「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの『四季を楽しむ』:8月31日の新宿御苑

2014年09月07日 | 四季の植物と風景



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 8月の下旬は、全国的に日照不足・低温の天候が続きました。農作物の収穫にも影響が出て、生野菜が高騰しているようです。8月の最終日31日、ちょっと天気が気になりましたが、6歳児と新宿御苑を散歩しました。ツクツクボウシが鳴く御苑で、夏と秋が混在した景色を楽しむことができました。



 苑内のサルスベリ(上)やアメリカデイゴ(下)などは、まだまだ元気に咲いています。ただサルスベリは、百日紅とも書く通り、比較的長く花が咲いている樹木です。また紅色だけではなく、白いサルスベリも咲いていました。

 デイゴはマメ科の落葉高木で、インドやマレー半島が原産で、日本では沖縄県が北限とされています。塾では小4社会で、沖縄のデイゴを学習します。寒さに弱いため関東以南で栽培され、首都圏で見かけるアメリカデイゴは、花期が6~9月頃で、下の画像のように独特な形状の赤い花を咲かせます。



 下の画像のプラタナスの並木、池の畔に植えられているヤナギの木は、夏の間に葉が生い茂って、ちょっとみっともないくらいです。このプラタナスの並木は、しばらくすると「第三の男」のシーンのように、ハラハラと落葉する時期がやってきて、最後は完全に葉を落とした冬枯れた姿に変わります。

 日本に生えているヤナギの木は、どちらかと言えば水辺を好む種が多いようで、潟の多い私の故郷・新潟の街路樹に、かつては多く植えられていました。伸び放題の枝垂れた葉の下で、「お化けだぞ~をしてみて!」のリクエストに応える6歳時です。






 雨模様の天候の合間、昆虫たちは、ここぞとばかり餌を求めて忙しく飛び回っていました。下の画像は、アオスジアゲハですが、都心で最もよく見かけるアゲハチョウです。

 アオスジアゲハがとまっている植物は、ヤブガラシです。森林のマント群落の代表的な植物(塾では小5で学習)で、ヘクソカズラとならび都心の植栽に絡みついている蔓植物の代表でもあります。甘い蜜を出しているようで、多くの昆虫が集まっていました。



 多くの木々には、実が付いています。そうした木々の様子を見れば、秋の近いことを実感します。下の画像は、ウメモドキの赤い実と、ホウノキの大きな実です。タイサンボクハクモクレンの実は、ホウノキの実と似ていて、しばらくすると実が割れて、オレンジ色のどぎつい色の種子が中から覗くようになります。









 御苑の花壇には、ポーチュラカの花が満開でした。赤・ピンク・オレンジ・黄色・白と、色とりどりの小さな花がいっぱい咲いています。その下にある画像のピンク色をした星形の花は、ペンタスです。









 知らないうちに至るところに繁茂して、ちょっと嫌がられているワルナスビ。ワルナスビやヘクソカズラなど、人間様の視点で植物を見て名付けた名称も多々あります。下は、同様に植栽にからまるように生えているカラスウリの、独特な形をした花です。蔓に熟した実がなるころの風情ある姿は、日本画の題材としてよく扱われます。

 カラスウリは、花の形状も変わっていますが、その生態も負けず劣らず変わっています。ウリ科の植物ですので、雌雄異株です。花は、7月から9月にかけて、日没後に開花し、翌朝の日の出前には画像のように縮んでしまう一日花です。花弁の縁が糸状に長く伸び、開花すると糸状の部分がみるみる伸びて短時間で完全に開き切るのだそうですが、いつかこの開花の様子を見てみたいものです。(画像の花弁に付いた糸状のものが、開花時は周囲にネット状に開きます。)

 カラスウリは虫媒花であるにも関わらず、夜に咲く理由があります。花が咲く時間帯と、独特の目立つ花の形状は、夜行性のガを引き寄せ、受粉するためだと言われています。ポリネーター(植物の花粉を運んで受粉させる動物のこと)は、大型のスズメガだそうです。






 上のような花を見ると、まずシモツケソウを思い出します。上の植物は、シモツケソウかその近縁種であることは確かです。バラ科の植物で、山に登るとシモツケソウ属の植物と出会うことがよくあります。



 ちょっと時期が過ぎたウバユリ(上)とアガパンサス(下)の花です。いずれもユリ科の植物で、都心の公園などでよく見かける花です。アガパンサスは、その生態からヒガンバナを私は連想します。ウバユリ(姥百合)とは、ちょっとかわいそうな名ですが、茎が伸びて花が咲く時期には、葉(歯)が枯れてしまうことから、ウバユリの名がついたそうです。






 上の画像はノシランです。ランと名が付きますが、細長くてツヤがある葉をランの葉に見立てて付けられたようで、ラン科の植物ではありません。また下の画像はツルボです。ノシランもツルボもユリ科の植物で、ヤブランの近種でもあります。ツルボは、秋の初め頃に、突然茎を伸ばし、うす紫色の花を咲かせます。






 ジャスミンは、モクセイ科ソケイ属の植物の総称で、ソケイとも呼ばれています。花は強い芳香を持ち、香水やジャスミン茶の原料として使用されます。栽培の歴史は古く、古代エジプトですでに行なわれていたといわれています。
 近年の出来事ですが、2010年から2011年にかけてチュニジアで起こった民主化運動(革命)が、ジャスミン革命と呼ばれました。それは、この国を代表する花・ジャスミンの名が由来です。



「ねえ、こんな面白い落ち葉があったよ!」
「ほんとうだ、私も見つけよう!」
こんなに顔に似た落ち葉は、なかなか見つからないのも当然。
私がくり抜いたことに気づき、6歳児は鼻と眉毛もくり抜いた落ち葉を作りました。けれども、虫が食ったように作為が感じられない目と口のある落ち葉の方が、眉毛まである落ち葉よりも風情がありました。



 これから、春とは異なる、変化に富んだ秋の自然を楽しむ季節となります。どうぞ、心休まるお散歩を楽しんで下さい。


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