最近のブログで、公園や道端に咲く雑草を取り上げて、その特徴を語ってきました。 今日取り上げる植物も、注意して周囲を観察すると、必ず見つかる雑草です。 小さな黄色い花を咲かすその植物の名は、カタバミ。
カタバミの葉は、ハート型の3枚がとがった先端を寄せあわせた形の三出複葉となっていて、直ぐにその特徴的な葉により、カタバミであることが分かります。
地上近くを這って伸びる匍匐茎(ほふくけい)を使い地表に広がるカタバミは、繁殖が早くしかも根が深いので、駆除に困る雑草でもあります。
カタバミのそうした繁殖力は、人間の勝手な都合からすれば、厄介な雑草と見られる場合もあります。
その反面、カタバミのハート型の葉は、日本の家紋のデザインとして広く取り入れられています。
片喰紋・酢漿草紋(かたばみもん)として、五大紋の一つに数えられるほど、カタバミは古くから身近な存在の植物でした。
カタバミは、繁殖力が強く一度根付くと絶やすことが困難であることが、「(家が)絶えない」に通じることから、家運隆盛・子孫繁栄の縁起担ぎとして、家紋の図案に用いられたそうです。
【カタバミ(片喰、酢漿草)】
カタバミ科カタバミ属の多年草。
地下に球根を持ち、さらにその下に大根の様な根を下ろす。
葉は球根の先端から束に出る。
春から秋にかけ黄色の花を咲かせ、花びらは5弁。
果実は円柱状で先がとがり、真っ直ぐに上を向いてつく。
成熟時には動物などが触れると、自ら赤い種子を勢いよく弾き出す。
カタバミと同様の特徴的な3枚のハート型の葉をしていますが、カタバミの花のように黄色ではなく、紫がかった赤い色の花を咲かす植物を、注意すれば必ず身近に観察することができるでしょう。
この植物は、カタバミと同じく、カタバミ科カタバミ属の植物で、名をムラサキカタバミと言います。
【ムラサキカタバミ(紫片喰、紫酢漿草)】
南アメリカ原産カタバミ科カタバミ属の植物で、江戸時代末期に観賞用として導入された。
それ以降、日本に広く帰化し、北アメリカ・オーストラリア・熱帯アジアなどに帰化している。
花は主に夏に咲き、葉の間から伸び出した花柄は葉を越えて伸び、先端に数輪を散形花序につける。
種子は付けず、繁殖は鱗茎の周囲に小さな鱗茎を生じることで行われる。
カタバミと同様に、このムラサキカタバミも繁殖力旺盛で、石垣の隙間や道路脇のほんのわずかばかりの地面にも、可愛い紫の花を咲かせています。
カタバミにも、ムラサキカタバミにも、しばらくすると 上向きにした剣のような実がつきます。
その実は、そのままでもはじけるのですが、手で触ったりすると、中の種子をはじき飛ばします。
このようなカタバミの仲間の繁殖力の強さやたくましく子孫を残す生態が、家紋にカタバミの姿を図案化するほど、人々を引き付ける要因にもなっているのでしょう。
自宅近くの集合住宅の植え込みに、花はカタバミそのもので、葉は可愛いカタバミの葉を大きく拡大し、ハートの凹みをなくし、二等辺三角形にして、色を紫に変えた植物を見かけました、
カタバミは、調べてみると大変多くの園芸品種があるようです。
調べてみるとオキザリス・トリアングラリスの仲間で、トリアングラリス・マイケではないかと思います。
カタバミ科カタバミ属の植物で、ムラサキカタバミと同じく南アメリカのブラジルが原産地です。
葉は、昆虫が好むのか、かなり食い荒らされていましたが、下の画像のように、元気に可愛い花を付けていました。
私たちの生活空間の、
ほんのわずかばかりのスペースを活用して、
たくましく繁殖する雑草。
よく見れば、綺麗で可憐な花をつけています。
雑草として定期的に刈られる運命の植物、
カタバミもそんな部類に入る草花です。