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風をつむぐ少年

2014-11-27 19:59:04 | 児童文学
ポール・フライシュマンは「種をまく人」で有名な作家さんですが 
彼の「風をつむぐ少年」はとても心に沁みる作品です。片岡しのぶ訳

児童文学の中で 赤ちゃん向き、幼児さん、小学生、中高生向きと 
いろいろありますが中高生向きの小説を Young Adult(ヤングアダルト)略してYAと
アメリカで13歳から19歳の世代の人たちに対して使われている言葉で、
「若いおとな」という意味です。

「風をつむぐ少年」はYA

父親の仕事の関係で転勤の多いブレントは、
あたらしい学校で「うまくやる」ことが、すべて。
常に、焦り、不安、迷い・・が心を占めています。

ある夜 友だちの家でのパーティーで大失態をおかしたブレントは
酔ったいきおいで自殺を図り、
その結果見ず知らずの18歳の女の子、リーを死なせてしまいます。

リーの両親が、ブレントに求めた償いは、
「アメリカ大陸の四隅に、リーの顔をした風の人形をたてること。」

抱えきれない罪の意識から逃れるように
彼は、大工道具をバックパックにつめ、旅にでます・・・

物語は、旅にでる理由となった大きな出来ごとのほかは
ちいさなきっかけをつむいで語られます。

立っていた場所を失ったブレントは、旅の途中で出会う人びとから、
自分の目で見たものから、感じたことから、きっかけをひろっていきます。

彼の作った風の人形は 時間を超えて、思いもしないだれかのところへ、
運ばれていき、そこからまた、物語が生まれます。

ちいさなきっかけの、波紋。だれかのおこした、ちいさな風・・
どこまでも、どこまでも、つながっていく。

目に見えないけど、見える気がする。
風をつむごう  

おすすめです YAのみんなも OAの人にもね



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