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【朝日俳壇抄】渾渾と泉湧きくる日野原忌 ~8月7日~

2017年08月09日 | 詩歌
【凡例】☆印は共選作。①、②以下丸文字は一席、二席等。
☆印は共選作

<稲畑汀子選>
 ①脱ぎ捨てて海へ一直線の夏 (宇佐市)熊埜御堂義昭
 ③灯台の点(とも)る頃好し月見草 (横浜市)松永朔風
 ⑤星原に空を返して梅雨明くる(鹿児島市)青野迦葉
 ⑨もう誰の声も届かぬ水遊び(堺市)杉山千恵子
 【評】一句目。元気な若者の夏。浜辺に来て泳ぎたい気持ちが逸(はや)り、忽(たちま)ち水着姿になって海へ駆け込むのを見ている作者。(中略)三句目。月見草の咲く頃、灯台が点る至福の時間。

<金子兜太選>
 ①泰山木咲くや昭和の父の影 (尾張旭市)久永満
 ②渾渾(こんこん)と泉湧きくる日野原忌 (秩父市)浅賀信太郎
 ⑤射的場の銃の軽さよ巴里祭 (東京都)小出功
 ⑩油蝉更に声高老夫婦 (稲沢市)柴藤瑠美子
 【評】久永さん。泰山木の白く大きな花が、父への思いに厚みを加える。浅賀さん。野性味豊かで、かつ繊細であった日野原大老逝く。合掌。(中略)十句目柴藤さん。年寄りは元気が良い。

<長谷川櫂選>
 ②子とともに大きくなりし冷蔵庫 (さいたま市)齋藤正美
 ⑤銀漢や阿蘇は火の山水の山 (伊万里市)松尾肇子
 ⑦引揚げの着きし日もあり夜光虫 (大阪市)今井文雄
 ⑧老い独り寝付きの糧に一夜酒 (岐阜県八百津町)後藤みさ緒
 【評】(前略)二席。子どもの成長につれ、冷蔵庫も大きくしてきた。おもしろいところに気づいた。(後略)

<大串章選>
 ③鎌を研ぐ鬼の形相草いきれ (藤沢市)小田島美紀子
 ④折り鶴の千羽の黙(もだ)や原爆忌 (広島市)谷脇篤
 ⑤炎昼の東京砂漠喪服着て (山梨県市川三郷町)笠井彰
 【評】(前略)第三句。むっとする熱気の中で草刈鎌を研ぐ。「鬼の形相」が凄(すさ)まじい。

□「朝日俳壇」(朝日新聞 2017年8月7日)
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