「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの随想:日照不足で野菜価格高騰

2014年09月16日 | 時事随想



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 今年の夏、西日本では100年に1度と言われるの日照不足に悩まされました。その原因は、8月に太平洋高気圧の勢力が弱く、台風の通り道になることが多かったことと、湿った空気の流入が続き前線が停滞したことが挙げられています。

 関東の日照時間は、統計上平年並みかやや少なめでした。しかし、それは8月中旬まで晴天が続いたことが影響し、実は下旬になると1日2時間未満の日が約1周間も続きました。

 その結果、日照不足により野菜の価格が高騰しています。消費税アップと円安に加え、異常気象の追い打ちで、家計は大変だと思います。きゅうりやトマトなどの果菜類は、日照不足で葉で光合成が行えず、樹が衰えて花を落としたり、実に十分な栄養を蓄えることができない状態だそうです。

 具体的な野菜の価格変動は、この時期1本約30円のキュウリが100円、1玉約150円のレタスは300円前後で販売されているそうです。栃木県や群馬県が産地のナスも、1キログラム381円と7割高なのだそうです。家計を管理する主婦は、様々な工夫と労力で、この状況を乗り切っているのでしょう。

 近年の集中豪雨・ゲリラ豪雨・巨大台風・竜巻発生率の増加、それに著しい寒暖の変化などの気象変動が、極端になってきました。気象庁がこうした天候に対し頻繁に使用するようになった「今まで経験のない」という形容は、「今までの経験則」では判断を誤ることを危惧しての使用だと思われます。昨今のこうした経験のない異常気象は、全国至る所で大きな災害をもたらしただけではなく、農作物にも被害を与えて、家庭の食卓にも大きな影響を与えています。

 世界気象機関(WMO)の 最新の解析によると、2013 年の二酸化炭素、メタン 、一酸化二窒素の世界平均濃度は、それぞれ、 396.0±0.1 ppm、1824±2 ppb、325.9±0.1 ppbとなり、これまでの最高値を更新したということです。そして2012 年から 2013 年にかけての二酸化炭素の濃度増加量が2.9 ppmとなり、1984年以降最も多いというデータが示されました。

 地球温暖化の原因となる温室効果ガスは、その増加を抑えるどころか、増加の一途をたどっていることが、これらのデータで分かります。自然のままの気候変化は、比較的穏やかで長期間をかけて行われます。しかし、人為的な影響を受けた気候変動は、短期間で激しく動くように感じます。そして、一旦変化した気象は、もとに戻すためには気の遠くなるほど長期間を要すと考えられます。これは、学校の成績が落ちるのは、簡単で短期間に起きますが、一旦落ちた成績を上げるには、長期間のたゆまぬ努力を要求するのと似ています。

 太陽活動と地球の関連からすると、気象はこれから寒冷化するという説もあります。それを以って、二酸化炭素の増加に目を向けない人たちがいますが、それは間違った考え方です。自然のままの気象変化は緩やかに推移し、人類は今まで太古の昔から、幾度もそうした変化に対応してきました。けれども、人類の生産活動の影響を受けた近年の地球温暖化は、これから私たちに厳しい試練を、長期間にわたり与え続けることは確かです。

 私たちは、無反省な生産活動によって傷めつけられた地球から、今まで経験したことがないと言われる異常気象という形で、報復される運命にあるようです。

コメント (4)
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