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kan-haruの日記

地球シミュレータ(海洋研究開発機構横浜研究所) 見学

2006年08月03日 | ITと技術
7月19日の午後、所属している会の情報化研究会にて開催の地球シミュレータの見学会に参加しました。
地球シミュレータは、京浜急行「杉田駅」から徒歩15分のところ(アクセス)にある、海洋研究開発機構横浜研究所内の地球シミュレータセンターにあります。
地球シミュレータとは、地球規模の環境変動の解明・予測を目的として、1998年に当時の科学技術庁が開発を開始し、2002年3月に海洋研究開発機構横浜研究所 地球シミュレータセンターに設置されたスーパーコンピュータのことです。

海洋研究開発機構は、文部科学省所管の独立行政法人で、2004年に東京大学海洋研究所から移管された海洋、大陸棚、深海調査の「しんかい」などの各種調査船で研究を行っています。脚光を浴び最近完成した掘削船「地球」は、船底からの高さが130メートルある掘削用やぐらがそびえ立ち、水深2,500メートルの深海域で、地底下7,000メートルまで掘削する能力を備えていますので、地震の発生メカニズムや地球環境の変化の解明等に役立つよう期待されております。

地球シミュレータ
地球シミュレータは国家プロジェクトとして、宇宙開発事業団 (現宇宙航空研究開発機構)、日本原子力研究所、 海洋科学技術センター(現海洋研究開発機構)の3つの法人によって開発され、海洋研究開発機構内の地球シミュレータセンターに建造された地球シミュレータ棟に設置されました。
地球シミュレータは、台風など気象予測の精度を大幅に改善し、災害の予報に活躍することも期待されており、地球温暖化など今後100年間の環境変化のシミュレーションなどの計算にも利用されています。
地球シミュレータの性能は、ベンチマークで実効性能35.86テラフロップスを記録し、2002年時点では世界で最も速い高性能のスーパーコンピュータで、2004年6月に至るまでの5期連続トップを維持しましたが、2004年11月にIBMが開発したBlueGeneに首位を明け渡してからの現在は世界で5位の性能です。

地球シミュレータ システム

地球シミュレータ システム構成
ベクトル型計算プロセッサ8台が、主記憶装置16GBを共有する共有メモリ型並列計算機をノードとした計算機を集めて、640台の計算機ノード群を集めて構成し、クロスバネットワークで結合させた分散メモリ型並列計算機です。
このクロスバネットワークで使われているケーブルの総本数は、640×130 = 83200 本あり総延長は約2400Kmであるそうです。
写真1 地球シミュレータのケーブル配線

地球シミュレータの施設・設備を見る
・地球シミュレータ棟
地球シミュレータを設置してある建物は、幅50m、奥行き65m、高さが17mの2階建てで、床下にある高さ29cm,直径1m,20層の積層ゴムアイソレータが11個で出来ている免震システムの上に建っております。また、棟の周囲は、電磁波の影響を避けるためアルミめっき鋼板による電磁シールドが施されております。
建物の1階には、電気室と空調機があり、空調機の冷却空気は天井の隙間から2階の地球シミュレータに送られ、640台の計算機ノード群を冷却して、棟の側面の壁の隙間から温まった空気が戻されます。
写真2 地球シミュレータ電気室
写真3 地球シミュレータの空調機
写真4 地球シミュレータの冷却口
計算機ノード群が設置されている建物の2階のレイアウトは、中央部に設置の薄みどり色の幅120cm、奥行き130cm、高さ200cmの65筐体に計算機ノードを結ぶ結合ネットワークが収容されております。
結合ネットワーク筐体の周囲を取り囲んで設置されている青色の幅140cm、奥行き100cm、高さ200cmの320筐体に、640の計算機ノード群が収容されております。
写真5 結合ネットワーク筐体(左緑色)と計算機ノード筐体(右青色)
さらに、計算機ノード群収容筐体の外側には、白い筐体に収容されている磁気ディスクとカートリッジテープライブラリが設置されております。
写真6 補助記憶装置筐体
部屋の照明は、光源がマシン室の壁の外側に設置されているハロゲンランプによる、ライトガイド方式という直径が255mmで、長さが44mのライトチューブ19本による特殊照明でソフトな感じのする雰囲気でした。
写真7 地球シミュレータ棟の照明

・地球シミュレータの外部設備
地球シミュレータ棟の避雷システムは、棟とは独立した8本の避雷塔による架空地線方式が採られております。
写真8 地球シミュレータ棟の避雷システム
地球シミュレータの様なスーパーコンピュータでは、多大な電力が必要であり、地球シミュレータの消費電力は約6MWで、年間電気代が約6.5億円であると云われております。
写真9 地球シミュレータの受電設備

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