安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

公共交通と原発を中心に社会を幅広く考える。連帯を求めて孤立を恐れず、理想に近づくため毎日をより良く生きる。

センバツ終わる 平安、意外(?)にも初優勝

2014-04-02 20:53:37 | 芸能・スポーツ
<センバツ>龍谷大平安が38回目で初の頂点 京阪対決制す(毎日)

第86回選抜高校野球は、京都・龍谷大平安の初優勝で熱戦に幕を閉じた。リンク先の記事にあるように、京都勢の選抜制覇は実に66年ぶり。龍谷大平安は、かつての平安高校時代以来、38回目の出場でセンバツは初優勝というから意外な気がする(夏は3回全国制覇している)。決勝戦は、履正社(大阪)との対戦となったが、関西勢同士の対戦は35年ぶりとのことで、これも意外な気がする。

今年は記念大会ではなかったが、甲子園球場ができて90周年ということで、開会前から話題を集めた。アベック出場(同一都道府県から複数の学校が出場すること)が東京、栃木、和歌山、京都、鹿児島、沖縄の6都府県と目立った。うち東京、和歌山、鹿児島の1校は21世紀枠で、東京からは、初の都立校として小山台、また鹿児島からは奄美大島の大島が離島からの出場として話題になった。

復活した「古豪」のうち最大の注目を集めたのは、やはり池田(徳島)だった。今大会は、開会式(3月21日)が祝日だったこともあり、当ブログ管理人は久しぶりに開会式のテレビ中継をリアルタイムで見たが、甲子園の高校野球ファンからひときわ大きな歓声を浴びたのが池田だった。高校野球史に残る名将・蔦文也監督に率いられ、ベンチ入りが14人までしか認められていなかった当時の甲子園でもひときわ少ない11人の選手で好成績を残した「さわやかイレブン」「やまびこ打線」の旋風から27年・・・オールドファンには懐かしい「IKEDA」のユニフォームが甲子園に帰ってきたのだ。ひときわ大きな歓声だったのもうなずける。海南(和歌山)も27年ぶりの出場だったが池田の時ほど大きな歓声を受けなかったのは、21世紀枠であったことと、かつての成績が池田ほど華々しくなかったからだろう。

その池田と海南は、2日目の第2試合で対戦した。1回戦で対戦するにはもったいないような屈指の好カードだったが内容もそれにふさわしかった。7回まで1安打に抑えられていた池田が8~9回に集中打で追いつき、逆転サヨナラ勝ちを決めたときには、かつての「やまびこ打線」の片鱗を見るようだった。当ブログ管理人は、27年ぶりに流れる池田高校の校歌を初めは思い出せなかったが、「これぞわれらが学びの舎」あたりで過去の記憶が蘇り、「ひかり ひかり ひかりを呼ばん」以降は完璧に歌えた。池田のアルプススタンドに合わせて校歌を口ずさんでいるうちに背筋がぞくぞくするような快感を覚えた。これこそ高校野球の醍醐味だが、7回当たりから、「よもやあの池田が初戦で姿を消すのか」というムードが甲子園全体を覆い、異様などよめきに包まれているのはテレビ放送を通じてもはっきりとわかった。逆転サヨナラ負けを喫した海南の監督が「池田高校さんというだけで異様なムードで、やりにくかった」と敗戦の弁を述べたが、これは偽らざる本音だろう。伝統校、有名校と対戦するのも大変だと、このときばかりは海南ナインに同情した。

2日目の第3試合、豊川(愛知)×日本文理(新潟)戦は、当ブログ管理人は甲子園のレフトスタンドで生で観戦した(サムネイル写真はそのときの3塁アルプス、豊川応援団を撮影したもの)。9回までリードを許していた豊川が追いつき、試合は延長13回にもつれ込んだ。通常の試合より長く観戦できたのは得をした気分だったが、延長10回表、日本文理に2点を奪われ、そのまま逃げ切られるかに見えた豊川が10回裏に2点を取り、食らいついた粘りは見事だった。結果的には、この延長13回の末に勝ち抜いた粘りが豊川の勢いを生み、初出場ながら4強入りのきっかけになったといえるだろう。

この豊川×日本文理戦は今大会初の延長戦だったが、このほかにも今大会は延長戦が多く、接戦続きの実力伯仲の大会だった。佐野日大(栃木)に至っては、1回戦、2回戦がともに延長戦で、3回戦も1点を争う接戦に「よもや3試合連続の延長戦か」という空気も途中まで漂った。とりわけセンバツ史に残る好ゲームとなったのが、1-1のまま延長15回で決着がつかず、再試合となった3月29日の広島新庄(広島)×桐生第一(群馬)だ。延長15回+再試合9回、計24回をともに1人で投げ抜いた山岡(広島新庄)、山田(桐生第一)の両エースを讃えたい。

大会全般を振り返ると、今大会は、鉄壁の守備を誇るチームとエラーの多いチームの両極端に分かれた印象がある。記録されたものだけで1試合5失策というチームもあった。接戦の多かった大会だけに、最後はこの守備力の差が勝敗を分ける場面が目立った。守備は打撃と違い、短期間で向上させることは難しいが、失策の多かったチームはぜひ守備を鍛え直し、夏で雪辱を果たしてほしい。

過去3回の大会で21世紀枠が続けて割り当てられた東北地方には、今回、21世紀枠は割り当てられなかった。21世紀枠が東京、和歌山、鹿児島に割り当てられたのを見て、久しぶりに西日本勢中心の大会になるのではないかと思ったら、その通りになった。過去3年の甲子園で、近畿勢が優勝はおろか8強に1校も残れない大会があったことを考えると、「かつての雄」だった近畿勢が久しぶりに面目を保ったといえる。東日本勢中心に展開してきたここ数年の大会の趨勢が、今年を境にまたかつてのような西日本勢中心に戻るのか、それとも再び東日本勢が勢いを盛り返すのか。夏に向け、これも楽しみな点だといえる。
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