語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【震災】誰が復興を殺すのか ~霞が関の便乗予算と重複予算~

2012年03月24日 | 震災・原発事故
 復興庁は、2012年度予算から新設される復興特別会計を管理する。既存の省庁が復興予算を要求、配分する顕現を一元化された。
 復旧・復興費は10年間で総予算23兆円だが、配分先について速くも各省庁に押し切られそうな気配だ。特別会計、11年度補正予算を含め、被災者のニーズとはかけ離れているように見える不要・不急な事業が盛り込まれている。

(1)防衛省
 ・自衛隊輸送機 8機 440億円。
 【批判】
  復興予算はあくまで被災者のために使うべき。輸送機に回すのは悪ノリ。例えば、仮設住宅5万戸の風呂に追い炊き機能をつけるには150~200億円かかる。輸送機の購入費の一部だけでも一般会計で処理するだけで風呂の改修工事が可能になる。これこそ被災者に寄り添う使途だ。【佐々木憲昭・衆議院議員(共産党)】
 ・(自衛隊)弾薬購入費 3億1,200万円。
 ・その他・・・・原子力災害に対処する無人航空機と無人車両の購入、遠隔操縦可能な施設作業システムの研究、洗濯機・乾燥機・庁内託児所用備品。

(2)国土交通省
 ・(海上保安庁)消防型巡視艇 6隻、巡視船 2隻 24億円。
 【批判】
  コンビナート火災が発生すれば海上から放水活動が行われるが、燃焼を制御するだけで、鎮火は困難なことが東日本大震災で明らかになった。液化石油ガスが燃え尽きて鎮火するまで10日かかった。巡視艇や巡視船を更新しても被災地復興には直接繋がらない。 

(3)農林水産省
 ・反捕鯨団体「シー・シェパード」の妨害活動の対策費や調査捕鯨経費の補填 23億円。

(4)財務省
 ・(国税庁)東京都・大阪府・兵庫県の3税務署の整備費 10億9,000万円。

 以上、鳴海祟郎(本誌)「「3・11復興予算」を弄ぶ霞が関の「血税ドロボー」」(「サンデー毎日」2012年4月1日増大号)に拠る。

   *

 (1)被災者の心のケア 37億円 【内閣府】 →(8)と重複
 (2)NHKワールドのコンテンツ強化 8.1億円 【総務省】 →(4)と重複
 (3)青少年11,425人の国際交流 72億円 【外務省】 →(7)と重複
 (4)米CNN政策の30分ドキュメンタリー番組を海外で放送 3.2億円 【外務省】 →(2)と重複
 (5)防災対策のノウハウなどを諸外国に提供、途上国の人材を育成 42億円 【外務省】 →不良
 (6)ビザ発給管理システムの改修 1.7億円 【外務省】 →不良
 (7)外国人大学(院)生の訪日など 1.3億円 【文部科学省】 →(3)と重複
 (8)被災者の心のケア 28億円 【厚生労働省】 →(1)と重複
 (9)シーシェパードの妨害活動への安全対策、調査捕鯨経費の補填 23億円 【農林水産省】 →便乗
 (10)被災にかかわらず国内企業の海外流出を防ぐ補助金 2,950億円 【経済産業省】 →便乗
 (11)経済合理性を欠く道路(三陸海岸)の整備 307億円 【国土交通省】 →不良
 (12)災害廃棄物処理事業 3,860億円 【環境省】
 (13)被災した装備品等の復旧 631億円 【防衛省】

 以上、記事「“死に金”と化する予算」(「週刊ダイヤモンド」2012年3月5日号)に拠る。
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