫りとかは大好きでじっくり取り組むのですが、材木の加工は大の苦手。

 昔、今戸焼屋さんが恵比寿大黒の需要を担っていた時代は、こうした縁起枡は分業で完成されていたもので、今戸焼屋さんは「木地屋」と呼ばれる型抜きかた素焼きまでを専業にしていた家と落語「今戸の狐(骨の賽)」に出てくるような内職で絵付けをする人、枡を専門に作る人、それらをセッティングさせて完成させる人々の手を経て出来上がったものだと思われます。

 枡といえば、枡を専業に製造する家は全国的に健在なのですが、それらは「実用向け」の枡なので四隅がかみ合うような組木式の頑丈なものですね。そういうものは既製品として入手することは難しくはないと思います。ただ縁起物の枡は作りが甘いもので角の組木のかみ合わせもないし、底板は底を塞ぐためだけに寸足らずな薄板を貼ってあるだけです。そのチープさがいかにも「際物」的で楽しいと思って自分で作っています。木材は全て専門家にカットしてもらいました。

 中にセットする恵比寿大黒は現在型を準備中です。「くだらない」と言われてしまえばそれまでですが、まずは完全にセット仕上がってどうなるか、今はわくわくしています。

 


おねむ

2018-06-09 22:42:17 | おともだち

 今日は午前中出かける約束があったのがキャンセルとなり、午前中は型抜き作業をしていました。遅いお昼はどうしようか、と駅近くの「トロ函」や「かぶら屋」などで食べ呑みして戻ると、例によって十五夜さんのブラッシング。そのうちうとうとして気が付いたら十五夜さんの姿が見えない。あれ?と見回したところベットから垂れ下がった布団や毛布とタンスに掛けてあるハンガーとの隙間におねむ状態でいたので思わずパチリ。

 どちらかというと夜中に作業しているのでその影響で十五夜さんにも眠気が溜まっているんでしょうか。


再び型抜きモード

2018-06-07 01:02:12 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 彩色もまだやっていますが、型抜きのほうも再び始めました。このところ工事現場からもらってきた土の水簸(すいひ)もやっていたので、タッパーに入れた土は当座凌げる量はあります。また沈殿している泥しょうも必要に応じて石膏鉢に寝かせるのも同時進行しています。今は例の宮城県内の稲荷神社さまから頼まれている狐を決まった数抜き出して揃えるのが目標です。と同時にかなり前手掛けていた割型をひっぱり出して再挑戦しようと思っています。確か丸〆猫を手掛けるよりも前に挑戦した鳩笛の型なのですが、当時は研究不足で焼き上がりが思うようにいかず、当時お世話になっていた「竹とんぼの会」の湯島にいらしたHさんに観ていただいた程度であまり外に出していませんでした。今回は焼き物の専門家の人にいろいろ聞いて、再挑戦しようと思いますが、うまくいくかどうか、、、。


川口通い

2018-06-07 00:36:54 | 日々

 「猪牙で行くのは 深川通い」(端唄「深川」)ではなくて「チャリで行くのは川口通い」です。作業していて遅いお昼に何食べよう、おいしいラーメンと少しだけハイボールを、、。という場合、赤羽にもおいしいラーメン屋さんが最近できたんですが、値段的には「ハレの日」向けの出費になってしまいます。「日高屋」「餃子の王将」「大阪王将」など比較的リーズナブルでハイボールもある、という店はあるんですが、ラーメンの味に関しては絶対好みという感じではないので(かつぶしの粉を混ぜたみたいのは残念)、荒川を越えて川口の「坂内ラーメン」へ行きます。

池袋へ行くより川口のほうが近く、何となくのんびりしているのがいいです。

 個人的なラーメンの好みとしては黒い醤油ベースで透き通ったお汁でさっぱりしたのが大好き。その点坂内ラーメンは黒い醤油ではないですがさっぱりしているのが救いです。時々割引券をくれることがあって、チャーシューの増量券というのを使ってみました。ちょっとカロリー高そうですが毎日というわけではないので、、。ハイボールもバカ安ではありませんが300円代なのでラーメンとハイボールという希みは叶います。街並みもかなり変わってきていますが、まだ鋳物が盛んだった頃の立派な普請のお屋敷とか蔵、昭和の木造の家なんかもまだ残っています。昔はいい古本屋もあったのですが、、、。リサイクルショップも結構あって古着の(穿けるサイズの)ズボンなんかをゲットすることもあります。


お納め(雑司ヶ谷・旅猫雑貨店さん)

2018-06-01 23:52:39 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 今日は汗ばむくらいのよい天気で自転車でのお納めには格好の日。雑司ヶ谷の旅猫雑貨店さんへ頼まれていた人形をお納めに行ってきました。

 王子稲荷坂から関東ローム層の高台へ上り、明治通りで池袋、川越街道交差点から左折して雑司ヶ谷へ。都電の踏切を渡って雑司ヶ谷霊園を横切り、坂を下ると雑司ヶ谷の商店街のある谷間です。この辺り、不思議なくらいノスタルジックなものがいっぱいでいい感じ。今日改めて痺れたのは学校の体育館で昭和30年代はじめくらいのものでしょうか、地面から上に向かって末広がりに張り出すような形がすばらしい(といって画像に撮る余裕がなかったので次回。)街角のあちらこちらに猫さんがいて、谷中にひけをとらない猫さんの楽園地帯ではないでしょうか。お店でお納めを済ませて、本当は大好きなラーメン屋さんで食べたかったのですが、休憩時間になっていたので残念。往きと同様霊園経由でのんびりと、、、

 竹久夢二さんのご墓所。

 夏目漱石さんのご墓所。

 大川橋蔵さんのご墓所。

いつもだと「六代目」さん(六代目 尾上菊五郎)のご墓所へよく寄るんですが今日は不思議とみつからなくて残念。

 ふと目に入った紫色の小花。

 名前も知らない花。桔梗の花にも似て、イヌノフグリに似ているようにも見えます。何という花でしょうか。

 雑司ヶ谷は本当いいところ。近々にまたラーメンを食べに来ようと思います。


次の彩色

2018-06-01 02:10:25 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 「銀座たくみ」さんへのお納めが終わったところでできたスペースで次のお納め向けの彩色をしています。とにかく狭いので素焼きしたものをいちどきに拡げて作業できません。昔の今戸焼の土人形の色を意識しているのでおのずと使う色の幅は決まっているのですが、それらの絵具をできるだけ要領よく塗りすすめていくか、、。案外パズルのような感覚です。例えば、朱色はどの人形の口とか鼻孔とかに必ずといってよいほど使ますし、着物とか首輪とか耳とかにも塗ります。できれば朱色用の乳鉢を湯煎にかけて溶かして使うのでその一回の湯煎で全ての人形の朱色を済ませてしまいたいし、それができれば能率もいいです。ただ実際それぞれの人形に置いていく色の順番が異なるので自分の場合、その順番を守らないとバランスがとりにくい、という感じがします。要領が悪いといえばそれまでですが、一回の湯煎で塗る朱色のあと、他の色を湯煎にかけて塗ってからでないと次の朱色が塗れないという感じです。待ち合わせというのか各駅停車の列車を待たせて急行列車を通してから、発車させるような感覚ですね。なので朱色の乳鉢ひとつでも何度も湯煎にかけることになります。

 版画とか描画でもそうですが、基本的には明るく軽い色からだんだん重い色を重ねていくという順番がありますが、拙作の人形だとまず顔を済ませたいので黄色や水色で白目を置いて乾かして墨で瞳を入れてから同じ墨で鼻の頭を置いて、そのあと朱色で鼻孔と口を入れ、薄墨で髭と眉を描いてから耳に朱色を入れる、という感じです。自分でいうのも変ですが結構不器用で要領が悪いですね。


荷造りとお納めとお知らせ「民藝と暮らす2018」

2018-05-30 08:55:35 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 彩色していた人形の一部を包装して荷造りをしています。

 先日の帆布の手提げの稼働開始。

 銀座の「たくみ」さんへお納めしてきました。これらの人形ですが、、、

 6月6日(水)~6月11日(月)大阪・うめだ阪急にて開催される日本民藝協会の催事のブースで並べてくださる予定だとお聞きしました。

よろしくお願いいたします。

大阪・うめだ阪急「民藝と暮らす2018」のサイトへ


砂子(すなご)蒔き

2018-05-26 14:21:11 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 人形の彩色の進行中。作っている全ての人形とは限らず、一部なんですが、彩色した上に砂子(砂子)を蒔きます。ひとりでやるので結構慌てて行います。

というのも、乾いた面にただ蒔いても定着しませんから、つなぎを塗ってそれが乾かないうちに急いで蒔くので、筆でつなぎを塗って急いで粉筒に持ち替えて蒔くという秒刻みのスリル度がありますね。仮にニスとかラッカーとか粘りがあり乾きに時間のかかるものであれば落ち着いて蒔くことができるのですが、大方の昔の今戸焼の土人形では少数の例外を覗いてはニスは塗らない代わりに膠液を上塗りして照りを出したり、マットな地にも砂子を蒔いているので、昔の人はいったいどうやっていたのだろうか、知りたくてたまりません。人形の素材自体が素焼きでその上に胡粉で地塗りしているものなので絵具でもつなぎでも吸収するのが早いのです。繫ぎを塗ってそれが水溜まりのようにとどまっていてくれるうちに砂子を蒔かないと定着しません。

 以前はまがい金箔(真鍮箔)の「切りまわし」という切りくず片を買ってきて「箔筒」という太い竹筒の底にメッシュの張ってあるものへ入れ「たたき筆」でごりごりさせてメッシュを通した細かい箔片を貯めておいて使っていたのですが修行不足のためかふわふわしすぎて目的部分に命中させにくいと感じていました。古い産地の砂子には切り回で砂子をやっているところもあるのかもしれませんが、今戸の土人形の場合もう少し厚みのある砂子ではないかと考え、いろいろ探していてみつかったのが「梨地粉」と呼ばれる真鍮粉です。画像に映っているのが梨地粉です。知らないだけなのかわかりませんが、売っているところがわからない、、というか日本画材屋さんでは見たことがないです。また画像に映っている「粉筒」は漆屋さんで求めたものです。(漆食器で使う砂子は本金だけで真鍮は使わないそうです。)

 昔の土人形に使われている砂子は時代を経て酸化して茶色っぽく残っていることが多いので真鍮粉です。(御所人形とか嵯峨人形をはじめとする当時のお金持ち向けの人形には本金が使われているのもあると思いますが、、。)

 「犬」と「娘河童」に蒔いているところ。自画採り棒でもあればもっとよい画像が撮れるのだろうと思いますが、ないので臨場感のあるところを撮れません。

 ちなみに買ってプールしている真鍮粉はそのまま使えばキラキラしています。昔の人形たちは作りたてのものはキラキラピカピカしていて、それが「ハレ」的なありがたさ、高級感といった付加価値を持たせていたのだと思います。伝世の古い土人形は時間を経て今でこそピカピカがなくなって落ち着いた感じになっているのでしょう。

 自分で使う場合、出来立てであればピカピカが自然なことではあり、そのまま蒔いていたのですが、ちょっとけばけばしすぎると感じることがあって、使う前に燻してピカピカのトーンを意図的に落として蒔いています。画像の砂子が黒っぽく映っているのはそのためです。

 


結構きれいに、、。

2018-05-23 22:05:52 | 日々

 今でも残っていたら欲しいと思っていた帆布製の手提げ。教えてくださる方があってその実物をゲットすることができました。

 小学生の頃、牛乳屋のおじさんがガラス瓶の牛乳を入れて運んでいた思い出そのものでです。はじめ時代の空気や埃を思いきり吸い込んで、かなりの色になっていたのですが、重曹を溶かした水をたらいに張ってその中にしばらくつけておいてズック洗いのたわしで擦ったり、両足で踏み洗いしたりで3回水を取り換えて(水は真っ黒)そのあとメッシュの洗濯カバーに入れて洗濯機で洗って干しているところ。

 外は雨なので室内干しで8割方乾いてきているところ。天気が戻ったら天日干しにします。昔校庭で運動会のテントを張っていた頃と同じ匂いがしますが、まさしく帆布。持ち手の裏側を皮革で補強してあるんですね。高さは普通の牛乳瓶の高さ+αくらいで浅めですがマチの幅があるので中くらいの段ボール箱ひとつはゆったり入りそうです。人形の納めに使えそうです。「あったらいいな、、、」と思っていたものが降ってきたという感じでホクホクしています。


画竜点睛???

2018-05-22 04:24:32 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 「画竜点睛を欠く」とか言いますが、「龍を描いても最後に眼を入れないと完結しない」というような意味ですね。わが身で考えると、顔は大切で一番最初に眼を描いて、耳、鼻孔、口、髭、眉という順に大事なところを最初に入れないと始まらないという感じです。仮に先に胴模様だの首輪だのを先に進めて後で眼を描いたらうまくいかなくて全ておじゃんというのは嫌なんで、最初に顔を済ませ、そのあと他の部分を埋めていくというのが安全な進め方でもあるし、筆を入れるにしても先に顔を入れてから周りを進めるほうが持つ位置も確保できます。そんなわけで故事とは逆な順番になりますね。

 まだ鼻孔や耳、口が描き込まれていないと生気がないという感じです。

 


土もらいの続編

2018-05-20 14:48:12 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 先日の近所からもらってきた土に一部を向かって右の第一ばけつでふやかしておきました。左の第2バケツに寝かせておいた撹拌して篩(ふるい)でろ過した泥しょうも沈殿して上澄みの水と分離しているので水を他のバケツに移してその隙間に右のバケツの土を撹拌して篩にかけて流し込んでいきます。先日もらった土は地表はカラカラに乾いているようでしたが、地中にあった分は水分を含んでいたので思った以上に柔らかくなっていました。

 左のバケツがほぼいっぱいになったところ。右の土もだいぶ減りました。明日あさってには左のバケツはまだ沈殿するので、また上澄みを取り除いて右の撹拌した泥を加えていきます。このところ同じような画像ばかりでワンパターンですが、天気がよい証拠。雨の日でも傘をさしてできなくはありませんが、天気がいいに越したことはありません。

 作業を終えるとバケツの上に果物の種から育った大群を戻します。柿の葉、梨、さくらんぼ、みかん、むくろじゅなど満員じょうたいで、土地のあるところに里子に出してあげたいのですが、、、。


りんご?なし?とブドウの種

2018-05-18 12:28:40 | 日々

 食べた果物の種を捨ててしまっては、せっかくの生命の機会を奪ってしまうようで申し訳ない、、。そんな気持ちで植木鉢に蒔く癖があるんですが、結構発芽しますね。画面中央奥のカップラーメンのカップや四角い鉢の芽は昨年食べた種を蒔いておいた分なんですがどんどん発芽しています。

もとは奥の口の四角い鉢にばらまいて埋めておいたものの中でもリンゴ?なし?の発芽が早くて、すくすく葉を拡げて他の発芽の遅い芽たちの光合成を奪っていて可哀そうなので、大きくなった芽はカップラーメンのほうに移したところ、日陰で元気のなかった芽もお天道様を拝んですくすく成長中でした。

 双葉だと違いに気が付かなかったのですが小さい芽たちはブドウみたいです。

 

 こっちの鉢は十五夜さんが我が家に来た頃蒔いたブドウの種が育ったもの。

 こっちも同じ時に蒔いたものです。時間の経過を思わずにはいられません。どうしたらよいかわからないのですが、蔓は日々どんどん上に向かって伸びているんですが中ぐらいの鉢から棒を追加していくのも大変です。鉢ではなくて地面ならいいんですが、、。剪定してあげたほうかよいのかどうか、、。

 


きら(雲母)塗り

2018-05-18 09:22:24 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 今戸人形に限らず、古い産地の人形の古い時代の人形には胡粉の下地の上に更に「きら」(雲母粉)を塗って仕上げてあるものがあります。そのもとというのは「御殿玩具」という練り製の吉祥的な人形を真似したものでしょうか。当てずっぽうで正しいことはわからないのですがそんな気がします。人物の肌もキラがかかっているのも観たことあるように思いますが、白い動物の地肌だとかはよく見ます。

 我が家の場合、丸〆猫の嘉永安政風型とか本丸〆猫とか鞠猫、羽衣狆や犬、それと鶏にはキラの地塗りをしています。自分でやってみて感じるのはキラを使う場合には胡粉の地塗りを慎重にして塗りムラがないよう、ムラがあったら胡粉で重ねて塗っておかないとキラがかかってから汚く見えやすいということです。何でなのかわかりませんが、キラは粒子の細かいのを使うので、そのつなぎが表面に露出しやすいのか透けて見えてしまうんですね。そう思います。

 キラを塗らない人形でも猫や犬など胡粉の地の面積がたくさん露出する場合はムラがないよう重ね塗りして潰しています。上から他の泥絵具で塗る部分はそんなに神経質にはならないんですが、顔とか白地が露出するところは気をつけています。


水簸(すいひ)

2018-05-16 19:59:44 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 時間の流れ的には先の工事現場からの土もらいより前なのですが、今日は日中泥いじりに明け暮れていました。上の画像は石膏吸水鉢で3週間くらい寝かせていた水簸(すいひ)済、沈殿済の泥しょうです。表面にクレバスが走ってますから、中身はまだまだ緩いですが、とりあえず蓋つきタッパーに移して次沈殿泥しょうを流し込みます。

第三バケツ(泥しょうの一番濃くなっているバケツ)からありったけのを掻き出して石膏鉢に移したばかりの状態。左のほうが濃いのはバケツの中で高低差をつけて寝かせて高い部分のものだから。右のは低いところの泥でまだ水気がだくさんあるところ。ふたつともこれから数週間寝かせます。

 第二バケツの蓋を取ると前回まで沈殿させていた泥部分がかなりしっかり沈殿しています。上澄みの水を他へ移して泥だけを第三バケツに移し空にしました。

 空になった第二バケツ(左)に第一バケツ(右)から撹拌した泥しょうを篩(ふるい)にかけながら移し、おおかたいっぱいになったところ。明日には右のバケツの沈殿で上澄みを他に移して再度第一バケツから撹拌した泥しょうを移します。先の工事現場からもらってきた土は先ほど右の第一バケツに入れ、水でふやかしているところです。前回の撹拌のときはそれほどでもなかったのですが、真夏のような暑さなのでさすが蚊も元気に飛んでいて、蚊除けスプレーをして作業していますが、汗で流れてしまうのでマメにスプレーして作業しています。十五夜さんは蚊にやられないよう、今日は室内で待ってもらっています。(犬猫用蚊取線香は焚いています。)


土もらい(工事現場)

2018-05-16 19:37:28 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 わが家から直線30メートル以内のご近所で家の建て替え工事をやっています。数日前から始まっているのですが昨日あたりまで重機が稼働していたので、そのそばで土くださいというのも迷惑だろうと思い、今日は重機もいなくなっているので現場の方にお許しをいただいて作業が終わってからお邪魔しました。

 雨が降った後なら色ですぐ見分けられますが、この数日真夏並みの天気なので、地面がからからでぱっと見では区別がつきにくいです。ただ、乾燥していてもざっと見では青みがかったところは粘土が混ざったところです。

 本来この辺りは地表から1メートルから1メートル半くらい下に粘土の層が眠っているのですが、重機で根こそぎ撹拌されているのですが、地面をしげしげ見ると粘土の層ごと斜めに地表に顔を出していることがあり、そのあたりをスコップでてこ式に持ち上げると、ご覧のとおり粘土の層ごと塊が出てきます。これが一番ほしいところ、、。

 自転車を付けている位置に拾い集めたところ、、。

 ビニール袋に詰めて4袋分2往復して運びました。隣の町内の仕事場前にもこれまでプールしている粘土が山積みしてありますが、こればっかりは、いつまた工事現場に出くわすかわからないので、少しでももらってきてキープします。傍から見ると何やってるんだろうという感じですが、こればっかりは自分にとってはやっていることの原点だと思ってます。暑かったのでほんのちょっとの作業でも汗びっしょりになりました。