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「不東」(不退転の道)

2010年12月31日 | えとせとら

 

 10月以来、諸事情で更新が滞っておりましたが、本年も当Blogをご愛顧いただき誠にありがとうございました。

 私がこの数年、心にいつも刻んでいる言葉は「不東」です。

 「不東」とは、「西遊記」で知られる三蔵法師こと中国・唐時代の高僧・玄奘三蔵が、仏跡の巡礼と経典の研究を志して、はるか西方のインドへ16年に及ぶ旅に出た際、目的を達するまでは決して中国(「東」)へ戻るまいとの不退転の決意を込めた二文字で、現在、奈良・薬師寺の「玄奘三蔵院」にも掲げられています。

 世界で「自由」と「平等」「民主主義」が普遍的な人類共通の価値観となったのは、長い人類の歴史においてはつい最近のことです。日本では、1945年8月15日まで、紆余曲折はあったものの、基本的には一部の権力者が大多数の市民を「支配」する時代が何千年も続きました。

 今年の大河ドラマ「龍馬伝」において、坂本龍馬がこんなセリフを語るシーンがありました。

 「人が人を支配するの世の中からは、憎しみしか生まれない」

 龍馬の理想は、その死後80年を経た1947年、日本国憲法の制定によって「法のみが人を支配する」社会が成立し、ようやく実現しました。

 しかし、残念ながらまだこの国にも、世界のあちこちにも、権力者や権威が人を支配することを望む人間が(決して多くはありませんが)存在します。

 私に与えられた生涯を通じての使命は、名曲「Imagine」でジョン・レノンが歌ったように、「誰もが誰をも支配しない世界」が地球上の隅々まで広がるため、自分の仕事を通じて全力を尽くすことです。

 その目的に一歩でも近づくため、私はこれからも「不東」の二文字を胸に、前へ歩み続ける所存です。

 本年も本当にありがとうございました。

 2010年12月31日

 Baseball Contributor
 上田 龍

 



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