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「人間失格見本市」だったかつての勤務先

2005年11月06日 | えとせとら

私も人間だから、人を傷つけるような言動が皆無だとは言えない。自分でも気づかないうちに他人を言葉で傷つけることは現在でもあるのだろう。しかし、少なくとも病み上がりの、しかも過労が原因で2週間も会社を休んだ(肺炎を起こしかけ、病院で診察されると即、入院を言い渡されたくらいの重症だった)人間に対して、次のようなせりふを吐くほど、人間性は欠如していない。
「病気は自分の責任だから」
これは11年前、仕事に復帰した私に、当時の直属上司がかけた最初の言葉である。
日ごろの健康管理が大切なことはわかっている。しかし、連日の徹夜、土曜出勤に加え、地方出張も重なり、そのうえに会社の付き合いで仕方がなかったとはいえ、他人の葬儀に3回も顔を出さなければならなかった。それはたった2週間の間である。
しかも、その3回の葬儀のうち2回は、私に上記のすばらしい言葉を吐いたその上司の両親(相次いで亡くなったのは本当にお気の毒だったが)のものだったのである。
今の私だったら机をひっくり返してやるところだが、当時は過労、そしてこの上司を含めた無神経・無慈悲な人間が周囲にあふれていた職場環境におかれて、極限状態まで弱りきっており、自分自身に向けられたこの信じられないせりふに気づく余裕もなかった。

この会社にはほかにも、人を昼飯に無理やり誘い出しておいて、いざ支払いになると「ワリカン」と言いやがった(たかが600円のラーメン! しかもそいつはオレの倍近い収入があった)上司や、月曜の夜12時(昼じゃありませんよ)過ぎにノコノコ出勤してくる(まあ、そんな時間まで仕事をしている=しかもたけなわ=っていう職場もすごいけどね)アホな同僚ども(一人だけじゃないのもまたすごい!)など、さながら「人間失格見本市」の様相を呈していた。彼らを一堂に会して、その行状をそのまま東京ビッグサイトあたりで公開すれば、けっこう客やマスコミが集まることだろう。そうした会社の環境を、当時通院していた神経内科の医師に話すと、しばし言葉を失ったくらいだ。まあ、社長が麻薬で逮捕され、懲役を食らうような会社だからしょうもねえけどね!
フリーになっていろいろ厳しい面もあるが、少なくともこうした人間関係を押し付けられることはなくなった。上司や部下、先輩後輩といった「上下関係」の中に身をおかずにすむことはなんとすばらしいことなのか
役所・会社勤めの人間は、いやがうえにもそうしたいびつな人間関係を強要されるものだが、せめて休日ぐらいは会社の人間関係から隔絶された空間で過ごすことを、精神衛生の面からも強くお勧めしたい。



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