ある大学教授の思い

ある女子大学で情報、統計、ファイナンスなどを教えております。気がついたことなどまとめてみたいと思います。

希臘化するか

2012年01月16日 10時45分37秒 | Weblog
ギリシャのようになる

   このまま放置すればギリシャのように、日本は財政破綻するから大増税するという論理だけしか説明がない。先ずはもっともらしいこの話は本当なのだろうか。今から10年前の2002年にも、日本の国債は格下げされてギリシャと同じレベルだと国際的に軽視された。その後、さらに財政赤字は1.5倍になったが、全く問題は起きていないどころか、現在、長期国債の金利は1%を切って国際的な信認度は高い。そもそもギリシャと日本を比較して論じるところにマヤカシがある。何故ならば、ギリシャの財政規模はせいぜい横浜市の規模と同じくらいで、日本全体とは比較のしようがない。

   

   さて、消費税を上げれば何が起こるかは、15年前1997年に日本ですでに体験してきていることから、おおよその予想はつく。財務省の口車に乗った故橋本首相が消費税を3%から5%に上げた。2%アップで国民負担は9兆円増額となったが、税収増は僅か1年だけで、その翌年からは不景気で税収減と大幅な景気後退を招き、拓殖銀行や山一証券が破綻して、参議院選挙では自民党は大敗した。次の内閣では不況対策で50兆円もの赤字国債を発行した。これ以来、財政危機構造になってしまった。


   「ギリシャになる」というのと「子や孫に付けを回さない」というセリフも首相は多用しているが、増税すれば、さらに大きなつけを後世に回すことになる。1929年の歴史的な大恐慌を引き起こしたきっかけは、ときのフーバー大統領が不況のさなかに、増税に踏みきった事である。フーバーのまねをして日本をドン底に落とした首相という名前は後世に残る。最後に蛇足をつければ、現在のように、我がもの顔に既得権益が幅を利かせていては、いくら増税しても、その権益の中に消えてなくなる。それならば、できるだけ早く日本を財政破綻させて、これまでのシステムや既得権益を一挙に葬り去ることを考えてもいい。


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