「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの教室:憧れのタカラジェンヌを目指して

2013年04月04日 | 教室の風景



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先週の3月29日、兵庫県宝塚市の宝塚音楽学校で、第101期生の入学試験の合格発表が行われました。実は、HPSの高2の生徒が、今回初めて宝塚音楽学校を受験していて、私もその発表がたいへん気になっていました。今年の受験者は881人で、合格者は40人ですので、合格するためには22倍の倍率を突破しなければなりません。

「先生、宝塚音楽学校に、合格しました!」

彼女の嬉しそうな声が、電話から聞こえてきました。長い間、クラシックバレー・バイオリン・声楽など、さまざまな習い事をこなし、自分の目指す目標に向かって頑張ってきた彼女の努力が、報われたと感じた瞬間でした。HPSは進学塾ですので、今回の合格に貢献したわけではありませんが、それでも進路が揺れているとき、彼女を激励してきました。

「好きなことだったら、あきらめないで頑張りなさい。リスクもあるけれど、宝塚音楽学校に入るなんて、あなたにとっても夢があるし、一族の誉れじゃないか。」

HPSに小学校の時から通っていた彼女は、この春に有名私立女子校を中退して、宝塚音楽学校の門を叩くことになりました。それは、素晴らしいことだと思います。なかなかできることではありません。HPSから御三家や上位校に合格し東大に進んだ生徒はかなりいますし、東京芸大に進んだ生徒もいますが、さすがに宝塚音楽学校に進学する生徒は、HPS創設以来初めてです。

安全志向・安定志向が過大に評価され、持って生まれた個性を発揮する生き方を選択することが、難しい世の中になりました。そうした平凡な生き方、リスクの少ない生き方と決別して、未知の世界に飛び込む彼女の勇気をたたえたいと思います。この進路の決断は、ご両親の思いを遥かに超えた、本人の意志によるものです。そして今回の合格は、ご両親に喜びだけではなく、大きな戸惑いを与えたと推察されます。そうした意味では、子供のほうが純粋に夢に向かって決断できる場合もあることを示しています。

宝塚音楽学校に入学することを決断した彼女には、これからまだまだ乗り越えなければならない課題が、前途に山積していると思います。芸の道は、厳しい道だと思います。人々に夢と希望と感動を与える仕事は、並大抵の努力で達成されるものではありません。また、クラスメートは同じ夢を持った同志であるばかりか、スポットライトを競うライバルでもあるわけです。どちらかと言うとおっとりとした性格の彼女は、そうした点でも乗り越える課題があるように思います。

親元を離れて新しい生活を始める彼女には、自分の選んだ道、自分の好きな道を、一歩一歩着実に、元気に歩んでいってほしいと願っています。

(生徒の特定を避けるために、学校名等個人情報は記載しません。) 


ミラーの反射によってできた虚像と実物が入り交じる時、
本当の自分の姿がどれなのか、分からなくなります。
本人だけではなく、鏡の像も困惑しているのです。


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