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イベント 映画「母べえ」大森町に住み始めた時代の激動の世界大戦を生きた家族の物語

2008年02月09日 | イベント
kan-haru blog 2008

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母べえ
山田洋次監督が激動の世界大戦を生きた家族を描く映画「母(かあ)べえ」は、夫の滋が治安維持法違反で検挙され、戦争反対の信念を曲げない夫を尊敬し信頼し、吉永小百合が演じる母役の佳代が、残された二人の娘たちと精いっぱいに家計を支えながらつつましく生きていく物語です。
年に数度程度見る映画の中で、我々と同世代を生きた「母べえ」は是非見たい映画であり、京急川崎駅前のDICE - TOHOシネマズ川崎に2月5日に観に行ってきました。

物語は1940年(昭和15年)から1941年(昭和16年)に、日本が太平洋戦争へと歩みを進めていく時代の東京が舞台で、批判して戦争反対を唱えると罪となり先が見えない暗い時代でありました。無知な軍部偽政者が指導の無謀な戦争で、悲惨な目にあわせられた一般国民が意見も唱えられず、ただ人と人の絆を頼りに深刻な食糧難や物資不足を何とか耐えて生き抜いた悲しい時代のノンフィクションです。


次の6行はネタバレの記事です。これから映画を観賞される方は読み飛ばして先に進んでください。
映画は、人間扱いされない獄中の「父べえ」と留守家族の間で手紙のやり取りで結ばれていた絆も、体重が3貫目(12kg)も痩せ衰えての獄中死の無言の帰宅で夢が消えました。また、留守家族の家庭を助けるため「母べえ」一家に身を寄せていた義理の妹も広島で原爆の犠牲に遭い、「父べえ」の元教え子の山崎が男手のない一家を何かと面倒を見ていたが、赤紙で召集され戦地への輸送船の爆沈で戦死するという、国民が戦争の犠牲を負い、悲惨さを訴えて戦争反対を示せない悲しさ、当時の理不尽なあの時代を生きた人間の何とも言えない暗い物語です。

母べえ - goo 映画

この物語の出演者は、「母べえ」役の吉永小百合は我々が若き世代に憧れの女優であり、私の母と同世代を演じた昭和の母は全く完璧です。二人の娘を演じた子役の演技も素晴らしいもので、妹役の「照べえ」は丁度小学生であったあの時代の私と同世代でした。
「父べえ」役の坂東三津五郎は、私の父と同世代の家族を愛し戦争反対を毅然と貫いた優しい父親役を熟し、脇役の義理の妹役の檀れい、元教え子役の浅野忠信なども好演でした。


戦争を語る
出演者の好演の演技力に引き込まれるより、実際に同世代を過ごした者にとっては、当時の悪夢の時代に引き戻され、映写の間中とても暗い感じに陥りました。
世界大戦を思い出すと、戦争は二度と繰り返してはならないと強く感じます。そして、戦争の悲惨さを次の世代に語り継いでいかなければならないと思います。

このブログでも、父の職場の同僚である若山武義氏の手記「大森町界隈あれこれ 空襲編手記 目次第1編2編3編」(完結)で残酷な東京大空襲の戦災を語り、同じく「大森町界隈あれこれ 戦後史編 目次」(連載中)で終戦翌年の悲惨な耐乏時代を語っております。
しかし、ブログで語っても、目に留まった人以外には一方通行で伝わりません。このブログを見て、二度と戦争を繰り返してはならないとご賛同の方は、戦争を語っている手記があるとご紹介頂きたく願います。

3月10日東京大空襲
1945年(昭和20年)3月10日の東京大空襲では、台東区、墨田区、江東区の一帯で一夜で10万人が犠牲となる戦災に遭いました。毎年、この地域の各地で、戦災の法要が営まれ、東京空襲に関するイベントの資料展や戦争を語り継ぐ催し(「イベント あれから62年「東京大空襲を語り継ぐ集い」 」参照)などが開催されます。
今年も、既に台東区の浅草公会堂で開催の被災63周年「東京大空襲資料展」(東京大空襲犠牲者追悼・記念資料展実行委員会主催)3月8~11日開催と、江東区の亀戸カメリアホールでの「東京大空襲を語り継ぐ集い」(東京大空襲・戦災資料センター実行委員会主催) 3月8日開催が行われますのでご案内致します。


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