ある大学教授の思い

ある女子大学で情報、統計、ファイナンスなどを教えております。気がついたことなどまとめてみたいと思います。

地球環境を守る

2011年11月30日 10時44分58秒 | Weblog
温室効果ガス排出削減ルール

COP17のポイント
    温室効果ガス排出抑制に関する現在の国際的な取り決めが、1997年12月に締結した京都議定書だ。日本は2008年から2012年までに、1990年に比べて6%減らすことを約束している。このような数値目標を約束しているのは先進国だけで、新興国や途上国には削減の義務が課されてはいない。その後の経済発展は先進国ではあまりないが、中国などの新興国では著しく、それに伴い排出ガスの量も飛躍的に増大した。


    現時点で、世界で最も多くのガスを排出している国は中国であり、世界の25%の排出量であるが、削減の義務はない。また、20%と中国に次ぐ排出量の米国は、京都議定書の批准を拒否したままである。現在、日本やEUなど排出量の削減義務を負っている国のすべての排出量を合わせても25%しかないので、温室効果ガス削減の実効性がない。中国などの新興国やアメリカなど主要な排出国すべてに削減義務を課す新たな国際ルールを制定する時期に来ている。


    京都議定書の期限は2012年12月末で終了するので、温室効果ガス排出抑制に関する取り決めが急がれている。今週から南アフリカのダーバンで190の国と地域が参加して2週間の日程で、地球温暖化対策を話し合う国連の会議、COP17が開かれている。この会議の焦点は、前述の通り、京都議定書に代わる新たなルール作りを主張する先進国と議定書の延長を主張する新興国の対立である。温暖化対策後退への懸念が高まるなか、新たな枠組みを作ることができるかどうか、各国の歩み寄りが期待されている。日本は原発事故のために、目標達成は困難な状況の中で、どのようにして各国の理解を得ていくのか難しい交渉だ。

*COP17(コップ17):国連締約国会議( Conference of the Parties)の略で環境問題に限らず,多くの国際条約の中で,その加盟国が物事を決定するための最高決定機関として設置されている

新風が西から

2011年11月29日 11時08分29秒 | Weblog
大阪の秋の陣を終わって
    250年にわたる徳川時代に培われてきた「長いものには巻かれろ」とか「お上の言うことは正しい」という意識は1868年からの明治政府にも引き継がれた。1945年の太平洋戦争の敗北で、民主主義思想が浸透し、このような国民感情は消えたはずであるが、支配者にとっては都合がいい民衆支配のフレーズとして、官僚機構にはできるだけ温存する政策がとられてきた。


    経済が成長を続ける限りは、このような思想でもあまり民衆には不満が出てくる気配はなかった。また積極的に利用する風土もあった。1980年代後半のバブル期を頂点として、成長経済がレベルオフすると、官支配の仕組みには様々な不協和音や不都合が露呈し始めた。2001年4月から2006年9月までの小泉改革ではアメリカ式の市場主義を導入したが、ますます格差を広げる結果となってしまった。

    ようやく、何かがおかしい気がついた国民は2009年9月に自民党政権を放り出して、民主党政権を誕生させた。このことに危機感を抱いた既存勢力は、選挙前からカネと政治などというどこにでもある当然のことを持ち出して、民主党政権の立役者だった幹部を失脚させた。あろうことか、旧支配階級の戦略に、次に出てくる民主党幹部も乗せられてしまった。その結果が、現在の霞が関支配の舞台で、いつの間にか踊らされている現政権である。
 
    その上に、国内では311の大震災と原発の大事故が重なり、国際的にはユーロ危機の影響で国内外ともに難問だらけとなってしまった。中央では旧勢力が復権したが、アフリカで起きた民衆革命と同じように、日本でも地方では名古屋に続き大阪でも反乱が起きた。維新の会は既成政党を蹴っ飛ばして予想通り圧勝した。まるで2年前の中央での政権交代を彷彿とさせる出来事だ。誕生した新市長と新知事がしなければならない第一歩は、大阪市庁舎に巣食う既得権益集団を解体させることだ。これをしない限り、ここ2年の間に中央で起きたことと同じことになってしまう。

絶対計算

2011年11月28日 10時32分11秒 | Weblog
絶対計算について
   何か意味の分からない言葉を目にしたので、少し調べてみた。要するにコンピュータの記憶容量がギガとかテラの単位にまで大きくなってきたので、巨大なデータの集積をすることができるようになり、全く関係のないような二つの集合の間での相関関係を計算することができるようになってきたことを絶対計算というようだ。

    たとえば、北京の降雨量とライン川のブドウ収穫量の関係、毎朝顔を洗わない人とその人が自動車事故を起こす確率など一見何も関係がないようなことでも相関係数を出すことができる。さらには、最新医学データの集積によるその病気の治療法の提示、麻薬犯罪者の保釈を認めるべきか否か、どの政策がもっとも有効かなどについても答えを出すことが可能となってきている。
 
    技術革新が兆単位(テラバイト)のデータの集積を容易にしてきた。絶対計算は、医者、政治家、評論家などの専門家をおしのけて問題を解決する手段となってきている。著者は自ら絶対計算を駆使して政府の政策の有効性などを調査しているエール大学の教授で、誰でも理解できる数学の本である。それにしても、絶対計算という言葉はあまり適切な翻訳とは思われない。

*Ian Ayres「その数学が戦略を決める」山形訳、文芸春秋 1800円


つぶやきから

2011年11月27日 11時28分25秒 | Weblog
仕事のやり方
     能力、関心、知識、気性、性格、仕事の方法において、さまざまな事を考えることが大切だ。問題に対してはいくつもの解決方法を生み出し固定観念を排する。千差万別性を持つ。議論は多々あっても、結果的にはなすべき事はきちんと実施する。

誇大広告
      週刊誌の中づり広告は売るためだから誇大過ぎるのが当然だと思う。大抵は中を見ると期待外れの事が多いと思う。キャッチコピーの3分の1ぐらいでみておけばいい。3分の1の法則が成り立つ。この類の事は世の中にはいくらでもある。

仕分け
    業務仕分けが成果を挙げられなかったから、厄人と同じように今度は政策提言と名前を変えてみた。少しは新鮮さが出たかと思ったが、前と同じで議論だけみたいだ。どうも、これは国民の皆さん、財政が苦しいので所得税、消費税のアップに協力をお願いしますという提言みたいだ。仕分けを仕分けしろ。

日本の大学
    政策提言仕分けで大学が俎上に乗った。世界の大学ランキングで東大は30位、京大は32位となっている原因がカネの問題みたいな議論が出ていた。学問的には遜色ないが、順位は国際的に開かれているかどうかの問題だ。日本人の学生に日本人の先生が日本語で講義している限りベスト10にはならない。

オーム事件
    逮捕から16年でオーム裁判が終わった。オームが何を目的としたかは明白だ。毒薬と武器で日本政府を転覆させ、日本全体をオーム化することだ。最初の大事件である坂本弁護士一家殺害の時に、既に犯行は分かっていながら宗教法人の犯罪と言う事で、手をこまねいた当時の政府と警視庁の責任は重大だ。

あの日の朝

2011年11月24日 10時05分51秒 | Weblog
地下鉄サリン事件
    1995年3月20日の朝、東京駅の傍にあるオフイスに出勤するために、朝8時30分頃に新宿駅から池袋行きの丸の内線に乗った。車内は適度な込み具合だったと思うが、電車は順調に赤坂見付駅に着き、かなりの乗客が下車したので、車内にはほっとしたゆとりが出来た。次の国会議事堂前駅で少し停車時間が長いのが気になったが、そのまま電車は発車して霞ヶ関駅へと進行した。

    駅の手前に差し掛かったが、その時に車内放送があって、次の霞ヶ関駅は通過するとのことであった。そのまま電車は速度を上げて駅を通過して行って、通過する瞬間であるが駅のホームでは何か駅員が動いていたのを覚えている。そのままオフイスについて、普段通りの仕事を始めたのであるが、10時頃になって、事件がオフイス内に広がっていった。

    もうあれから16年たっているので、人々の記憶から事件が消えかかっているが、新聞やTVニュースで、あの日の朝が鮮やかに頭に蘇った。死者12人、負傷者5000人超という未曾有の無差別大量殺人傷害事件であったが、その後の言葉で言えば毒薬を使った同時多発化学テロと言うことになる。それまでは、日本国、特に東京は世界で一番安全な都市であるという幻想が崩れた瞬間であった。


   犯人逮捕から16年でオーム裁判が終わった。オーム真理教が何を目的としたかは明白だ。毒薬と武器で日本政府を転覆させ、日本全体をオーム王国にすることだ。最初の大事件である坂本弁護士一家殺害の時に、既に犯行はオームと分かっていながら宗教法人の犯罪と言う事で、手をこまねいた当時の政府と警視庁の責任は重大だ。それが松本サリン事件、地下鉄サリン事件を許した。米FBIでは未だに生物化学兵器を使った地球上で唯一のテロと言う事で調査を続けているという。自然災害と同じで忘れたらまたやってくるかもしれない。



誰でも入力できる

2011年11月23日 10時21分55秒 | Weblog
タッチパネルの原理

タッチスクリーン

タッチパネルの仕組みはタッチした動作でスイッチを入れることだ。必要なことは、表示が見える状態で、どの位置をタッチしたかを判別できることである。 タッチパネルのしくみには多くの種類があり、それぞれに長所や短所があるため使い分けられています。最も使われて来たのがアナログ抵抗膜方式で、ガラス面の表面にほんの少しすきまを空けてフィルムを貼り付けている。フィルム面をタッチすると、圧力によりフィルムがたわみ、ガラス面の電極と接触して電気が流れる仕組みだ。これで信号が流されたことになる。原理は同じだがスマホではもっと進化した方式が使われている。


    コンピュータはオンとオフのスイッチのかたまりで、2進法の0と1とを判別して動作している。だから、無数のスイッチの装置とも言える。タッチと言う動作はスイッチに触れたことで、装置にある信号を与えたことになる。タッチパネルではパネルには碁盤の目のように電極が並んでいるスイッチが無数にあり、これはマトリクススイッチと呼ばれている。操作者がその面の一部に触れることで、縦と横の位置情報が検出される。15年前には電子手帳が流行ったが、これがタッチパネルのはしりで、この時には鉛筆のような棒状の道具を使っていた。これは物理的な接触により入力が行われていたが、現在では電気抵抗の変化で操作位置を検出する様式が主流となっている。

    キーボードに代わる入力方式で、まさに誰でもパソコンを動かす事ができる。アイパッドのおかげで、高齢者の利用者が増えてインターネットでの交流が新たなステップとなっている。また寝たままでも入力可能だから、病室でも気楽に利用できるなど様々な活用法が出ている。先日のバレーボールの試合でも監督がアイパッドを手にして選手交代などの参考にしていた。

貿易交渉

2011年11月22日 10時52分28秒 | Weblog
国際貿易協定
   国連のWTO(世界貿易機関)は貿易に関するルールを取り扱う唯一の国際機関で、2007年3月現在、150ヶ国もの国々が参加している。WTOの目的はモノ・サービスなどの貿易がルールに基づいて円滑に行われることを助け、加盟国間の貿易紛争を解決し、更に自由で公正な貿易を進めるための多国間貿易交渉(ラウンド)を開催することだ。1995年に前身のGATT(関税および貿易に関する一般協定)が解消されてWTOが成立した。GATTは協定に過ぎなかったが、WTOの決定は強制力を伴う強力なものだ。これまでにも何回もラウンドが開かれているが、様々な分野で合意に達することは不可能であろう。そこでEPA,FTA,TPPなど他の形で2国間あるいは多国間での貿易交渉が盛んとなってきている。TPPについては既に日本から参加が表明されているが、相変わらず国内では賛否両論で賑わっている。

     当ブログでは、これについて特に反対や賛成をしてきたわけではなく、どちらかと言えば消極的賛成で態度を曖昧にしてきた。WTOの例を見ても多国間の貿易交渉がそう簡単にまとまるわけがなく、あまり無駄なことに精力を浪費する必要はないと思っているだけだ。基本的な態度は前述のWTOの精神にある通り、自由で公正な貿易を進めて、相互に発展して行くべきというのは正しいと思う。書店で見る限りTPP反対論の方が多いが、新書版で気軽に読める代表的なもの反対と賛成の内容を紹介しておきたい。

    中野剛志著「TPP亡国論」集英社新書。住宅ローン、リーマンで躓いた米国が巻き返しを図る戦略ととらえて、戦略物質である穀物類の輸出先の標的を日本としている。TPPを許せば、社会的文化的な規制や慣行まで侵され、デフレと格差は拡大し、ひいては、食の安全、医療、金融に至るまで弊害が発生すると懸念している。日本が取り組むべき事は、公共投資による需要作りというケインズ的な手法が重要と締めくくっている。

    戸堂康之著「日本経済の底力」中公新書。デフレ解消と震災復興のためには、海外との貿易、投資、知的交流を活発化させることがポイントという。日本の持つ高度な技術を生かして、震災地を始めとする各地に産業集積を結集することだ。関税については日本ではなくて他国の関税の存在を問題とすべきである。日本独自の農産物は付加価値を高めることで輸出産業となる。日本独特の文化はアニメなどと共に海外での需要は高い。グローバル化の流れに逆らうことはできない。

    こうして並べてみると、やはり、消極的な賛成論に歩があるように思える。原則は自由貿易という枠の外で日本が生きていけるとは思えない。1970年からの高度成長期には、日本のGDPの40%は輸出産業で稼いでいたが、現在はわずか10%となっている。それだけ国内でのものやサービスで生み出す価値に依存している事が分かる。日本が21世紀において国際的に確かな地位を占めるためには、国際間の自由で公正な取引を欠かすことはできない。

農業を考える

2011年11月21日 09時27分53秒 | Weblog
日本の農業

農業の向かう道
   20年前のオレンジ、牛肉、サクランボなどの自由化の時にも、日本の農業には壊滅的な被害が及び、もはや近江牛や温州ミカンは食べられなくなると大騒ぎしていた。ところが現在では、先日の韓国大統領のホワイトハウスでの歓迎晩さん会でも和牛が出されたと言うように、NYやパリーの一流レストランでは和牛はメニューにもなっている。また、ミカンやサクランボの生産は当時を上回り、東南アジア諸国には輸出までされている。

   日本の農業は過去20年間で生産量は半分となり、専業農家は20%となり、従事者の7割は平均65歳を越えている。この間、税金からの保護資金は毎年5000億円にもなっている。このままの状態を続けていても衰退することは目に見えている。食糧自給率40%と言われているが、これは摂取した熱量換算での数値であるから、毎日の食卓で国産品が40%というわけではない。通常の家庭ではほぼ80%は国産品が食卓に上がっている。

   金額からみた農業輸出国のトップは米国で、その50%は大豆、トウモロコシ、小麦である。第2位は何とオランダで海抜ゼロ以下の面積が3分の1の小国で、穀物自給率は僅か15%であるが、その輸出物はチーズ、鶏肉、半加工食品など付加価値の高いものばかりだ。デンマークも金額は劣るが内容はよく似ている。これに対して日本は米国の50分の1の金額で、国別では60位だ。


   日本はオランダの10倍の国土面積であるが、その70%は山岳地帯であるから、耕作地の比較では山のないオランダよりも少ない。日本独特の米作は兎も角として、米国や豪州のような大規模農業には適していないことは明らかだ。目指すべきは付加価値の高い農業構造への転換で、畜産はもとより野菜や花卉、果物など高級食材への傾斜を高める方向しか道はない。農業輸出額の規模をせめて米国の10分の1くらいの規模を目標とするべきだろう。

喧嘩サッカーに負けた

2011年11月20日 11時48分07秒 | Weblog
喧嘩サッカー

気迫負けのザック・ジャパン

   先日の北朝鮮戦では相手の気迫に圧倒されて完敗した。すでに次の戦いにコマを進めていることが決定している日本と、敗北が決まっていて地元で何が何でも日本に勝つと言う北朝鮮との戦いという構図だったことは認めるとしても、内容が良くなかった。結果的には0-1で、相手の黄色カードが7枚に対して日本は1枚、また相手はレッドカードで退場者まで出していたので、喧嘩サッカーにやられたという印象だ。
   

   ザッケローニ監督は今回の遠征では予選通過という目的を果たしたし「しっかりテストができて満足」と話した。然しながら、監督は両国にまたがる歴史的な関係や拉致問題、核開発などについての深い理解はなかったように思う。だから、代表メンバーを半分落としても、順位が100以下の北朝鮮とは互角に戦えると思っていたようだ。

   試合は選手たちが平穣の空港に降りたった時から始まっていた。北朝鮮がお得意とする神経戦である。税関を通過するのに4時間かかり、暗くなってからの練習となった。さらに、昔の共産圏では普通だったが、ホテルで廊下には守衛と称する監視役がつき、1人で寝るのが怖くて、まるで女子中学生のように何組かは2人で寝たという。この結果は試合で現れ、北朝鮮選手の戦闘モードに対して、情けないことに完全に腰が引けて防戦一方に追いやられた。

    2005年にジーコ・ジャパンがイランのテヘランで体験した8万5000人のアウェーの方が、もっと「キツかった」という声もあるが、いま、ザック・ジャパンに求められるのは、アウェーでどのような厳しい状況に置かれても、平然と練習通りの試合運びができる精神力だと思う。来年春には始まる最終予選では中東諸国とのよりシビアな戦いが待っている。想定外の事態にも動じない強靭な精神力をつけることが要求される。

太平洋国家

2011年11月19日 09時51分55秒 | Weblog
太平洋国家
    オバマ大統領が最近しきりにアメリカは太平洋国家だと口癖のように言っている。今も大統領は豪州へ、ヒラリー国務長官は比国やタイへ出かけている。これに対して中国は神経をとがらせている。米国は中近東から兵を東南アジアへ移すことで、TPPも含めて、これから経済発展する国々の親分となるつもりだ。

クリスマスの玩具
    男の子が好きな乗り物の玩具が品不足だと言う。日本で販売されている80%はタイから入ってくるが、大洪水の影響で生産が落ちているからだ。クリスマスの贈り物として考えている人は早めに準備した方がよい。
原油価格の上昇
    石油ストーブが売れていて品不足だ。原油価格が上がっているから円高にもかかわらずガソリンや灯油も安くはならない。原油上昇の理由は、米国と欧州が不況対策でまた金融緩和するらしいと言う事、イランの核開発に対してイスラエルが攻撃すると言う事の二つの噂らしい。

アムステルダム中央駅
    東京駅は大正3年にアムステルダム中央駅を模して辰野金吾先生が設計した。オランダは海抜ゼロだから、中央駅も湿地帯に作られた。だから基礎工事には松の木が大量に使われた。東京駅にも同じく15mの松が1万本も使われた。1923年の関東大震災にも耐えた。復帰と免震工事が終わり来年10月に完成する。

気になる世界と日本の先行き
    書店には「地獄に落ちる世界経済」、「崩壊するドルとユーロ」、「資本主義の没落」、「日本を襲う投機マネー」、「アメリカの歴史的危機」、「EUの解体」と言うような世界終末みたいな本が並んでいる。30分もあれば殆どその内容を立ち読みできる。日本はどうすればいいのか方向を考えたい。

次なる標的
    PIIGS諸国を襲った欧州危機が一段落したら、国際投機ファンドの次の標的は日本となる可能性が強い。狙われても対策を練っておけば国民への被害は最小限に抑える事が出来る。そのためには強力な政治のリーダーシップが必要だが、これば最も気がかりなところだ。

ブータン
    ブータン国は九州ぐらいの面積で山岳地帯に70万人が生活している。ODAで日本は農業や経済協力をしてきた。国王が新婚旅行で来日するくらい親日国だ。東北の被災地まで訪問するみたいだ。国民総幸福と言う指標を作っている。確かにカネがあれば人は幸せと言うものでもない。テレビに映し出される王妃のしぐさには日本では見かけなくなった日本女性の昔の姿がある。

大阪秋の陣

2011年11月18日 10時14分15秒 | Weblog
大阪の秋を彩る闘い
地方分権
   大阪府知事と市長のダブル選挙が燃えている。特に、平松対橋下の市長選挙はまるで喧嘩選挙のようだとマスコミは囃したてている。投票日は11月27日だが、勤労感謝の日を挟んで何が起きるか分からない。それは兎も角、何が争点なのか新聞報道だけでは分からないが、中央官庁と同じように、地方官庁も行政制度が行き詰まって、このままだと財政赤字は増えるだけであることは確かだ。


   特に大阪市は労働組合が強くて、役人の優遇制度が抜きんでていることはいろいろと指摘されてきている。例えば、背広の支給手当、徒歩通勤手当、独身手当など手当のオンパレードだ。これではいくら税金を集めても財政赤字は膨らむ一方だ。平松対橋下の争いの論拠は、前者は制度内での穏健改革であり、後者は制度を抜本的に変革する改革と言うことだろう。

   財政的な観点から見ると、前者はそれぞれの行政単位の独立性を確保しながら、全体として連合体にするもので、現在のEU型の構成と似ている。これに対して、後者の橋下氏は全体を1つの行政単位として、各行政単位の独立性は認めながらも、全体としては大阪都としてまとめる事で、多くの二重行政を廃止して効率を高めるというものだ。

   行政改革を現在の枠の中で改革しようにも限界があることは事実であろう。殆どの役人はこれまで育ってきた制度の中でしか物事を考えることしかができないから、せいぜい全体の大きさは同じで多少形を変える程度であろうことは目に見えている。この際、役人の意識を変えるためにも、公務員制度を抜本的に改革する手本を示してもらいたい。その意味で、大阪市民の選択は全国各市町村からも注目されている。

首脳選挙の年

2011年11月17日 10時38分25秒 | Weblog
来年は選挙の年

次の衆議院選挙

   来年はフランス、韓国、ロシア、米国などで首脳が交替する選挙が行われる。中国でも選挙ではないが主席は交替する。米国の大統領選挙は11月の第一火曜日と確定している。オバマ大統領はなかなか思うようにはアメリカ経済を立て直すことができなくて、かなり焦っている姿がホノルルで見かけられた。TPPで日本をせきたてているのもそのせいだ。日本では第45回衆議院選挙は2009年8月30日に実施されたので、任期は2013年8月で切れるからこの時までには必ず選挙がある。

  

   消費税を上げる時には必ず国民の信を問うというのも公約みたいなものだから、これまで破るわけにはいかない。今週のサンデー毎日で、評論家の鳥越俊太郎さんと小澤さんが対談している。かなり際どい質問にも、小澤氏は誠実に答えているので、真実の姿だと思う。2009年の選挙で民主党が小澤幹事長の元で大勝した。言わずと知れた選挙の神様みたいな人だ。次の選挙について「このまま衆院選をすれば問題にならない。ベタ負けですね」と決めつけている。


   このまま野田内閣が増税路線を突き進み、選挙に入れば、民主党は150議席、自民党は220議席、みんなの党が40議席と推定している。裁判が始まっているので、おとなしくしているようだが、「TPPについては米国の意のままにならない作戦が重要だ、世界的な大不況に大震災の影があるときには無理をしてはいけない」などと語っている。問題の4億円については、特捜部がすべて調べ上げて個人のカネであることを認めているといい、何ら恥ずべきことはないとも語っている。マスコミ報道は日本の悲劇だともいう。


非関税障壁

2011年11月16日 10時36分55秒 | Weblog
問題は非関税障壁

関税と非関税障壁

   TPPでは貿易の関税を撤廃することだと理解している人が多いが、そうではなくて、実際には非関税障壁をなくして行こうと言う方が正しい。1955年ころの東京では大型の米国車をよくみかけて、子どもたちがビュイックとかキャデラックとか通る車の名前を口にしていた。今ではこれらの米国車は米国大使館の傍にでもいかないと殆ど見かけることはない。これは関税が高いからではない。完成車に対する日本の輸入関税は1978年に撤廃されたので、車に関しては世界で最も開放されているのだ。

   


   乗用車の輸入関税は日本では0%であるが、米国では2.5%、EUでは10%、韓国では8%となっているから、日本からみると不公正関税の代表みたいなものだ。ところが、TPP参加の米国との事前交渉で、米通商代表部USTRでは日本との関係では、自動車市場、牛肉、保険市場の3分野が最も重要だと述べている。牛肉と保険はさておいて、関税がゼロの自動車がどうして問題なのか不思議な気がするだろう。これが非関税障壁の問題と米国はいう。


   関税はゼロだが、インターネットを使って米国車を直接輸入する場合にかかる費用は、運送料、通関料、車検整備料などがかかるから同じ車格の日本車よりも高くなる。その上に、アフターサービス、パーツ類の問題などが存在する。これらをすべて非関税障壁NTBという。もっとも、我々一般人から見ると、特別の趣味がある人を除けば、米国車に対する様々な印象から例え車格レベルが同じで価格が安くてもわざわざアメリカ車に乗りたいとは思わないだろう。

   その他、米国からみるとNTBには様々なものがある。遺伝子組み換え作物、医薬品、労働力の自由化、混合診療の解禁、皆保険制度の撤廃、言語障壁などである。これらについては別の機会に譲る。特に最後の言語障壁については日本語がそうだと言われたら、これは当然受け入れられない。
*NTB:Non Tariff Barrier


四面楚歌

2011年11月15日 11時18分11秒 | Weblog
四面楚歌の日本経済

八方ふさがりの日本経済

    経済は内需と外需から成り立っている。毎年、企業の生産性が上がり、それに伴い従業員の給料が増加すれば、輸出が振興して、国内でも消費が活発となる。この状態は1975年から10年ほど続いた高度成長期の話である。輸出拡大と内需振興が車の両輪となり経済成長の足となるのだが、現在は、円高で輸出は伸びず、給与ダウンや高齢化で消費人口も減っているから、車が回らない状態である。まさに、日本の置かれている状態は八方塞がりとか、四面楚歌という状況だ。

   

    すべてが右肩上がりで順調に回転しているときには、企業が多少の怪しげなことをしていても表面には出ないし、霞が関では官僚たちがしたい放題で、官舎を建設し、天下り先を作っても誰も文句をつけない。この回転が止まると、ちょうど春先のスキー場で雪が融けると落とし物やごみが表面に出てくるように、さまざまな不祥事や不都合なことが露見してくる。


    このような状況ではあまりじたばたしても物事の先は見えてこない。現在の日本で世界に誇るべきものをさらに成長させ、新しい芽を育てる教育こそに力を注ぐべきであろう。東日本大災害、原発事故、タイの大洪水で改めてわかってきたことは、日本のものづくりの技術がなくては、世界の生産は成り立っていかないことだ。

    ANAに導入された最新鋭の旅客機ボーイング787では機体の40%は日本製だ。確かにパソコン、車、テレビの完成品ではコストの安いアジアに技術が移転したが、実はこれらを構成する素材や部品では、未だに日本のものが圧倒している。この優位性を維持して行くには教育の力だ。これにカネを惜しんではならない。先輩たちはできるだけ若者の教育には尽力すべきであろう。


何処で何をしているか

2011年11月14日 10時28分23秒 | Weblog
何を何処でしているか監視されている
監視社会の到来
いまスマホで何をしていますか?
     この記事は4年前の記事の再録と改訂である。現在はパスモとかタスポ,ETC,ネットバンク、スマホなどの便利な道具を使えば使うほど、個人情報はあるところで確実に記録されている世の中になっている。まさに個人情報管理システムが完成の域に達している。街を歩けば、あちこちに丸い黒いカメラを目にすることができる。埼京線では電車の中にまである。

  
    企業、官公庁を問わず、どこの事務室を見ても、机の上には必ずモニターを見ることが出来る。パソコンなしの仕事は考えられなくなってしまった。まさに、パソコンは普及率、価格から見て自転車なみと言ったが、それ以上になっている。そしてネット社会ではスマホ、パソコンに入力すると、すべてどこかで連携しているので、監視ソフトをその組織のサーバーに組み込むと、社員が今何をしているかを具(つぶさ)に知ることができる。悪い事は出来そうもないが、逆に密かに個人情報に潜入することもたやすい。

   
   ディジタル機器をすべて身の回りから排除すれば、監視社会から脱出できる。しかし、積極的に利用する方が人生を有益にすることができると思う。スマホやタブレット等の端末機器の発達は、寝たきりになっても、病床にあっても、指さえ動けば寝たままで操作して外部と繋がることができるし、ブログなどの情報を発信することができる。まさに高齢化社会に相応しい道具の登場である。